宮津純一郎の名言 一覧

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宮津純一郎のプロフィール

宮津純一郎、みやづ・じゅんいちろう。日本の経営者。第4代NTT社長。東京大学工学部電気工学科を卒業し、日本電信電話公社(現:NTT)に入社。技術畑の部署で経験を積み、総裁室次長、経営企画本部経営計画部長、ネットワーク事業本部長、ネットワーク高度化推進本部長、副社長を経て社長に就任。社長時は電話屋からの脱却をはかり、OCNを開始するなどインターネットへの参入を開始した。誰にでも気さくに接し社内外から人望が厚かった経営者。

前社長の方針を踏襲すると言えば波風を立てないで済むかもしれませんが、これからの企業はそれでは生き残れません。


昨年、社長の座をバトンタッチしました。私の時代の歴史観について本にまとめましたが、新社長に「時代が変わったのだから俺のコピーをしても駄目だぞ」とだけ申し送りました。


経営者に対する評価というのは常に結果論だと思います。最後には運だと言う人もいるぐらいです。枝葉末節に振り回されず、自分の歴史観に基づいて決断し、実行したことは全部責任をとる。経営者とはそういう仕事なのだと思います。


手取り足取り経営を教えてもらえるわけではないし、どの選択肢が最善なのかなんて誰にもわからない。経営者は自分自身の頭で考えて、こうだという思い込みを持って突き進むしかありません。


NTTにとっては技術の流れを読むことが最も重要なのですが、実際にはそれだけでは済まない。日本の通信業界のリーダーとしての立場がある。ユーザーからの注文も厳しい。巨大な組織ですから雇用問題も避けて通れない問題です。こうした複雑な要素を解く方程式を編み出すことなど土台無理で、自分なりの歴史観を持たなければ経営判断などひとつも下せなかったというのが本音です。


社員一人ひとりとじかに対話することが大切だという経営者は多いのですが、私はあまり熱が入りませんでした。社員にはいろいろ事情があり、すべての社員に対して会社に全身全霊を捧げろと言うのは無茶な注文です。そんなことを期待するのはおこがましいとさえ思います。対話によって会社を変えられるならそれほど楽なことはありません。ときには泣いてもらうことだってある。結局、経営者にできることは大きな歴史観の中で必要だと判断したことを断行するだけなのです。


経営者としての教訓を語るような柄ではありませんが、ただひとつだけ言わせていただくなら、経営者の仕事は大きな時代の流れを読んでタイミングよく掉(さお)さすことに尽きるということです。川には流れが速いところもあればよどみもある。あちこちで渦も巻いている。その流れをじっと見て、ここぞというときに棹をさす。バチッと決まれば船の向きがぐいっと変わる。


技術のトレンドからは必然の動きでも、NTTは100年という長きにわたって電話サービス一本でやってきた会社です。料金を下げろ、インターネットをやれ、マルチメディアもやれと、市場から次々に突きつけられる要求に答えていくのは簡単なことではありませんでした。時々刻々と様変わりする市場の中でNTTが生き残っていくには自らが変わるしかない。電電公社から民営化されたときとは比べ物にならない切迫感がありました。
【覚書き|NTT社長時代を振り返っての発言】


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