前川洋一郎の名言 一覧

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前川洋一郎のプロフィール

前川洋一郎、まえかわ・よういちろう。日本の経営学者。大阪出身。神戸大学経営学部卒業後、松下電器産業(のちのパナソニック)に入社。経営企画室長、eネット事業本部長、IT教育研究所長、取締役などを経て退社し、高知工科大学大学院基盤工学専攻修了。博士号取得。その後、高知工科大学大学院 起業家コース教授、松下電器産業終身客員、関西外国語大学 国際言語学部教授、大阪商業大学大学院特別教授、流通大学講師などを務めた。

創業の成功失敗は創業者だけの問題だ。承継の成功失敗は先代、後継、いやまわりのすべてに影響がある。承継の失敗は戦略でもカバーしきれない。命運を決めるといっても過言ではない。承継が成功してこそ、老舗の道を歩むことができるのである。


承継は早すぎても遅すぎてもだめである。熟柿が落ちる、ひよこが卵から出てくるようにしなければならない。第一は内外の利害関係者の納得であり、家族親戚への目配りである。私心を排し、公心で考えぬいた「理由」がなければならない。第二は先代の心身の健康と余力のあるうち、そして後継者の成長状況、なかでも後継者の決意が煮詰まっているかである。第三は相続対策である。ぬかりなく早目に手を打っておくべきである。この三つがそろった段階がベストタイミングである。


企業の不老長寿には承継が最大の戦略と言われる。また「守成は創業より難し」といわれるほどに承継が大事であり、承継は駅伝競走の始まりである。


適材を育て適機に承継しないと、繁盛すればするほどあとの舵取りが難しくなる。


ある老舗トップが、「私たちは好きで老舗経営にしがみついているのではないです。しかし駅伝経営の走者となった運命から逃れることはできません」と述懐していた。しかも老舗の駅伝競走は10区間10人で終わらない、永続すればするほど続く、ゴールのない駅伝で、競走が終わるのは閉店、廃業の時である。だから当事者である老舗トップのストレスは観客(顧客)や周辺の関係者(ステークホルダー)には想像だにできないものである。


特に大切なのは、人としての倫理、そして企業としての理念の双方が、会社の隅々まで一人ひとりの心の中に染み込んでいることだ。そうなれば、社員の品性・知性・感性が磨かれ、人格も人相もよくなってくるばかりでなく、企業の社格と社相、すなわち企業価値も向上する。


企業は「売上利益」か「社会貢献」かの二者択一を迫られると、ホンネは前者が優先で、後者はタテマエにすぎない場合が多いだろう。しかし企業は、人々の生活を豊かにすることが目的であるなどの社会的使命があれば、本業を通じて社会貢献をしていることにもなりうる。公の心を大きく持って企業経営に臨めば、ホンネとタテマエの二者択一は解消されるのだ。


企業の不祥事例を見てもよく分かるように、ワンマン、カリスマ型はもはや危険すぎる。ボトムァップ、おみこし型はスピードに欠けるし、見逃し三振の責をとらない無責任がはびこる。これらの現象は、いずれも社内の声、社外の眼、トップの頭の3つのパワーバランスが崩れているのだ。


会社はこの世に生まれたからには、経営者が交代しても永続することが何よりも大切である。そのために経営者は交代時期を想定し、候補者をしぼり、育成していく。ただ、経営者一人ではなかなか交代がスムーズにいかないことがある。そのとき、周囲の環境をつくり、後継者をサポートして、交代を進めさせる役回り、つなぎ役、演出家の役回りの黒子役が必要となる。家庭では、母親か奥さんがこの役回りを内助の功として務めている。企業では「番頭」がその役である。


経営規模が大きくなると、創業者一人では経営ができなくなる。また、業種の多様化、販路の拡大、技術の高度化、経理・人事の職種の分化に対応して、二人目の経営者が必要となってくる。企業経営のリスク、ピンチに対して、「ダメなものはダメ」と忠告する「やかまし屋」「嫌われ者」が必要となる。さらに会社の血液でもある資金について、断固として資金繰りを守る「金庫番」がいるかいないかで、会社の安全度は変わる。


企業の事件はあらゆる利害関係者、すなわち創業家、役員、組合、OB、取引先、仕入先、顧客、業界、官公庁、マスコミ、地域社会などから「お灸」を据えられ、「お小言」を呈され、正しい方向へとナビゲートされていくのである。


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