前田新造の名言 一覧

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前田新造のプロフィール

前田新造、まえだ・しんぞう。日本の経営者。資生堂社長。大阪出身。慶應義塾大学社会学科卒業後、資生堂に入社。商品課で百貨店の外商担当から化粧品を受注する業務に従事。資生堂の新ブランド「イプサ」の立ち上げを行い、子会社のイプサに出向。イプサはのちに軌道に乗るが、発足当時は実績を残せず、前田氏は資生堂本社に戻り企画部課長になる。数か月間閑職に追いやられたのち、中期経営計画策定に参加する。その後、化粧品企画部長、アジアパシフィック地域本部長、取締役、経営企画室室長などを経て社長に就任。unoやTSUBAKIなどの新ブランドを創出し成功を収めた。

店頭売上を増やすために取引条件を変えていく。そのためには自己否定もいとわない。例えば、商品を卸す際の条件についても見直した。


海外は順調に育っているが、国内での存在感や競争優位性をしっかりと確保することが、今後、世界で事業を拡大していくうえでの大前提となる。


社長に再就任した際、海外の有力メーカーなどと戦うためにはどうしていくべきかと考え、「資生堂らしさ」という強みを磨くことが必要と考えた。


資生堂がお客様にとって信頼のおけるブランドになるためには、「100%お客様志向の会社」に生まれ変わらなければなりません。


お客様との間に築き上げた強い信頼こそが、資生堂の強いブランドをつくりあげると確信しています。


お金の価値は100円は100円でしかありませんが、人は、1のものを2にも3にも変えることができます。人は、無限の価値をつくりだすことができるんです。


ノルマは達成か未達かが一目瞭然になるため、管理者には非常に便利なツールです。しかし、私にはノルマによって売上目標を達成するのは、本当の経営ではないという思いがあります。ノルマとは私に言わせれば「責任の細分化」です。本社が売上目標を立て、それを販社に下ろす。販社のトップは営業部長に、営業部長は営業担当者に下ろし、営業担当者は個々のBC(販売員)にノルマを課す。つまり、売上目標を末端に向かって細分化していくのがノルマの正体です。経営者はこの仕組みによって、経営責任を末端に転嫁できますが、これが本当の経営であるはずがありません。


商売にはタイミングが重要です。100%の安全性を求めると、商機を逸してしまいます。だから、60%OKと判断したら、間髪を入れずに実行に移します。不都合なことが生じたら、軌道修正していけばよいのです。朝令暮改は大いに結構というマインドで、ともかく前に進んでいくのです。


一般に人件費はコストであると認識されています。しかし私は、経費ではなく、人材は資産だと考えています。人材とは、1のものを2にも3にも増やす力を持つ、唯一の経営資源だからです。しかし同時に、人材の育成は長い時間と労力を要します。


経営は3年程度の中期的なスパンで考えると同時に、10年程度の長期的な視点からも考えないと判断を誤ります。目先の変化に目を奪われていると、本質的な変化を見逃してしまうからです。


60%即決主義を地でいくには、このビジネスは成功するという信念を強く持っている必要があります。その確信を得るためには、とりもなおさず、時代潮流の本質をしっかりつかまえておく必要があります。イプサの売上が当初伸び悩んでいたにも関わらず、私が長い目で見て欲しいと経営陣に訴え続けることができたのは、カウンセリングによってお客様ごとにレシピをつくるイプサの販売方式は必ず成功すると、絶対的な確信があったからです。


私が実践していることに「60%即決主義」があります。60%の確率で行けると判断したら、40%のリスクがあっても、即実行に移すのです。この考え方を、私は管理職になりたてのころ、上司から叩きこまれ、いまも実践しています。


グローバル化の波がビジネスマンに要請するものは何かといえば、多様性への対応力なのです。哲学や文学を学ぶ意図もそこにあります。たとえば、経理や人事に携わる人たちが、日ごろ触れることのない哲学や文学に真剣に取り組むことで、多様性への対応力を鍛えることになります。一見無駄に思えることが、まわりまわっていままさに必要とされている能力と確実にリンクしているのです。


創業当時の資生堂は、社員が独自に勉強をする風土を持っていました。英語、会計、簿記などなど、銀座の店は終業後も深夜まで明かりが消えることがなく、「書生堂」とあだ名されたといいます。そうした伝統を引き継ぐのが、企業内大学エコール資生堂です。企業内大学のエコール資生堂には様々な研修があり、執行役員などに哲学や文学などのプログラムを用意しています。6日間、会場に缶詰めとなり、デカルトや奥の細道について専門家の講義を受け侃々諤々の議論を戦わせます。何事にも即効性が求められる時代において、こうした人材育成は一見無駄と思われがちですがそうではありません。


私は、売上目標とは、BC(販売員)が心底お客様に美しくあって欲しいと願い、その熱意がお客様に伝わり、お客様が継続的に資生堂に足を運んでくださるようになることによって到達するものだと考えています。決して、上から達成を強要するものではないのです。そして、経営者がなすべきことは、社員のモチベーションを高める方法を一所懸命に考え、それを実行に移すことであるはずです。


お客様志向は、資生堂が創業以来一貫して掲げてきた経営理念です。BC(ビューティー・コンサルタント、販売員)もお客様を美しくするために活動していましたが、活動がノルマ達成に奪われてしまうと、お客様の満足度が置き去りにされてしまうこともありました。資生堂が徹底したお客様志向の企業として再生するには、最前線でお客様と接するBCの意識が真っ先にあると私は考えました。
【覚書き|販売員のノルマ撤廃の理由について語った言葉】


社長に就任したとき、私は3つの夢を掲げました。「100%お客様志向の会社に生まれ変わる」「魅力ある人で組織を埋め尽くす」「大切な経営資源であるブランドを磨きなおす」の3つです。


BC(美容部員)の研修のコンセプトは「感動」です。先輩BCや講師の方が、自分が感動した話などを一生懸命話されると、皆涙するほどに感動します。美容知識、接客技術を身につけることも大切ですが、本当にお客様のためになっているかどうかを考えることがベースになくては、それを生かせません。自分自身が感動でふるえるような体験をしてはじめて、お客様に感動していただけます。


100%お客様の志向の会社に生まれ変わるために、学んでもらいたいもの。それは、お客様の期待を遥かに超えるものをもって応えるために絶対に必要な「感謝の念」と「感動する気持ち」です。新人研修では、「感謝の気持ちをいかに引き出すか」に重点を置いています。声高に「感謝、感謝」というわけではありませんが、しばらくすると、研修生たちは講師、食堂でご飯をつくってくれる人、掃除をしてくれる人に自然に感謝の意を表するようになります。


店頭から上がってくるデータをただ待つのではなく、お客様の直接的な声や動き、そして、お店の商品の減り方などを自ら足を運んで見ることは非常に重要です。目で見たことが、結果的にデータとピタッとリンクすることが結構多いものです。数字が上がってくる前に、店頭の動きを実感としてつかむという姿勢は、社員全員に持ってもらいたいものです。


店頭では、商品の動き方が非常によくわかります。たとえばヘアワックスには、いろんな種類がありますが、我々が計画して、頭の中で描いている売上の順位が実際のお客様の反応と違うというケースもよくあります。店頭ではそれが一目瞭然です。それを担当の人に伝えて、出荷状況をすぐ調べるとデータにもその変化が表れています。


経営陣も本社にいる主要スタッフも、販売の第一線を学びのよりどころとして直接足を運ぶようにしています。以前は、企画担当は企画に専念し、陳列に関しては通達や施策案内パンフレットで、「この通りにやってください」と指示を出す程度でした。たまに店頭で作業を手伝うのは「応援」という位置づけでしたが、そのような考え方は、ある種の驕りだと思うのです。


販売第一線の人間は、売り場のどこに導線があるのか、什器のゴールデンラインにどう陳列すればいいのか、POPの作り方から売り場の体制に至るまで、優れたノウハウやヒントを持っています。それらを学びとる機会は、本社スタッフにとっては「応援」ではなく「学習」です。実際に見て、触れて、体で学んだことは、必ず次の企画の肥やしになります。私自身もよく店頭に足を運んでいます。


お客様センターに「こんな商品が欲しい」「ここを改善してほしい」という具体的な要望が年間で10万件ぐらい寄せられます。商品そのものにとどまらず、売り方や生産の過程に至るまで、非常に貴重なご意見をいただけます。これらは、問題解決型のモノづくりを進めていくうえで重要な学びのヒントです。これを経営の中で反映させていく仕組みづくりに取り組んできました。


どちらかといえば、これまでの資生堂は、新しい技術や原料に対応する商品をつくっていく「シーズ(種)型」の商品開発でした。新しい価値や技術は非常に重要ですが、それがお客様にどれだけ有益なのかという視点が薄くなっていたと思います。お客様のご要望にきちんとお応えするには、まずお客様が何を望んでいるのかを理解したうえで商品という姿に組み立てていかなければなりません。


ブランド戦略においても、学びの対象はお客様にあるという姿勢を貫いています。ブランドの整理・統合を図り、それぞれのカテゴリーでトップシェアを獲得できるような、「太くて強い」ブランドを育成しようと、ブランドの開発から広告宣伝、販売に至るまで一貫して責任を負うブランドマネジャー制度を導入しました。ブランドマネジャーが中心となって、問題解決型のモノづくりに変えていくための大幅な組織変更です。


これまでの販売ノルマを撤廃したり、お客様の評価を取り入れたりということになると、当然売上が落ちることも考えられます。しかし、売上が一時落ちても構わない、というコミットメントをトップが示さなければ、BC(美容部員)は目先の数字に追われ続けるだけです。また、いくら「解は店頭にあり」といったところで、販売第一線の努力に頼るだけでは学習する組織は作れません。


数字だけを見ていたら見落としてしまうようなことも、お客様の声に真摯に耳を傾けることで気づくようになり、その結果として売上がついてくるのです。これが本当の学習効果ではないでしょうか。


お客様からのハガキはすべて、BC(美容部員)一人一人に毎月フィードバックしています。その日、彼女たちは非常に緊張するようです。自分に対する評価ですし、ハガキを読めば「あのお客様だ」とすぐわかる。しかし、それがお叱りの言葉であっても、励みになると言うんです。「お客様こそ先生である」という思いは、ますます強くなっていると思います。


100%お客様志向の会社に生まれ変わる。お客様と日々接している店頭が真っ先に変わる必要があるという考えから、資生堂は2006年4月からBC(美容部員)のノルマ撤廃に踏み切りました。企業内の管理指標として売上目標や推奨品のノルマは非常に便利なツールですが、BCはどうしても目先の利益に追われてしまう。それが、お客様の「無理に買わされた」という不満を生む要因となっていました。


資生堂は135年もの歴史を持つ企業です。これほど長い期間存続できたのは、資生堂に対するお客様の篤い信頼があったからこそですが、ここ10年、20年というスパンで見ると、市場シェアは徐々に下がってきていました。いまこそ、お客様の信頼を取り戻さなければならない。組織全体が現場から学び直す姿勢を強く持たなければならない。社長に就任して以来、思い切った改革を進めてきた目的はまさにそこにありました。


BC(美容部員)は、一人一日数十名のお客様を接客しているわけですから、年間で見れば何千名、何万名というお客様に接しているわけです。彼女たちは誰よりもお客様が求めているものを肌で感じ取っています。この宝の山を掘り起こし、商品開発や販売促進、広告宣伝といった具体的な施策として実現することが私たちの仕事です。


販売の第一線は宝の山です。お客様が何を望み、何を期待しているのか。この答えは、お客様が持っています。その答えに近づく唯一の方法は、お客様と直に相対する販売の第一線を学びのよりどころとすることです。すべての解は店頭にあるといってもいい。


化粧品業界や流通業界を取り巻くマクロ的な経済的な流れ、消費者全体の志向やニーズ、そして流通構造の変化などについては様々な情報を通じて勉強することができますが、ミクロ的な勉強となるとそうはいきません。二次情報、数字だけでわかった気になっていては、お客様の姿が見えなくなってしまいます。


勉強と一口にいっても、マクロの視点から取り組まなければならないもの、ミクロの視点で学習しなければならないものの2種類があります。鳥の目と虫に目という例えがあるように、ふたつの視点を組み合わせて学習する必要があります。


60%で行けるなと思ったらGOです。そもそも、ノーリスクなんていう事業はありません。どちらのリスクを取るのかいずれにしても何らかのリスクは取るつもりで腹を据えなければ決断はできません。私は決断とは「一度やってみる仮説」だと思うんです。とにかくやってみて、駄目なところはどんどん変えていく。変えていくうちにパーフェクトに近づけばいいんです。


企画書を7回やり直しを命じられ、半分ノイローゼ状態でした。そうなると、どこにいても、何をしていても、アイデアのヒントにならないかと思うようになるんです。トイレの中でも、お風呂に入っているときでも、絶え間なく「あんなのはどうだろう。こんなのはどうだろう」と考え続けていますから、寝る間際までアイデアが湧いてくる。あるときは布団の中でハッとひらめく。枕元にメモ用紙を置いていつアイデアが出ても即座に書き留められるようにしていました。


人を鍛えるという意味では、いまも厳しいですね。人を大事にするということはつまり鍛えるということなんです。厳しく鍛えると、諦めることをしなくなります。粘り強くなります。ある大阪のデパートの外商を担当した時のことですが、目標が達成できるまで戻ってくるなと言われて、夜になっても会社のドアを開けてもらえなかったことがありました。課長がドアの横についている小窓から目だけ覗かせて、「どうやった?目標行ったか?」と聞くんです。「あきませんでした」と言うと、「あかん。もう一回行って頑張ってこい」と送り出される。結局なかなか注文は取れなかったけど、そうやって上司に鍛えられたんです。


リーダーの条件とは厳しさの中に隠れた優しさだと思います。信頼がなくなれば、リーダーシップは瞬時に崩壊します。それはお客様との関係においても同じです。信頼とは、一度築き上げればそれで完成するものではありません。ときが経てば消耗するし、錆びてきます。常に磨きをかけ続け、機能障害を引き起こす前に新しいものにしなければいけないと思います。


遠回りな方法だとしても、お客様との接点を持つBC(ビューティー・コンサルタント、化粧品販売員)の活動を通して、お客様の満足を徹底して志向し、企業価値を高めていくことが、資生堂の追求すべき方向だと考えています。


BC(ビューティー・コンサルタント、化粧品販売員)には、「あなた方は美の伝道者です」「お客様に美しくなっていただくために、お給料をもらっているんですよ」と教育しています。


提案してはダメ、また一から練り直してはダメの繰り返しで、結局、企画書を8回提出させられました。半分、ノイローゼ状態でした。そうなると、どこにいても、何をしていても、アイデアのヒントにならないかと思うようになるんです。トイレの中でも、お風呂の中でも、絶え間なく「あんなのはどうだろう。こんなのはどうだろう」と考え続けていますから、寝る間際までアイデアが湧いてくる。あるときは、布団の中で「ハッ」とひらめく。ですから、枕元にもメモ用紙を置いて、いつアイデアが出ても即座に書きとめられるようにしていました。
【覚書き|資生堂の名を表に出さない初の化粧品ブランド「イプサ」の立ち上げ当時を振り返っての発言】


イプサのような小規模の会社になると、一人で二役も三役もやりますから、経営に対する思いは自ずと強くなります。コンセプトづくりから始まって、商品開発、宣伝、従業員の教育など、なんでもマルチにこなす必要がある。そのぶん、自分の仕事が経営に与える影響をダイレクトに肌で感じることができるんです。
【覚書き|資生堂の子会社のイプサを立上げた当時を振り返っての発言】


BC(ビューティー・コンサルタント、化粧品販売員)には、販売員とカウンセラーの2つの役割がありますが、売上目標を重視すると、販売が主となり、お客様にお出しする情報も、「売る」ための情報になります。それでは「100%お客様志向の会社」は目指せません。お客様に直に接しているのはBCです。ですから、BCの意識から変える必要があるんです。
【覚書き|販売ノルマ全廃について語った言葉言葉】


継者を育成して経営を託していくことが、ミッションだとは思っている。ただし、これは私自身が決めることではなく、指名委員会が客観的に、かつ合理的に人選してくれるだろう。


いまの私のミッションは、経営を阻害している要因を極小化し、成長一本に向けて走れるような形を作っていくこと。既に成長への道筋をつけ、行く手を阻む経営課題も大方取り除くことができたと思っている。


在庫を圧縮するために一番大事なのは、店頭売上を、営業マンや美容部員などすべての人を評価する基準にしていくこと。これまでは、店頭売上が目標に達しない時に卸に押し込み、それが在庫の膨張につながっていた。期末の数字目標は達成できても、店頭で売れなければ仕入れにつながらない。そのために、すべての階層の評価基準から卸への売上を撤廃した。それが一番の抑止力となる。お店も余分なものを仕入れないし、営業担当も無理に押し込んでも意味がなくなる。


歴代の社長が、節目で在庫を引き揚げて特別損失を計上し、経営に大きな打撃を与えてきた。私にとっても、前回の社長時代に解決できなかった課題のひとつだ。今回は単なる在庫の回収ではなく、二度と在庫をためないための仕組みを作る。次の世代に「負の遺産」を残さないための取り組みで、再販制度が廃止されて以来の歴史的な転換点と位置づけている。


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