大串哲史の名言 一覧

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大串哲史のプロフィール

大串哲史、おおくし・てつふみ。日本の経営者、理容師。理美容店などを展開する「オオクシ」、「サロンネクスト」社長。父から理容店を引き継ぎ、POSデータ活用によって事業を拡大させた。経済産業省推進IT経営百選「最優秀賞」、中小企業IT経営力大賞「経済産業大臣賞」ほか多くの起業家賞を受賞。

経営に数字を活用し始めるときは「数字は粗探しの道具ではなく、みんなの努力を結果につなげるための道具」ということを理解してもらうことが、何よりも重要です。


人は数字では動かず、情で動きます。


数字は、個人の仕事を改善するうえでも、会社の経営を改善するうえでも有益なもの。だからこそ、数字を出す側には責任があると私は考えています。たとえば、「あなたは女性客のリピート率が低い」とだけ指摘されて、やる気を出す人はいませんよね。そうではなく、「男性客のリピート率は素晴らしい。女性客のリピート率も上げられればさらにいい。そのためには、こういう方法があるよ」と言われれば、「やってみよう」となるでしょう。データを使って問題点を指摘するのなら、改善策も一緒に伝えなければなりません。


以前は私とスタッフとで、よく言い合いになったものです。あるとき思ったのは、自分と社員の考え方のベースが違うのではないかということです。データを出しているといっても、社員の多くは自分の数字しか見ていない。こっちは全部見ている。見ている量と、目線の高さを合わせていけば、同じ判断をしてくれるんじゃないか。そういう仮説を立てたのです。それ以来、数字をさらに徹底して公開するようにしました。個人の給与額以外はすべて共有する。さらに、会議もすべて議事録に起こして、パートさんまで、全員に配る。経営計画も同様。加えて、私の考えをまとめたフィロソフィーというものを、朝礼や終礼で読んでもらうようにしました。そこには、「掃除はなぜしなければいけないのか」といった基本的なところから、経営理念、わが社のビジョンまでが書いてあります。これを5年くらい続けると、スタッフとの言い合いはピタリとなくなりました。経営者のような視点で考えてくれる人材がたくさん出てきたのです。今では店長をはじめとして、私より経営者として立派な方がいっぱいいます。


POSデータは重要な気づきを与えてくれるものですが、ある意味では魔物です。組織の目的が明確になっていて、みんなで組織を良くしようという思いを共有できているなら、数字は大いに役に立ちます。しかし、組織の人間関係が悪いと、数字はとたんに粗探しの道具になってしまう。「あいつは自分より結果を出していないじゃないか」といった攻撃の道具になってしまうのです。


自分の店舗にPOSシステムを導入しました。すると、とんでもないことがわかりました。POSシステムでは、スタッフの情報も管理しています。そのデータから、私が大きな勘違いをしていたことに気づいたのです。当時、私の店には色白で太ったAさんというスタッフと、色黒で精悍な風貌のBさんというスタッフがいました。私はそれまで、Aさんをよく叱っていました。きびきびした動きのBさんに比べると、仕事が遅く、何事にもモタモタしていると感じていたからです。ところが、POSデータを見ると、ほぼ毎日、AさんのほうがBさんよりも多くのお客様を担当していたのです。私はAさんに謝り、大いに反省しました。自分の主観にとらわれて、間違った評価をしていた。働いているときに自分が納得できなかった評価を、自分でもやってしまっていた、と。そのことに、POSデータが気づかせてくれたのです。


当社に11期連続2桁成長をもたらした原動力のひとつが、POSシステムを使った情報の管理・分析・活用であることは確かです。ただ、当社はひたすらデータを重視し、数字を重視する会社かといえば、そんなことはありません。実は、どこよりも情を大切にしている会社でもあるのです。


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