大西実(大西實)の名言 一覧

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大西実(大西實)のプロフィール

大西実(大西實)、おおにし・みのる。日本の経営者。「富士フイルム」社長。東京大学経済学部卒業後、富士写真フイルムに入社。常務、専務などを経て社長に就任。同社の海外販売網作りに尽力し、世界的な写真フィルムメーカーへと成長させた。

品質管理と新技術で、日本企業は戦後の高度成長を実現し、黄金の80年代を築きました。しかし、バブル崩壊後、低迷期に突入し、いまだに混乱したままです。こうした中で企業が生き残っていくには、やはり変わることを恐れず、事業構造の変革をそれこそ日々進めていくしかありません。事業も組織も技術も、一日過ぎれば、もう古くなっていくのです。


経営者自らが高度な需要分析に入り込んだり、精緻な技術分野に終始しても、効果が乏しいばかりか、スピードに負けてしまいます。だからこそ経営者には、自社の現在位置と目標との距離感をつかむ、精度の高い目測の力が問われるのです。


目測はドタ勘とは違います。現場に入り込んで行って、ユーザーの目線でその声を聞いたり、技術開発の課題を学んだり、工場の生産現場を見たり、こうした日ごろの努力の積み重ねが欠かせません。周囲の声を聞いて目測の力を磨き、経営陣が目測を共有することが重要です。そうでないと、下降が避けられない事業に経営資源を投入し続けるという非効率を招きかねません。


技術の大きな流れを目測すれば、成長が期待できる分野と成熟に向かう事業はおのずとわかってきます。社員みんなの理解が得られるように仕向けていくことで、戦略分野に人材や研究開発資金を重点的に振り分け、事業構造の変革を進めることが大切です。


88年に世界のトップを切って商業用のデジタルカメラの製品化にこぎつけることができました。これも経営陣全員の目測がしっかりしていたからこそ、技術の大きな流れをつかみ、開発体制強化の戦略を打ち出せたのではないかと思っています。


81年にマビカ・ショックがありました。ソニーがフィルムを使わないことをうたい文句にした電子カメラの構想を発表したのです。もし、フィルムを使わない電子カメラが主流になるとすれば、当社がフィルム事業だけにこだわっていたら大変なことになります。さっそく、社内の研究開発陣から「ぜひやるべきだ」という提案がありました。社長に就任間もない私も同じ意見でした。


経済環境が悪化したり、新たな技術・製品が登場したり、経営環境は常に変化しています。世界経済の中で、あるいは開発競争の中で自社がどういう位置にあるか、どう経営の方向を変えていくかを、その時々で素早く判断しないといけません。


ニクソンショックによる円高、石油ショック、フィルムの主要原料となる銀価格の急騰、フィルム関税の撤廃プレッシャー、振り返ってみますと、富士写真フィルムは1970から80年代に様々な危機の局面に遭遇しつつもこれを乗り越えて、創業以来の目標だったイーストマン・コダックと肩を並べる規模まで、事業を拡大することができました。これは創業以来の経営陣が持った、経営ターゲットに対する鋭い目測の力に負うところが大きかったのではないでしょうか。


しっかりした志を持って事に当たり、柔軟な思考と創意工夫を凝らして懸命の努力をすれば、必ず事は成就する。


しっかりした志を持って事に当たり、柔軟な思考と創意工夫を凝らして懸命の努力をすれば、必ず事は成就する。【覚書き|平成不況の中、事業拡大を敢えて行うことを年頭のあいさつで社員各位に伝えた言葉】


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