原田武夫の名言 一覧

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原田武夫のプロフィール

原田武夫、はらだ・たけお。日本の外交官。東京大学法学部在学中に外交官試験に合格。外務省に入省。12年間外務省に勤務。アジア大洋州局北東アジア課課長補佐などを務め、数々の外交交渉の場に立ち会った。その後、外務省を退職し、原田武夫国際戦略情報研究所を設立。著書に『騙すアメリカ 騙される日本』『脱アメリカ時代のプリンシプル』『教科書やニュースではわからない 最もリアルなアメリカ入門』『インテリジェンスのプロが書いた日本経済復活のシナリオ「金融立国」という選択肢』『「日本叩き」を討刹せよ』ほか。

交渉に際して最も重要なことは、あなた自身がゲームのルールをつくることです。そうすれば、参加者はあなたがつくったルールやプロセスの中でしか動けなくなる。


交渉では相手がいま何を一番求めているのかを知り、それに対する交渉のカードを最初から持っていなければならない。ライバルに勝つためには、本当に欲しいことを相手に知られないことが何よりも重要であり、相手の欲することを突き止めれば勝機が生まれる。欲望がすべての突破口となる。


社内で自分の立場を優位なものにしようと考える人は、つい一生懸命自己主張してしまう。しかし、それは間違いだ。「なんでもやりますよ!」と、あらゆる仕事を引き受けて、ほかのみんながあなたにお世話になる状況をつくる。やがて周囲は「あの人は嫌な顔せず、いつも助けてくれる」と尊敬すらするようになるだろう。すると、贈与の原理と同じであり、みんなが相談してくるようになったり、何かお返しをしたいとの気持ちが働くようになる。そうなったらしめたもの。あなたのもとへあらゆる情報が集まる。そして弱みを握られているも同然の周囲には、あなたに立ち向かえる人はいない。つまり、あなた自身が、ゲームのルールを決められるようになるわけだ。


オーストリア、スイスなどといった永世中立国を思い浮かべてみるといい。日本人がこれらの国に対し持つイメージは、なんとなく平和な国で、すごくお人好しの人ばかりが住んでいるといったものだろう。しかし、なぜ永世中立国でいられるのかといえば、それは「絶対に相手が黙るものを持っている」からにほかならない。たとえばスイスの場合、それは、金融だ。そうしたポジションを築くためにはまず、利他的に活動する必要がある。「みなさんのお金は全部、私が引き受けます」という形で、あらゆる国々の人々がスイスに金融面でお世話になる状況をつくるわけだ。こうなれば相手の「弱み」を握ったも同然だ。世界保健機関(WHO)をはじめ、スイスに事務局や本部を置いている国際機関が多いのもうなずけるだろう。


究極の悪知恵、究極のしたたかさともいえる生き方は、自分がハブ人脈に在ることだ。たとえ社内で派閥抗争があっても、どちらにもいい顔ができ、最後には重要なポジションに収まってしまう算段である。


交渉で一番避けなければならないのは膠着すること。とにかく揺さぶらなければいけない。その点でも、脅しや恫喝を仕掛け、論理と感情を使い分けることは有効である。これをより効果的に行うには二人でペアを組み、正反対の立場をとって相手を揺さぶることだ。有名な「良い警官・悪い警官」の手法を用いるわけだ。まず悪い警官役が、論理的に恫喝して追い詰めていく。これで動じる相手もかなりいるだろう。しかし、テコでも動かない場合がある。そこで、良い警官役の出番だ。相手は、恫喝してくる人間とは、もうそれ以上話をしたくないとの思いから、悪い警官役が席を外した瞬間に、良い警官役にぺラペラと話をしてしまう。外交の現場で、こうした手法が採られる例は枚挙にいとまがない。


米国のとあるスパイ組織の人から聞いた話だが、彼らはターゲットを落とすときに、2つの方法を必ず採るらしい。ひとつは、脅しや恫喝。論理的、感情的に追い詰めていくのだ。組織が恫喝し、論理と感情を使い分けてもターゲットが落ちない場合に採るもうひとつの方法は「お金をあげる」ことだ。


ビジネスパーソンにとっても有効な人脈とは、ハブ人脈を押さえているかどうかにかかっている。表向きの役職とは関係ない。たとえば、部長を操っている庶務の女性や、出世をせずに同じ部門に長くいて、その分野で強い影響力を持っている人もいる。普段からの観察が不可欠といえよう。ハブ人脈を特定できたら、しっかりと説明し同意を得ていく。すると自然に、こちら側の意見と同じ立ち位置の意見が相手陣営から出てくる。これが情報操作の理想型である。


嘘で相手を落とし込もうと情報操作をすることは簡単だ。しかし、すぐにバレてしてしまい、多くは期待外れの結果に終わる。


日本人は個別案件ごとに交渉しようとする。ところが、米国や中国、EUの手法は、「パッケージディール」だ。「1~10のうち、7つは譲るから3つは要求をのんでほしい」というやり口である。土俵が異なるのだ。彼らは痛手を負わない形で譲歩する部分をつくっておき、相手に花を持たせる。一方、自らの「隠されたアジェンダ(行動計画)」を遂行するときに、相手に求める譲歩の質はすごく深い。


交渉のための要求リスト作成の時点で議論を詰めすぎると、かえって、すべてが絶対に譲れないという状況をつくり、自らを追い込んでしまう。


ビジネスパーソンの場合なら、金銭欲や昇進欲、承認欲が代表的な欲望として挙げられる。なかでも承認欲は与えやすい。相手が負い目を感じるほどに与えまくるわけだ。すると「私は納得しているわけではないけれど、認めてもかまわないよ」と変化する。ゲームのルールが変わり、こちらの意図する方向へと進む。人間はもらえばもらうほど、お返しをしたくなるものなのだ。


ルールを決める交渉で自分が100%取ろうとすると失敗します。これは日本人にありがちな行動パターンです。欧州や米国は、勝者以外の国にも分け前を与える。すると、みんな文句を言わない。ライバルに勝つといっても、相手を打ちのめせばいいという発想ではなく、一見したところ、みんなのためにこれをやるんだよと定義するところが重要です。


本当にずる賢い人は、ずる賢く見えないもの。ずるいと思われたら、その時点で負けです。


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