堤剛の名言 一覧

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堤剛のプロフィール

堤剛、つつみ・つよし。日本のチェリスト、音楽指導者。父の手ほどきを受け、8歳でリサイタルを開催。桐朋学園高校音楽科卒業、インディアナ大学へ留学。日本音楽コンクールのチェロ部門で第1位と特賞を、ミュンヘン国際音楽コンクールで第2位、ブダペスト国際音楽コンクールで第1位をそれぞれ獲得。後進の育成にも力を入れ、西オンタリオ大学准教授、イリノイ大学教授、インディアナ大学教授、桐朋学園大学教授などを務めた。そのほか、サントリー音楽財団理事長、サントリーホール館長、サントリー芸術財団代表理事などを務めた。

今までやってこられたのは多くの方々の支えがあったおかげで、中でも、日本の音楽教育の礎を築かれた齋藤秀雄先生、チェリストとしても高名なヤーノシュ・シュタルケル先生に教えを請うたことは大きかった。私自身が人を教える立場になって改めて、お2人がいかに優れた指導者、リーダーであったかを実感しています。


ヤーノシュ・シュタルケル先生と指導者のあるべき姿について話をした時、先生がおっしゃったのが「生徒が何かを望んでいたら、それをすぐに出せるようでないといけない」という言葉です。つまり、指導者は博覧強記の「resource person」になる必要があると。齋藤秀雄先生は「引き出し」という言葉をお使いになりましたが、意図するところは同じです。生徒が最も必要としているものを最も効果的な方法で見つけ出し、一緒になって解決なり結果なりへと導いていく――。と考えると、教えることは、演奏と同じくらい創造的な活動なんですね。


ヤーノシュ・シュタルケル先生は「educate」よりも「help」という単語を好んで使われましたが、優れた指導者とは、生徒の才能や長所をいち早く見いだし、それを伸ばして、彼らが自身最高のパフォーマンスを出せるように導ける人ではないでしょうか。しかし、そのためには教える側にしっかりとした指導プランがなければなりません。


私たちは2つの耳を持つようにも鍛えられています。片方の耳で楽器の音を聞いて音程や音質を確認し、もう一方ではホールの音響やお客さんの反応をうかがうのです。自分の音を聞くだけでも大変かと思いますが、主観と客観両方から判断する耳を持てなければ一人前とは言えない。これは、ビジネスの世界にも通じるところがあるのではないでしょうか。


私自身が先生方から教えていただいたことで今も体に染み付いているのが「先取り」です。演奏する際、譜面上は普通、今自分が弾いているところを追っています。それも大切ですが、演奏家は同時に数小節先も見ていなければなりません。要は、時間軸が2つあるようなものです。特にアンサンブルなどは、その時々で何が起こるか分かりませんから、ハプニングやトラブルに自在に対応するには先取りが不可欠なのです。


音楽、とりわけ演奏の面では、人を育てる難しさと結果が出てきた時の喜びは表裏一体です。


国内外で本格的な演奏活動をするようになって半世紀、昨秋には文化功労者にも選んでいただきました。しかし、それはむしろ私の将来への功労であると受け止め、ますます努力、精進せねばと自戒する日々です。


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