大島征夫の名言 一覧

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大島征夫のプロフィール

大島征夫、おおしま・ゆきお。日本のクリエイティブディレクター。電通で活躍し、トヨタ、JR東日本SUICA、KDDI、au、サントリーなどの広告ディレクションを担当。電通役員待遇となったのち、電通、フロンてっじと共同で株式会社dofを設立し社長に就任。

どんな仕事でも同じだと思いますが、すべて成功することなどありえません。私自身もこのようにトライ&エラーを繰り返し、失敗から多くを学んできたのです。


人柄は見抜かれます。私が嘘つきだったり、卑しい奴だったりしたら、プレゼンの中でも必ず相手に伝わります。


プレゼンに必要なのは「情(感情)」と「理(理論)」と「利(利益)」です。クリエイターは情に傾きがちですが、私はクリエイティブディレクターとして理や利を考慮に入れ、三者の重なる地点に立っています。


「理」だけでは人の心は動きません。「利(利益)」を追求するだけの商売も長続きはしないでしょう。プレゼンの場においても、理路整然とした提案をするとか、しゃべり方がアナウンサー並みに上手いということは、そこで選ばれるための決定的な要素ではありません。「本当にこの商品が好きだ。だからこの宣伝プランはこうでなくちゃいけない!」という気持ちを、誠意を持って伝えることが大切なのです。


広告で、私たちクリエイティブディレクターに求められている役割とはなんでしょうか。論理性やマーケティング理論といった「理」の部分と「利(利益)」の部分に関しては、クライアントがすでに十分な量の情報を蓄積し、精密な解析を行っています。すると、私たちに期待されているのは、主に「情」の部分だということになります。


現代の広告は、マーケティングなど精妙な理論の上に立脚しています。また、本来の性質から、広告とは利益をもたらすものでなければなりません。一方、最終的には受け手の情に訴えかける、つまり、心を動かすような表現が使われるのが広告です。


プレゼンでは小手先のテクニックを離れ、心からの誠意を伝えることも大事です。準備のための数か月は、その誠意を醸成するまでの期間だということもできるでしょう。私の場合は、まず依頼主である企業や商品をとことん好きになるところから始めます。「好きになる」ことで、その会社が発信すべきポイントや、解決すべき課題は何なのかが見えてきます。そのうえで宣伝の具体論を導き出していくのです。


私がプレゼンで気を付けているのは「私を出さない」ということです。プレゼンの場で直接クライアントへ説明するのは私ですが、その提案を作成したのはプロジェクトチームです。私も還暦を過ぎていますから、たとえば十代の女の子の琴線に触れるような広告はつくれません。しかし、スタッフの中にはそれができる人もいます。プレゼンでの私とは、そういった組織を代表する形の「私」であり、自分の価値観を振りかざすクリエイターとしての「私」ではありません。


クライアントを前にしたプレゼンテーションは30分から1時間ほどです。私たちのプランを選んでいただくには、その間い相手の心をつかみ、信頼を獲得しなければなりません。しかし、そのために何か特別なテクニックがあるのかと問われれば、「ない」と答えるしかありません。私たちにとっては当日の1時間だけではなく、1か月から半年にわたる準備期間のすべてがプレゼンの作業だといえるからです。


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