周防正行の名言 一覧

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周防正行のプロフィール

周防正行、すお(すおう)・まさゆき。日本の映画監督、脚本家。東京出身。立教大学文学部フランス文学科卒業後、助監督などを務めたのち『変態家族 兄貴の嫁さん』でデビュー。主な監督作品に『ファンシイダンス』『シコふんじゃった』『Shall we ダンス?』『それでもボクはやってない』『ダンシング・チャップリン』『終の信託』など。『Shall we ダンス?』で日本アカデミー賞監督賞・脚本賞、芸術選奨新人賞を受賞。同作品はアメリカでも成功を収め、のちにハリウッド版が制作された。

好きなようにつくるといっても、「どうしたら、一人でも多くのお客さんに伝わるのか、同じ思いを共有してもらえるのか」という部分には徹底的にこだわって、自分をいじめ抜きます。昔から僕が目指しているのは、「1年に100本映画を観る人にも、1本しか観ない人にも満足してもらえる映画にする」ことです。


どんなに生活が苦しくても、監督以外はやらないと決めました。30代で劇場映画を三本撮ることができたのは、その姿勢を貫いたからだと思います。


映画監督になりたいからと、いきなり会社を辞めるなどという無謀なことはしない方がいいと思います。いま自分がいる世界から学べることはたくさんあるはずです。


後進を育てたいという思いはありません。仕事の中で出会った人に、いろいろなことを伝えてはいますが、後進を育てるなんておこがましいことは考えてもいません。たまに僕のところにも弟子にしてくださいという若い人が来るけど、そういう人には「自分が一番好きな映画を分析したほうがいいですよ」と言います。あるいは、いまの仕事を通して自分にしか見えない世界をシナリオに書いてみたらとか。僕自身、もっとも勉強になったのは小津安二郎の映画だし、その気になればあらゆるものから学べるはずです。


映画にしたいと切実に思えるテーマに出会える感性がなくなるのでは、という不安はあります。今回も見つかるまで11年かかりました。でも、それはそれでしょうがない。そのときは潔く別の道を探すしかないですね。上手くいってもいかなくてもそれが自分の実力です。死ぬまでそう言える自分でいたいと思います。


この企画はハリウッドでなければ撮れないということであれば、そういうこともあるかもしれません。でも、日本で撮れるものをわざわざアメリカでつくろうとは思いません。僕の理想は、撮らずにはいられないというテーマに出会って、それを伝えるために夢中になっている自分がいることであって、ハリウッド映画の監督になることではないのです。


『それボク(映画『それでもボクはやってない』)』でも、納得できるシナリオになるまで、しつこく11回も書き直したので、シナリオ完成まで3年もかかりました。


10代のころの僕は、映画監督を目指しているとはいっても、じつは他にやりたいことが思いつかなかったから、とりあえず映画業界に飛び込んだだけで、まさか、本当になれるとは思っていませんでした。それが、助監督を数年経過した28歳のときに、たまたまピンク映画を1本監督するチャンスが巡ってきた。こんなことは2度とないだろうから、どうせなら自分のやりたいようにやって、それでダメならもう映画の世界から足を洗おうと思って、本当に自分の欲望のままに撮ったんです。そうしたら、「世の中にこんなに面白いことがあったのか」というくらい楽しかった。おまけに、できあがった作品を尊敬する蓮實(はすみ)重彦先生が褒めてくれた。これが原点です。


観客動員数が増えるから主演を人気タレントに変えろといわれても、イメージに合わなければ僕は絶対に承諾しません。今回も、2時間23分という長さを含め、僕のやり方に納得していただけないのであれば、自主制作映画として自分で全国の公民館を回るつもりでした。そのくらいの覚悟はいつもしています。僕だって興行が成功してお金持ちになれるなら、それに越したことはありません。でも、「やりたいようにやって、お金もう入って」などという虫のいい話は、そう世の中にはないでしょう。


僕は自分のことをプロだと思っていません。なぜなら、僕にとって映画は仕事じゃないからです。仕事だと、ときにはお金のために、あるいは依頼主のためにやりたくないことをやらなければならない。でも、それが僕にはできない。映画だけは余計なことを考えず、やりたいようにやりたいんです。


僕は「どうしても撮りたい」というテーマに出会わないと撮れないんです。いくつか企画はあったのですが、どれも何かが足りませんでした。
【覚書き|『Shall we ダンス?』の後、11年間映画を撮らなかったことについて語った言葉】


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