加藤丈夫の名言 一覧

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加藤丈夫のプロフィール

加藤丈夫、かとう・たけお。日本の経営者。富士電機会長。東京都出身。東京大学法学部卒業後、富士電機に入社。企画部長、取締役、常務、専務、副社長、経営企画室担当を経て会長・相談役。そのほか、厚生年金基金連合会理事長や経済同友会幹事、学校法人開成学園理事長兼学園長などを務めた経営者。また、東京農工大学大学院技術経営研究科技術リスクマネジメント専攻で教鞭をとった。

齢をとるにつれて、どうしても感覚のズレは出てきます。それは致し方ありません。しかし、若い人にいろんなことを聞かれたときに、いかに自分なりの考え方を持ち、きちんと答えられるかが重要だと思います。これは自らをどう磨いているか、自分自身の姿を問われることにほかなりません。


私は役員になりたてのころから、若い人と一杯飲むのが趣味でした。労務担当役員として、組合の人たちとも様々なテーマで対話の場を持ちました。


当社も幹部社員を育成するため社員を選抜して、財務や組織の活性化などの講義を受けさせています。しかし、上司としての基本条件は、部下との対話ができることだと思います。


対話とは、たんに会って話をすればよいというものではありません。易しいことではないのです。なぜならきちんとした対話をするには、技術が必要だからです。プレゼンテーション能力、説得力はもちろん欠かせません。でも一番重要なのは、忍耐力でしょう。たとえば上司であれば部下の発言に最後まで耳を傾けるべきです。そうでなければ、信頼関係を築けません。


会長として対話のノルマを自分自身に課しています。昨年6月の就任を機に、「行動する会長」を掲げ、積極的にお客さんを回るようにしたのです。長い付き合いのある顧客の訪問は社長の仕事です。私は、取引のない会社、出入り禁止を申し渡された会社、営業が攻めあぐねている会社、そんなお客さんを集中的に訪問しました。目標は1週間で1社の割合です。1年目はほぼその公約を守れそうです。


富士電機では、二代前の社長だった中尾武さんが「対話が価値を生む」と標榜し、夕方から社員がお酒を飲んでくつろげる場を社内に作りました。飲み会を通じて、気持ちを通じ合わせようということでした。あれから10年以上たちますが、最近、対話の大切さを改めて実感しています。対話こそが新しい価値を生むのです。


いまの若い人は言葉をやりとりするのが好きです。人前で話をするのは上手いし、討論を仕切ったりまとめたりすることも上手です。しかし、心を触れ合わせた話し合いをしようという意識が希薄なのが少し心配です。


かつてのような没個性的なベクトル合わせは必要ないでしょうが、価値観を共有することはとても大事です。それには対話が欠かせません。新入社員には、対話で価値観を共有しようと訴えました。


この10年間、日本の多くの企業経営者は「個の尊重」を新しい価値観として掲げてきました。社員一人一人の個性、考え方を尊重しようというものです。求められたのは、できるだけ相手の領域には踏み込まない。スマートな対人関係でした。胸襟を開いてお互いに本音をぶつけ合うのは「ダサい」「古臭い」ことだったのです。しかし、個の尊重を言いすぎた結果、日本の社会に何が起きたのでしょう。職場の中では精神的に孤立化し、孤独を感じる社員がかなり増えています。会社だけではありません。学校や家庭で暴力をふるう子供たちがいるのも、根は同じではないでしょうか。


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