奥井俊史の名言 一覧

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奥井俊史のプロフィール

奥井俊史、おくい・としふみ。日本の経営者。バイクメーカーのハーレーダビッドソン・ジャパン社長。大阪出身。大阪外国語大学中国語学科卒業後、トヨタ自動車販売に入社。主に途上国への輸出を担当する。初代北京事務所所長などを務めたのち、ハーレーダビッドソン・ジャパンに移籍し社長に就任。同社の経営再建にあたった。その後、アンクル・アウルコンサルティングを設立。

大企業になればなるほど、トップが従業員と密な関係を築くのは難しくなります。ゆえに、確かな上下関係が組織運営のカギという人もいます。ですが、リーダーシップを発揮するのに上下関係は必ずしも重要ではありません。従業員の立場に立てない経営者が、どうして顧客の心をとらえる事業ができるでしょうか。


組織は人でできていますから、結局は1人の人間として社員との間の理解が深まらなければ、組織は思ったように動きません。


人は相手を説得しようとするとき、権威を利用しがちです。社長という立場や、本社の意向を持ち出すときなどがそうです。ですが、そういったものに寄りかかって話をすれば相手はそれに気づき不信を招きます。


経営者は従業員に「こういうふうに動いてもらいたい」と思っているものです。でもその思いが伝わらなければ、最終的には思い描くような価値を顧客に提供できなくなります。


従業員が私に不信感を抱いていると気づいてからは、徹底してコミュニケーションの場を設けるようにしました。自分で頻繁に会議を開き、白板などの設備を整え、議事録がいきわたるか気を配る。会議はできる限り話を振って意見を求め、とにかくフラットな議論ができる環境づくりを進めました。すると社内では半年、販売店では3年ほどして、言葉が伝わるようになったと実感する場面が出てきました。


思い返すと、社長就任当初はハーレーダビッドソン・ジャパンを立てなおすという思いが強く、「これもあれもそれも駄目」と、従来のやり方を否定することばかり言っていました。内容自体が間違っていたとはいまでも思いませんが、伝え方はまずかった。私は従業員の心情に十分配慮できず、伝わる話し方ができていませんでした。


ハーレーダビッドソン・ジャパンの社長に就任してから8カ月ほどたったころ、突然本社の社長に呼びつけられ、1通のメールを見せられました。そこに書かれていたのは「この社長にはついていけない」という趣旨の短い言葉でした。送り主はハーレーダビッドソン・ジャパンの社員や販売店主のようでした。つまり反乱が起きたのです。私は自分のやり方について社員や取引先に十分理解されていると思っていました。理念は紙にして就任当初に配りましたし、経営方針などに関する3日間の研修もやりました。「伝えたのだから、伝わっている」と思い込んでいました。だけどそうではなかったのです。


小売業やサービス業では、顧客目線という言葉が常套句です。ほとんどの経営者が、現場の従業員に「顧客の気持ちを考えろ」と指導するのではないでしょうか。それはもちろん大事なことですが、私がハーレーダビッドソン・ジャパンの経営を通じて学んだのは、経営にはもうひとつ「従業員目線」も重要だということです。


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