加瀬豊の名言 一覧

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加瀬豊のプロフィール

加瀬豊、かせ・ゆたか。日本の経営者。双日社長。千葉県出身。東京大学経済学部卒業後、日商岩井(のちの双日)に入社。同社のニュージーランド法人社長、本社木材製品部長、商岩井米国会社ポートランド店長、日商岩井米国会社エグゼクティブ・バイス・プレジデント、化学品・資材カンパニ-プレジデント、社長特命事項担当、常務、IR室長、専務、副社長を経て社長に就任。

どんなに苦しくても前向きの気持ちを失わなければ、いつか笑える日が来るはず。


会議に出席する際、十分に考えを練ってから会議に臨むべきです。厳選されたメンバーであれば、意見を持たないはずはありません。意義もあってしかるべきです。十分に議論を尽くしたうえでの結論であれば、当然実行に移すまでのスピードも速くなります。


議論型の会議において、必要少数を集めるには、誰がキーマンなのかをあらかじめ把握しておくことです。当然実務レベルの社員を招集する必要も出てくるが、当人の上司や関連部門の役職者をリストに入れてしまい、出席者数が膨れ上がってしまうケースがあります。その際は、会議の主催者がキーマン以外の候補者を極力少なくするようにすべきです。社内関係者に対しては、会議の目的や趣旨などをしっかりと説明しておくことも必要でしょう。


目的を明確化するだけで、会議は8割方成功します。さらに、肩書ではなく仕事の内容によって必要少数の出席者を集められれば完璧です。会議の招集者はこの2点に留意してシナリオをつくらなければなりません。


議論型の会議を成功させる主な要因は2つあります。ひとつは目的を明確にすること。もうひとつは適切なメンバー選定を行うことです。適任ではない出席者を集めてしまい、「○○の件について」と題して、代人数が集まり関連情報をおしゃべりするだけの会議では意味がありません。


海外の取引先の優秀な人材は、母国語という軸を持ちつつ、英語や他の外国語を武器として使いこなしています。我々も日本人としてのアイデンティティをしっかり持ちながら、外国語を習得し、世界へ漕ぎ出す時代だと思います。


いうまでもなく英語は世界の共通言語であり、英語ができればたいていのところで通用します。少し前に中東5か国を回りましたが、経営者や政治家はみな流暢な英語を話します。海外のエリートたちは日本に比べて欧米の大学に留学している人が多く、彼らと付き合ううえでも英語は必須でしょう。


商社マンとしての経験から言いたいのは、外国語を学ぶ前に、まず日本人としてきちんとした日本語をマスターしてほしいということです。ビジネスをするうえで最も大切なのは、慣れ親しんだ母国簿である日本語による思考力や交渉力を養うことで、外国の方としっかりコミュニケーションする土台にもなるからです。


課題の与え方には、部下のレベルに応じて2つのパターンがあります。

  1. 役割を与え、答えを引き出すパターン。部下一人一人にそれぞれ役割を担ってもらう。
  2. 課長代理に課長レベル、課長には部長レベル、というようにワンランク上の仕事を与えること。

どちらのパターンにしろ、ノルマや課題を与えるには部下はどのようなことが得意で、どんなタイプの人間なのか把握しておくことが必要です。そのためには普段のコミュニケーションが大切です。


できないものを無理にやらせてメンタル面から個人を潰してしまう。これを避けることも、課題を与える上司の責任です。


営業マンとして成績抜群な人が、課長としても有能とは限りません。チームを指揮管理するマネジメントは苦手というタイプもいます。優秀な課長が部長になっても優秀とは限りません。課題を与えて、各人の特性を見極めるのも上司にとっては非常に重要な仕事です。


課長や部長にとって自分の課や部に与えられたノルマや目標は、最終的には課長自身、部長自身に課されたもの。それをいかに部下と一緒にやってもらうかです。役割をどう果たすか、その答えは部下が自発的に考えるように仕向けることが大切なわけです。


「問う」ことの大切さに気付かされたのは、米国ポートランドに店長として駐在した時代、現地採用のアメリカ人女性を部長に抜擢したときのことでした。日本人なら「喜んで拝命します」で終わりますが、その女性は「なぜ私を部長にするのか?」「この店をどうマネージしていくつもりなのか?」「その中で私の役割は何か?」など、20項目以上の質問を求められたのです。そのとき、問うことの大切さに気付かされました。


上司としては任せきりではなく、「俺も一緒にやる」という姿勢と事後フォローも必要です。また、「最終責任は自分が負う」「部下の案を試させてみて、上手くいかなかったら最後は自分が出ていって解決する」と腹を決めておかなければなりません。その限度内におさまるうちは、なるべく部下の自主性に任せるわけです。


部下に課題やノルマを与える場合は、自発型・提案型となるように仕向ける。これが私のやり方です。


部下から「こうしたい」という提案が出るのを待ちます。答えを聞く前に上から指示を出してしまえば、その部下の成長は止まってしまいますし、自発的に仕事に取り組む意欲も引き出せません。上からノルマ、課題をかぶせることになってしまいます。


上司は「問いかけ」をするのが仕事です。問いかけをしなければ仕事をしていないとさえいえます。実際、部下に課題やノルマを与えるとき、私はいつも「3つの問いかけ」をするように努めています。まず、最初の問いかけは「なぜそうなったの?」。第二の問いかけは「それで、君自身どう思ってるの?」です。そして最後は「では、どうしたいの?」です。


一時は日本人らしさを出してはいけないような雰囲気がありましたが、もうそういう時代ではありません。海外で活動するには、日本人の骨格を意識して、それを他国よりも競争優位につなげることが大事なのではないでしょうか。


最近、新興国に限らず、日本企業に対する期待が非常に高い。相手国からすると、日本企業と組むのは安心なのです。決裁が遅いという声もありますが、いったん契約したあとのパフォーマンスは日本企業がベストです。その部分は、日本人が海外で仕事をする際の「自信の拠り所」になるはずです。


新興国は札束で頬を叩きながらイニシアチブをとろうとする相手を全面的には信用しません。ですから、資源国も自分のところの権益は残し、そのうちの何割かを相手に買ってもらってパードナーシップを組もうとします。搾取ではなく、我々もそれに応えてその国と一緒に産業を育てていく。そのベースにある信頼感が、欧米諸国とは違う日本人の強みであり、日本企業に期待されていることだと思います。


副社長をしていた頃、中東に商談に行ったとき、映画『アラビアのロレンス』に出てくるような眼光鋭いワシ鼻の長老に、「約束を守らなかったら喉を切るぞ」と驚かされました。恐ろしいことを言いますけど、相手が求めているのは信頼・安心で、それはこちらとしてもウェルカムでした。「心配はいらない。日本人は約束を守らないことを恥とする。日本には約束を違えれば腹を切る習慣もある」と伝えたら、すぐに仲良くなって長老自らブドウを剥いてくれました。


双日になって業績が安定し、辞めた社員に復職を呼びかけ始めました。やむなく会社を去った仲間とまた仕事ができる。これ以上の喜びはありません。


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