出口汪の名言 一覧

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出口汪のプロフィール

出口汪、でぐち・ひろし。日本の教育者、作家。東京出身。関西学院大学文学部博士課程修了後、代々木ゼミナール、旺文社のラジオ講座などで大学受験現代文を教え、爆発的な人気を博しカリスマ講師となった。主な著書に『出口汪の新日本語トレーニング』『現代文レベル別問題集』『出口汪のシステム現代文』シリーズ、『「論理力」短期集中講座』ほか。

他者とコミュニケーションを取るときにまず意識しておきたいのは、「人は簡単にはわかり合えない」ということ。「親の心子知らず」という言葉があるように、親子のあいだですら、互いの感情を理解するのは難しいもの。まして仕事上のつき合いしかない人と、簡単にわかり合えるはずがないのです。


論理力と記憶とは、クルマの両輪の関係でもあります。論理力が身につくことによって、記憶がしやすくなる。また、記憶によって知識が増えることで、論理力がいっそう高まってくるのです。


記憶を定着させる5つのステップ

  1. 知識の全体像をつかんで、その核となることをしっかりと理解する。
  2. 核の周辺の知識も理解できるようになる。完全に覚えようとせず、「自力では思い出せないけれども、目にすると『あ、知っている!』とわかる」くらいのレベルを目標とする。
  3. 反復学習をすることで、「自力で思い出せる」レベルに持っていく。
  4. ときどき覚えているかどうかをチェックし、「前に覚えたことがあるぞ」のレベルに落ちていれば、再び反復学習をして、「自力で思い出せる」レベルに戻す。
  5. 知識は使わなければ意味がない。日々の仕事の中で覚えたことを活用し、記憶を血肉化していく。

論理力を鍛える一番効果的な方法は、他人に教えることです。ある知識を他人に教えようとすれば、その知識を深く理解し、相手にわかるように説明しなければなりません。ここで論理力を使います。ですから、他人に何度も教えていれば、論理力が鍛えられてくるのです。とはいえ、他人に教える機会がいつもあるとはかぎりません。そこで、「自分に教える」ことが、論理力を鍛えるのに有効です。自分に教えるというのは、新しい知識を得たときに、それを、自分にわかりやすいように、自分の言葉でノートなどに書き直す、ということです。


以前、ある役者の方とお話をする機会がありました。その方はセリフを覚えるのに苦労されているということでした。どのように覚えているのか聞くと、とにかく丸暗記しようとしているとのこと。そこで、まずは脚本を理解し、それぞれの場面の状況や、登場人物の考えていることや心情を理解するようにアドバイスをしました。そうすれば、セリフに対する理解が深まって、覚えやすくなるからです。


脳の中に入った情報は、まずは海馬に伝わります。次に、前頭葉が海馬に一時保存された情報の中から、長期保存するべきものを判断します。そして、長期保存するべきだと判断された情報は、側頭葉に記憶されます。無意味なことをすぐに忘れてしまうのは、前頭葉が「長期保存しなくても良い」と判断してしまうからです。では、側頭葉に記憶して忘れにくくするためには、どうすれば良いのか。それには「理解すること」が必要です。理解していないことは覚えられないのです。


脳にとって、忘れることは合理的です。忘れることができないと、目に入ったものをすべて覚えてしまい、頭がパンクしてしまいます。ですから、「覚えたはずなのに思い出せない」と悩むのではなく、「覚えたことは忘れるものだ」ということを前提として捉えるべきです。そして、忘れてはいけないことは、何度も反復して覚えるようにすることが欠かせないのです。


私は数多くの受験生を指導してきました。その中で、努力しているのに報われていない受験生を見ることも少なくありませんでした。一生懸命記憶しようとしているのですが、試験の成績が伸びないのです。そういう受験生は頭が悪いのかというと、そういう訳ではありません。記憶の仕方が非科学的だから、覚えられないだけなのです。私自身の経験から、そう確信しています。


文章の内容をきちんと理解できない人は往々にして、文章を読みながら、同時に自分(主観)と対話しようとします。だから著者の意図も理解できなければ、自分の思考もまとまらないのです。


仕事において、情報処理能力は確かに重要ですが、それだけでやっていけるのはせいぜい課長まで。より上を目指すなら、洞察力や先を予測する力、人間的魅力が求められます。そのためには、世のなかや人生などについて深く考えさせる骨のある文章を読み、地頭を鍛えることが一番だと私は思っています。


理解しやすい文章は情報を取り入れるのには有効ですが、物事を深く考えたり、体系的に捉えたり、新しいものを創造したりする能力は、むしろ深く考えさせるような文章を読むことでこそ鍛えられます。「読みやすい」文章ばかりを読んでいると思考力が退化してしまうのではないかと、私は危惧しています。


思考とは「言葉の使い方」だと私は考えています。つまり、その人の地頭力は、普段からどのような言葉を使っているか、どのような文章を読んでいるかで決まるということです。


話にひと区切りついたら、必ずその時点でまとめや整理の時間を設けることも大事です。話し手は論理的にわかりやすく話したつもりでも、実は聞き手は理解できず、置いてけぼりになっていることはよくあります。話のところどころにまとめや整理の時間を設け、どうも理解できていないようであれば、さらに噛み砕いて説明をする必要があります。まさに、聞き手を迷わせない「他者意識」が論理的な話し方のポイントなのです。


文章においては、最後に結論を持ってくるという「起承転結」型の論理構成でも問題はありません。ただ、話した言葉は文章と違い、すぐに消えてしまいます。最後に結論を言われたとき、聞き手が途中の話を思い返して、その結論との整合性を検証するというのは、なかなか困難なことです。だからこそ口頭でコミュニケーションを取るときには、結論ファーストの論理構成を心がけましょう。


話題、結論を最初にはっきりと示した上で、その理由を話す。すると聞き手は、話し手が何のテーマにどんな意見を持っていて、その根拠は何なのかをすんなりと受け止めることができます。逆に本題に入るまでの前振りが長いと、聞き手は「この人は何の話がしたいのだろう」と戸惑い、次第に集中力を失ってしまいます。


論理的な話し方のポイントはいくつもありますが、まず意識すべきは「最初に要点を明確にすること」です。その際に重要なのが、「話題ファースト、結論ファースト」の意識です。


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