大宮英明の名言 一覧

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大宮英明のプロフィール

大宮英明、おおみや・ひであき。日本の経営者、技術者。三菱重工業社長。長野県出身。東京大学工学部航空学科卒業後、三菱重工業に入社。同社の名古屋宇宙航空システム製作所にて戦闘機の開発に30年携わり、同製作所副所長に就任。その後、産業機械事業部や冷熱事業本部などの再建を任される。取締役、常務、副社長などを経て社長に就任。

トップが理念を語ることは大事です。しかしそれだけでは受け手である社員たちは納得しません。納得しなければ動きません。大切なのは、わかりやすい理論の筋道(理念)と、それを支える現場の事例とをセットで伝えることです。目に見えるエピソードを差し挟むことで、誰もが問題をイメージしやすくなるからです。


当社は利益率があまり高いとはいえないが、原因のひとつは事務の重複、非効率にありました。その後、子会社を設立して全社の給与計算を集約したところ、人員はなんと3分の1に収まりました。


私は以前、目的や意図を誤解なくスムーズに伝えるために、部下への詳細な指示書をつくっていました。目的、期限、予算、参照すべき資料などを紙の上に列記し、どのような計算書を出してほしいかを明文化しました。ところが、どういうわけか十分に意図が通じないのです。部下がつくってきた資料が、私の指示とはかけ離れている。考えてみれば、自分では完ぺきな指示書を書いているつもりでも、それを解釈すし実行するのは部下です。そのことを私は計算に入れていなかったのです。


部下へ「計算書をつくれ」と命じるのはやめて、まず「目的と成果を盛り込んだ目次案をつくってみなさい」と射程の短い指示を出すようにしました。部下は半日ほどで目次を提出します。私はそれをチェックして、やらせたいことと合致しているかどうかを見極め、そののち、時間のかかる計算書の作成に進ませました。


会社全体の総合力を高めるための風土改革を進めています。三菱重工業は多様な事業分野を持つことが強みですが、各事業部門が部分最適を追求してしまえば、効率は落ちます。そこで、技術本部やものづくり革新推進部といった専門部門を設置し、シナジー効果を発揮するように努めています。そして、私自身が文書やスピーチなどを通じて、しつこいくらい何度も改革の必要性を説いています。


慣れ親しんだ航空宇宙事業本部から冷熱事業部へ移動したときのこと、驚いたことに給料袋のデザインが違っていたのです。三菱重工は戦後の財閥解体で3社に分割されたあと、再合同を果たしました。その後、新従業員制度が発足し、給与体系などはそのときに一本化されたはずでした。ところが現実には、給料袋ひとつとっても部門間に違いがあったのです。


論理の筋道を通すためには、大雑把な目次づくりから入り、細部を詰めていくというやり方が有効です。最初に目次をつくり、どのような内容を伝えたいのか、紙の上に個条書きで書いていくのです。


部下に資料をつくらせるとき、まずラフな目次をつくらせ、早めに修正することでスピードと品質を確保します。7割方の目次をつくり、細部を詰めながら全体の流れを修正するのです。最後にスタッフを巻き込み、品質を高める作業を繰り返す。これこそが創造性を発揮する秘訣です。


毎日5分でも10分でもいいのです。顔を合わせて情報を交換する。口頭の方が短時間で的確に伝わります。ITツールが発達しても、ダイレクトなコミュニケーションに優るものはありません。


情報共有の場がなぜ、重要かといえば、情報が共有されることで、互いに思考のベクトルが合うようになるからです。すると、それぞれが意思決定するとき、関係者が集まってすりあわせをしなくても、即決断できるようになり、経営のスピードが速まります。


経営会議の内容は議事録にして、各地の事業所長にも回します。議事録というと、個条書きで簡潔に整理されたものがよくありますが、字面を見ても議論の経過はわかりません。誰がどんな議論をし、それに対して誰がどう答え、どんな議論を重ねて結論に至ったのか、しっかり書きとめて伝えます。それを読めば、出席していなくても議論が揉めたのかどうか、どんな考え方で集約されていったのか手に取るようにわかります。この情報を共有することで、思考のベクトルが揃い、事業所での意思決定も迅速に行われるようになるのです。


意思決定機関である経営会議も事前審議なしで集まり、朝から3時間以上、ワイガヤで闊達に意見を出し合います。MRJ(三菱の国産小型旅客機)や原子力発電プラントのような大型案件を社としてバックアップしていくには全部門の理解が必要で、それにはそのプロジェクトにどんなメリットとリスクがあり、なぜやるべきなのかという意味合いを共有することが何より大切なのです。


事業ごとにタイム・トゥ・マーケット(市場に製品を投入するまでの時間)が短縮されれば、新しい製品開発に時間を投じることが可能になります。


製造業は製品をいかに早く市場に投入するか、タイム・トゥ・マーケットを最小限に縮めることがコスト競争力を左右します。当社の場合、時間短縮の様々なベストプラクティスを持ちながら、縦割り組織の中で分散していました。


経営改革とは、組織に定着した概念を根底から変える文化革命ともいえます。習慣を変え、仕組みを変える。容易ではないのも事実です。ただ世の中、15%ルールといって、普及率が15%を超えると急に広まる法則があります。いまはそのラインを越えつつあります。


個々の業務プロセスについて取り組んでいるのが、巻紙分析によるロスの見える化です。巻紙分析とは、大きな紙の上で縦軸にセクション、横軸に時間軸をとって、各工程のインプットとアウトプットを時間軸上で示し、それぞれを線で結んで業務の全体像を可視化し、問題を探し出す手法です。すると、入ってきた注文票が机の上に3日間置かれているとか、下降する機会がふさがって何日も待機したりとか、作業自体より、滞留時間の方がはるかに長いことがわかります。このロスをなくすのです。


船舶は、以前は受注のたび、設計を行う一品注文でした。しかし顧客が違っても、共通する部分はかなりあります。そこで、中量生産品と同様に設計の標準化・共通化を導入し、繰り返し型生産に近づける大改革を断行しました。結果、リードタイムが大幅に短縮され、品質も向上し、納品後のトラブルに対応する時間も減少しました。標準化・共通化は、いま全社で進めています。


私は「技術は騙せない」という言葉を肝に銘じているのです。この言葉は、メーカーが持つべき倫理を完全に表していると思います。製造業は、人を死なせるようなものをつくっちゃいかんのです。飛行機も原発も同じです。これが技術屋としての私の原点であり、経営者としての倫理観でもあります。
【覚書き|つくっていた戦闘機が墜落しそうになり、友人を失いかけた経験について語った言葉】


うちは事業部の独立性が強いのですが、事業部の仕事の間にアナロジー(類比)はないかという視点も常に持っていました。ここでやっていることは、こっちに応用できるのではないかというふうに。私は、そういうものの見方が得意なんです。
【覚書き|様々な部署を回ってきた経験について語った言葉】


繊維や造船が厳しくなっていく状況の中で、これからの日本は技術立国しかないだろうと。そうしないと日本という国は沈んでしまうんだと。そういうバックボーンというか、自分の仕事に対する高いところからの視点。それを常に持っていました。


戦闘機の仕事はかなり特殊な世界でしたが、冷熱(クーラーなどを製造する冷熱事業部)は販売店さんと付き合う最も一般的で、最も厳しい流通の世界でした。これはこれで、強烈に私の興味を満たしてくれる仕事でした。販売店の創業社長なんて、我々一般のサラリーマンと違って、本当に肝が据わっています。面白かったですねぇ。
【覚書き|冷熱事業部に配属されたときを振り返っての発言】


私は新し物好きで、自分がやっている仕事以外にも面白い仕事があるんじゃないかと常に思っている人間なのです。そして産機(産業機械事業部)へ行ってみたら実に面白い。事業部が小さいから人間付き合いの密度も濃いし、製品の開発期間が短いから、設計もサービスも営業の現場も、すべてを見ることができました。産機は私の第二の故郷だと思っています。
【覚書き|30年関わった戦闘機や航空宇宙産業の部署から、産業機械の部署に移されたときを振り返っての発言】


当社はこれまで、どちらかというと古典的な輸出事業を行ってきました。それも他人の力はあまり借りずに自分たちだけで行う自前主義です。しかし、ここ5~10年ほど前から、市場の変化をとらえ、自前主義から少し転換しようという動きが起こりつつあります。社会インフラ事業の多くは、国が関わる事業です。その国の制作などに密接にかかわるので、現地の有力企業と組むのがよいでしょう。とくに販売系では現地の生産能力を活用し、我々が技術供与する形で上手く組めないかと考えています。


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