妹尾堅一郎の名言 一覧

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妹尾堅一郎のプロフィール

妹尾堅一郎、せのお・けんいちろう。日本の経営学者。慶應義塾大学経済学部卒業後、富士写真フィルム勤務を経て、英国ランカスター大学経営大学院システム・情報経営学修 士課程修了、博士課程満期退学。帰国後は産能大学経営情報学部助教授、慶應義塾大学助教授、慶應義塾大学丸の内キャンパス初代校長、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授、東京大学先端科学技術センター特任教授、国際・産学共同研究センター客員教授などを務めた。専門はビジネスモデル論、知財マネジメント、問題学・構想学。

現在できることだけをしていたらイノベーションは起こらない。現在できないことに挑戦するから技術は発達し、革新的なビジネスモデルが生まれる。


実現可能性からノーベル賞級の発明や発見は生まれない。望ましさの追求からブレークスルーは起こる。


まずワクワクする新しい価値を発想する。それを具現化するために人は知恵を絞り、結果として実現可能性は大きく進展する。しかし実現可能なことから発想すれば、物事を矮小化し、既存の路線を踏襲し、隘路(あいろ)に入りかねない。


コモディティ(日用標準品)化する自社製品を他社製品と差別化するために、製品自体を高機能化・多機能化する方法もある。だが、ソリューションの考え方では、ハードとしての製品競争は避けて、サービス・レイヤー(サービスの分野・階層)で競うことがポイントとなる。


ソリューションという概念は、日本では中途半端に理解されているようだ。ハード、ソフトに関わらず、「顧客企業の問題解決に資するからソリューション」とうたっているところが少なくない。提供側にとっては、ソリューションを提供することによって顧客企業が他社との価格競争から脱し、競争力を発揮できなければ意味がない。


ビジネスはアイデアを並べ立てるだけでは始まらない。次にそれらを商品開発や事業開発の企画まで持ち込む必要がある。そこへの第一歩として、アイデアをいかにビジネス企画会議のための資料として整理できるか、それが次の課題となる。


イノベーションは、実現可能なことをやることではない。そうではなくて、望ましいことを追求することを通じて実現可能性を開拓することだ。それを通じて既存のモデルがぶち壊され、次のモデルが発想され、実行されていく。望ましさを実現するためには、どうすれば実現可能性を広げられるかを考えるのが、イノベーション発想なのである。こう考えてくると、「望ましくかつ実現可能」な案とは、実は、当面はよさげだが、無難なだけの話かもしれない。


スティーブ・ジョブズの語録に「現実歪曲空間」という言葉がある。ジョブズがこうしたいと言ったとき、側近が「スティーブ、そんなのは技術的には無理だ。現実を歪曲でもしなくちゃ、できっこないよ」と返した。即座にジョブズは「だったら現実を歪曲してでもやれ!」と厳命したと伝えられている。技術のみならず、デザインでも、営業契約でも、あらゆる場面で彼はこの態度を貫いたと聞く。反発した者はアップルを去り、挑戦した者は成功の酒を飲んだのだ。


日本の官僚や大企業の「民僚」の発想は、実現可能かどうかが起点だ。確かにこれは手堅い。しかしそれではインプルーブメント(既存モデルの改善)にとどまり、イノベーションは始まらない。政策や施策が、あるいは企業のビジネスモデルや戦略が、世界に後れを取るのはこのためである。


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