安藤宏基の名言 一覧

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安藤宏基のプロフィール

安藤宏基、あんどう・こうき。日本の経営者。日清食品社長。大阪出身。慶應義塾大学商学部卒業後、米国コロンビア大学を経て日清食品に入社。米国日清食品取締役、本社取締役、海外事業部長、開発部長、マーケティング部長、常務営業本部長、専務、副社長などを経て37歳で社長に就任。マーケティング部長時代、「U.F.O」「どん兵衛」などのヒット商品を手掛けた。社長としても大胆な改革を行った。父は日清食品創業者の安藤百福。そのほか、(財)安藤スポーツ・食文化振興財団理事長、宇治開発興業株式会社代表取締役社長、国際連合世界食糧計画WFP協会顧問・会長、日本食品・バイオ知的財産権センター会長などを務めた。主な著書に『カップヌードルをぶっつぶせ!創業者を激怒させた二代目社長のマーケティング流儀』など。

組織は時間がたつほど硬直化して、新しいことができなくなる。


守れば守るほど弱くなり、競えば競うほど強くなる。物事はそういう原理なのです。


現状は不満だらけですよ。いつも、こんなことでいいのかと思っています。


経営者にとって重要なのは、軸がぶれないことです。社長がああだこうだと言うと、会社が揺らぐんです。ですから、これはいいと決めたことは一定の答えが出るまで徹底する。途中の段階で、いろいろと文句を言っちゃいかんのです。


日清には「カップヌードル・シンドローム」というのがあるんです。創業者が作ったんだから、やっぱりあれが最高だと。創業者の言動を疑いもしない。しかし50年経ったとき、私はそれをすごく疑った。そして、時代に沿う形ですべてを見直したとき、過去の製造方法はことごとく変わっていったのです。


他社にぶっ壊されてからじゃ困る。自らぶっ壊した方がいい。カップヌードルの技術も、近いうちに新しくなります。時代とともに、商品も技術も常に変わっていくんです。


日清食品は必死にカップヌードルを潰そうとしているから新しい商品が育つのです。カップヌードルだけに頼っていたら、新しい商品なんて絶対に育たない。柱は一本より二本、二本より三本のほうが強いに決まっています。同じ会社のなかにコカコーラとペプシを両方もっていたら、競い合って両方が強くなる。そういうことですよ。


重要なことは口を酸っぱくして言わないとダメです。組織ができても、コンセプトやポジショニングが不明確だと社員は動きません。ですから、私は220人の管理職全員と年に1回、じかに面接をしています。


「自分の言葉で理由を説明できる」この現場の肌感覚に勝るものはない。逆に、一番ダメなのは取締役が説明することでしょう。屋上屋を架した話には説得力がありません。


これは創業者の安藤百福がいつも言っていた言葉なのですが、「成長一路、頂点なし」だと。企業も個人も同じで、ひとつ成長したら、またひとつ上のレベルに上がりたくなる。人間というものはひとつの欲望を果たしたら、もっと欲が出てきて、より高いものを求めるものだと。だから、これで終わりということは永遠にない。創業者は、いつもそういうことを言っていました。


たとえ失敗しても、何度も復活のチャンスはあります。うちは、そういう会社です。


たとえ同じ内容を話しても、体験に裏打ちされていない言葉は浮くのです。反対に、体験している人の言葉は重い。


やらせてみてからでは遅いので、なるべく先手を打って適材適所を図らなくてはなりません。個人面接には、そういう意味もあるのです。
【覚書き|毎年社長自ら課長全員と面接していることについて語った言葉】


人それぞれ生まれてから現在に至るまでの経緯もまったく違えば、育ってきた環境もまったく違う。その結果、一人一人の価値観はまったく違ってしまいます。あることに全然興味がない人に、それをやらせても非効率だけです。だったら好きなこと、得意なことをやらせた方がいいでしょう。


私は心底納得できるまで決裁をしません。取締役の話を聞いてもよくわからなければ、執行役員の話を聞く。それでも駄目なら部長。部長で駄目なら課長。その段階でようやく納得するというケースがよくあります。やはり、実際に手を染めている人の言葉は重い。形式的にハンコをついているだけの人間は実態がわかっていない場合が多いのです。だから言葉に説得力がない。


凡人、普通の人というのは、システムアプローチ、つまり決められたことをこなす能力は高いけれど、パラダイムを変えるような革新的な発想はできません。ですから効率は効率で大切ですけれど、革新的な発想を持った奇人変人も大切にしなければいけないのです。


自分の考えていることを相手の言語に合わせて説明する能力は不可欠です。自分がある構想を描いたとき、その構想にほかの人を巻き込むには、相手にわかる言葉で話さなくてはなりません。人生観はみんな違いますから。バラバラな価値観の人たちを説得するには、自分がやりたいことを相手に言葉で読み替えてやる必要があります。


平時では必要性を感じなくても、変革のときには必ず変人力が必要になります。マネジメントクラスはそれを理解している必要があります。そして、異能の人、奇人変人に対する組織の風当たりをプロテクトしてやらなくてはなりません。


優秀な人材を育てるには会社の機能を細分化し、その部門の責任を持たせるのが一番よい。責任を持っていろんな仕事に挑戦していくことは企業活性化にもつながる。安住していては社内が保守化官僚化する。知恵を出せ、核分裂してみんなが会社の社長になれ。


会社組織は効率を追求します。これはこれで大切なのですが、効率ばかり追求していると、社員がいわゆる金太郎アメになってしまいます。同じことを考えている人間ばかりの方が、意思決定のスピードが速いですから。しかし、金太郎アメ社員しかいない組織は、環境変化への対応力が弱い。


一番大切にしているのは、「自分の言葉で話せる」ということです。比喩が多いのはいい、リファレンス(参照)が多いのもいい、昔誰々がこう言ったとか、本にこんなことがあったとか、それはそれでいいのです。しかし、最後は自分の言葉で話せなくてはいけません。


私のモバイルには、管理職社員のあらゆる情報、家族構成、健康状態、前回の面接での約束など、何から何まですべて入っているのです。ですから、社員の方も取り繕うことはできません。いずれにせよ、一年間、必死で仕事をして苦しい思いをしてきた人は、考え方が練れて目の色が違ってくるし、一年間遊んでいた人はそれなりの顔つきをしています。これは面接をすればすぐにわかります。


ある社員がこの仕事はつまらない、こんな仕事をやっても評価されないから損だといったとしましょう。しかし見方を変えると、その仕事をやることが将来ものすごく役に立つという場合もあります。あるいは、自分の仕事は歯車のひとつにすぎないという社員もいます。そういう社員には、企業がどんな形をしていて、どういうメカニズムで動いているかを解析してやる必要があります。それがわかると、自分の仕事の価値を自覚できるケースもあります。


もう20年も前から、毎年、私が課長職の人間一人一人を面接して年俸査定をしています。そのなかで、やりたいこと、目標にしていることをじっくりと聞いていきます。当て着せで強制的に仕事を与え、社内競争を煽るだけでは、個人のパフォーマンスは絶対に上がりませんから、一人一人丁寧に面接をしています。


毎月、解剖会議というのがありまして、失敗した場合にはなぜ失敗したかを徹底的に解剖して、個人がつくった損失の額を明らかにしています。それを個人の借金として計上していきます。4回も5回も失敗して、何億も借金を積み上げている人もいるし、一発で大穴を開けた人もいます。小さい穴をたくさんあけている人もいます。これは本当に返せというわけではなく、定年退職するまでにはこれまでの穴を埋めてくれよという意味です。


BM(ブランド・マネージャー)制は、BMがやりたいことを社内のあらゆるセクションがサポートする仕組みですが、逆に考えればBMが直接折衝しなければならないセクションがたくさんあるということです。折衝先のセクションは言いたいことを言いますよ。「世の中そんなに甘くないぞ」と。そういう壁を打ち破るだけの情熱がなければ、BMは務まりません。何が何でもガムシャラにやる。そんな、燃えてる奴でないと駄目なのです。


組織というものは異分子をはじき出してしまう性質があります。人間の身体と同じで、ウィルスが入ってくると抗体ができ、抗体がウィルスを追い出してしまうわけです。しかし組織には、異分子が2割ぐらい生息していないと駄目なのです。組織が生き残るためには、異分子が必要です。生物の種と同じで、異分子を抱えている方が強いのです。


BM(ブランド・マネージャー)はローテーションでやるような仕事ではありません。もう、これをやりたくて仕方ないという情熱を持った人間でないと、とても勤まりません。ですから、BMは社内公募制をとっています。係長クラスの若手もやりたいといって手を挙げる。そういう熱意のある人材に一回やらせてみようというケースが多いですね。


僕は、インスタントラーメンは地球を救うと思っているんです。保存が利くし、食べたい時に食べられる。世界の全人口70億人のうち、飢餓人口は9億2000万人に達すると言われています。アフリカを中心に、10億人近く、まだ飯が食えなくて餓死している人たちがいる。BOP(低所得者層)の問題を解決しない限り、平和はありません。北アフリカの民主化運動というのも、要するに食えないからです。それで平和になるわけがない。当社の創業者が残した「食足世平(しょくそくせへい=食が足りてこそ世の中が平和になる)」という言葉は、全くもって正しいと思います。


初歩的なミスは教育的指導をしないといかんけど、読めないこともあるし、やむなしということも多いんです。失敗の中に成功要因はない。成功のノウハウは別なんです。だから、責任の所在さえ明確にすれば、チャレンジする機会はいくらでも得られるようにしているんです。


いま、日清食品ホールディングスにはマーケティング統括部や宣伝統括部など18部門があり、新製品発売といったときには各部門のトップを説得する必要があります。彼らの平均年齢は55歳ぐらいです。一回りほど年上の社員の固定概念を突破するには、ものすごくエネルギーが要る。だから、ブランドマネジャーは若くて情熱がないとダメです。


ブランドマネジャーが提案してきた時、「カップヌードルごはんと言いながら、麺が入ってないじゃないか」と言ったんです。少なくとも、そばめしぐらいの形を取れよ、と。それでも「私はカップヌードルの残ったスープにご飯を入れて食べるんです」と主張するものだから、分かった、好きにやれと。提案が担当者自身の言葉になっているときは、説得に負けますね。


「肌感覚のないやつはダメだ」「自分の言葉で話せ」と常々社員に言っていますが、社長も現場に下りていかないとダメです。ホールディングス化を果たして、これで楽になるかと思ったのですが、結果的には逆に忙しくなりました。放っておくと「任せておいてください」とか甘いこと言われて、はしごを外されるから気をつけないといかんのですよ。だから社内でも毎日、各フロアを行ったり来たりしています。


役職は本社の方が高いので偉そうに見えるけど、君たちはサポート部門なんだぞと。私の目が光っていれば、彼らは動かざるを得ない。「日本にいるな、必要とあれば現場に出ていけ」。そういう命令をするのがCEO(最高経営責任者)の役目です。


マーケティングは、いわばアートですよ。論理構成は立てるけど、消費者のメンタルモデルは違う。一人一人の心は矛盾だらけなので、いくら社会心理学的に分析しても詳細までは把握できません。例えば中核の商品は縮小傾向でも、カップヌードルごはんなど部分的には拡大しているものもある。あとは勘所ですな。カップ麺から袋麺に需要がシフトしているといった動きは、肌感覚で分かります。


いま、日清食品単体で年間300を超える新製品を発売しています。出してみて、消費者にリジェクト(拒否)されるかアクセプト(同意)されるか。こういうことでしょうな。最近はリジェクトされる方が多くて、販売期間が1年を超えるものは全製品の中で、2アイテムぐらいしかありません。具体的には、「太麺堂々」や「カップヌードルごはん」ですね。


自分の担当ブランドの売上を伸ばすためなら、隣のBM(ブランド・マネージャー)のブランドとシェアを奪い合う、いわゆる力ニバリ(共食い)を起こしても一向にかまわない。商品開発にあれはやってはいかん、これはダメというような制約はない。


競争にもいろいろあるが、政党の世界や一部の官僚的な社風に染まった大手企業に見られるような派閥の争いは大嫌いだ。親分が出世したら子分も分け前をもらう。親分がこけたら、下についていた全員がこけてしまう。そんな保身的で、ギャンブルのような競争は、会社組織にとっても役に立たないし、人間の生き方としても邪道である。最初に私が考えていたのは、社内の全組織を巻き込んだ競争構造だった。


個々のBM(ブランド・マネージャー)がもっている目標を徹底的に貫徹させると、いろいろなところに影響が波及していきます。一番影響が大きいのは営業でした。営業は基本的に、やっぱり売れるもの、儲かるものだけをやりたいわけです。すると、どうしてもカップヌードルということになる。他の商品なんてどうでもいいと。そうなると、新しい商品で勝負したいBMは自分たちで営業ルートを開拓せざるを得ない。BM自ら、小売店のバイヤーに直談判にいくわけですよ。これはたしかに越権行為なのですが、そう考えるのは日清食品の営業部であってね、相手のバイヤーがどう思うかはわからない。営業マンの営業トークを聞くより、BMの情熱的な話を聞くほうが面白いかもしれない。よしその商品は面白そうだ、他社に卸さずにウチだけに納品しろと、そういう反応も出てくるわけです。


ある社員はカップヌードルをやりたいと思っているし、ある社員はカップヌードルをぶつ潰したいと思っている。ある社員はカップヌードルにすがりたいと思っているかと思えば、ある社員はまったく新しい商品で勝負したいと思っている。つまり、社員の目標はバラバラ、思考回路もバラバラなのです。だったら、それぞれの社員がそれぞれの目標を徹底的に追求できるようにしたらどうかと。社員の目標を妨げない。やりたいことを徹底的にやらせる。その代わり自分の目標を貫徹しろと。そうしたら、自然に競争が起こってくるだろう。これがBM(ブランド・マネージャー)制度のそもそもの狙いなのです。


組織をデザインするときには、こうすれば社内競争が起きるかなと、そういうことは考えますね。


何かに成功したときに、「やった-」といって長々と達成感に浸っているのが一番幸せな生き方なのかもしれませんが、残念ながら経営者というのは、みんなが浮かれているときには将来の不安を指摘しないといけないし、みんなが落ち込んでいるときには夢のある話をしないといけない。ただ、マクロ的にみて、そうすることがいい結果をもたらすんだと思えばこそ、いつも反対のことばかりいいつつ、反対のことをいっている自分に満足しているというか……。いずれにせよ、経営者というのはあまりいい商売ではありませんね(笑)。


ひとつのことを達成すると、それはすぐ常識になってしまうわけですね。当たり前のことになってしまう。すると、もっとよくできるはずだと不満が湧いてくる。本当は何かに成功したら、その気分を長々と味わっていればいいのでしょうが、すぐに次の不満が出てくる。


創業者(安藤百福)は、ひとつ達成すると、もう次のことを考えている人でした。ですから、達成したときに満足や喜びに浸るということがなかった。カップヌードルを開発したときも、周囲の人がみんなすごいすごいといってくれるのに、本人はもっとよくなるはずだと。つねに現状不満足だということです。


インスタントラーメン業界が誕生してから今年で52年になりますが、工場や設備の老朽化が進んでいる。それらを刷新するために、3年間で約750億円の設備投資を行ないます。ラーメンの会社がこんなに巨額の設備投資をやるなんて想像できないと思いますが、これができるのも、付加価値創造型の技術が生まれて、それが利益を生んでいるからです。つまり、技術革新がドライブ・コア(原動力)になって、そのエネルギーでリノベーション(刷新)を一気に進めていくのです。


これはどの産業も同じことだと思いますが、パラダイムシフト(価値観の変動)が起こってイノベーション(革新)のディレクション(方向)が変われば、ほとんどゼロからのスタートになるわけです。エネルギー産業なんてまさにそうでしょう。化石燃料から、ゼロエミッション、CO2を出さないクリーンエネルギーに転換していくとなれば、まったく新しい技術を開発する必要がある。考え方次第で、どんな産業にもイノベーションの余地は無限にあるのです。


一般の消費者のみなさんは、インスタントラーメンなんて古い産業で、技術的には限界にきている、世界中に拡大しているものだから、もはや新しい技術など出てこないと思っておられるでしょう。しかし、インスタントラーメンの技術は、世界市場ということを考えれば、まだ発展途上なのです。企業の技術力の向上は、もう開発し尽くしたと考えて立ち止まるか、いやまだまだ先があるんだと考えて挑戦し続けるかによって、大きな差がつくものです。


昨年は、不況下における成長期であるという位置づけでやってきました。過去の実績をみてもそうなのですが、インスタントラーメン・ビジネスというのは不況期に伸びるものなんです。ですから、攻めの計画を立て、その計画を達成してきました。


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