奥正之の名言 一覧

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奥正之のプロフィール

奥正之、おく・まさゆき。日本の経営者。三井住友フィナンシャルグループ会長。京都出身。京都大学法学部卒業後、住友銀行に入行。シカゴ支店長、取締役、常務、専務、三井住友銀行専務取締役兼専務執行役員、三井住友フィナンシャルグループ専務取締役、副頭取などを経て会長に就任。住友財団理事、全国銀行協会会長なども務めた。米国ミシガン・ロースクール修了。

「量」の獲得を最大の目標とするという意識を持ってはいけません。「質」の伴わない量の追求では、お客様に見切りをつけられる時代です。これからの銀行の収益は、ご提供する質を利用者に心から満足していただいて初めてついてくると確信しています。


お客様に喜んでいただける実績の積み上げが結果として多層的な収益の源になります。お客様に喜んでいただける、言い換えれば付加価値を享受していただくことで、収益の源を掘り起こすことができます。


企業経営がゴールのない駅伝レースである以上、私は常に将来的に長くお付き合いできる顧客層を開拓しておくことが必要と考えています。


仕事にも大前提となるルールがあり、それを守るのが当然です。スポーツの世界でルールを破れば退場もあり得ます。経営はゴールのない駅伝レースです。私は「失格」「退場」という事態には絶対にならない決意です。


従来はお客様を銀行の都合で分けて担当させていただいていました。法人では大企業と中小企業の間を「壁」で仕切っていました。しかし、これはおかしいと考えたのです。それぞれの担当部署、スタッフはこのままではある意味、壁で区分けされた殻の中に入り込んでしまいかねません。壁を取り払った方が、効率的な事業展開ができるのです。


「より良い銀行、より強い銀行、より信頼される銀行」3つを同時に達成することは可能だと思っています。そのためには現場第一主義のスタンスを片時も忘れず、質を高める努力を絶えず怠らないという厳しい条件のクリア、従業員の高い質が不可欠です。


若いときは時間は無限だと思いましたが、年を取ると有限に変わりました。60を過ぎたいま、あれこれやるには時間の密度を濃くすることが大切だと感じています。


「会議はロジカル(論理的)で具体的であれ」、そして「言葉に騙されない」が私の信条で、曖昧さを排し、明確なメッセージを心がけています。


経営者として、余韻を残すような発言はいけないといつも自分自身を戒めています。俳句のように解釈に幅のあるメッセージでは同床異夢になりかねません。つい使いがちな「徹底的」とか「抜本的」といった元気の良い言葉は共有している気持になるだけで、具体性に欠けます。


休日には自分で掃除し、クリーニング店にも行きます。店の主人との世間話にも発見があります。また、自分の足で歩くと「おや、こんなビルや店ができたのか」と世の中の動きを肌で感じることができます。五感を鋭くすれば、こうした発見や気づきが増えます。


仕事であれこれ考えるときは、視野が狭くならないように配慮しています。私はよく「世界地図の中で考えよう」と言っています。いまやリテール(小口)業務といっても、外貨預金もあれば、外国債を組み込んだ投信もあり、世界各地のマーケットの動きと無縁ではいられません。


研修会で同じ時間を使うなら、双方向の対話を増やしたほうが濃いものになります。視線を合わせることがコミュニケーションを深めるポイントです。


人は心によって動くものです。成功を報告する部下からのメールには「うまくいったね」といった言葉をかけるのを忘れません。若手との会議でも、トップの考え方を伝達すると同時に、彼らの悩みや意見に耳を傾けます。新任の支店長研修会でも、私が壇上でしゃべり続けるよりも、質疑応答を多めに取り、会場をぐるぐる回って聞き手と同じ目線で話すようにしています。


会議では資料の一項目に問題点、議論のポイント、結論をまとめます。子細な資料作りで無駄な時間を使う必要はありません。進行でも私自身がファシリテーター(司会進行)役です。議論に深く入り込むと、ときには目線がどんどん下がり、視野が狭くなっていきます。そんなときあえて横串を入れたり、目線をあげさせて経営陣としての議論に戻させたりします。また、「君、何か言いたいことがあるのでは」とあえて水を向けることもあります。


何かを考えるときは、まず紙に項目を書き出します。頭の中の引き出しに名前を付けておく必要があります。紙に書きだすのは、思考にラベルを貼っておくようなものです。


5号(A6)サイズのキャンパスノートをいつも持ち歩き、思いついたことや日々の出来事、思い出したこと、気に入ったことなどを書き込んでいます。経営では言葉が重要な役割を果たすので、社員やお客様に伝えるじーんとくる言葉を書き留めています。きづいたときにサッと書き留めておき、金曜の思索の時間に読み返し、整理し直します。


月曜から金曜日の日中は、銀行の内外でお客様に会ったり、会議に出たりすることが多いのですが、毎日一時間、一人でじっくりものごとを考える時間を確保するよう、秘書に言っています。とくに金曜日は2時間、その週の出来事を振り返り、考えを整理する時間に充てています。


組織はどうしても自己増殖を始めます。その結果、部門にとっては最適でも全体のためにならないという現象が起きるのです。いわゆる「部分最適、全体不適合の罠」に陥らないためには、トップ自らの目によるチェックが常に必要です。「現場重視」という言葉がありますが、それでは足りません。組織の壁をつくらないためには「現場直視」が重要なのです。


一個人や一部門だけで情報や知識を抱え込んでいても、グローバル化と多様化が進んだ世界では顧客の価値につながりません。


銀行に限らないことかもしれませんが、とくに我々の商売の基本は「共有」にあります。何を共有するかというと、まずは「経営理念」であり、経営ノウハウといった「知識」、顧客・市場の「情報」、そして皆が協働した結果としての「利益」です。


ある支店を訪れた際に、窓口で働いていた女性行員から「本部に問い合わせの電話をしても、様々な部署をたらい回しにされる。私たちの問い合わせの後ろにはお客様がいるのですよ」という鋭い指摘を受けました。幹部行員に聞くだけではわからなかった話です。


企業の組織とは、マーケットや顧客に合ったものであるべきです。もちろん、いつの時代の経営者もそのことを念頭に置いて、組織をつくるはずです。しかし、ときに企業側の論理が出すぎてしまうことがあります。


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