出井伸之の名言 一覧

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出井伸之のプロフィール

出井伸之、いでい・のぶゆき。ソニーのCEOを務めた経営者。早稲田大学第一経済学部卒業後、ソニー入社。外国部、スイスのジュネーブ大学への留学を経て、ソニーの欧州駐在員として活動。その後、ソニーの社長を経て、会長兼CEO。会長辞任後はコンサルティング会社クオンタムリープを設立し代表取締役として活動している。他、日本銀行参与、日本経済団体連合会副会長、GM、ネスレ、百度などの社外取締役なども務めた経営者

リーダーとはその立場に応じた発言ができるかどうかが問われる。


長期的な目標を達成するためにも、短期的な課題をクリアすることが極めて重要。


不本意だった仕事もやっていれば面白くなるし、思わぬ収穫もある。楽しんでいれば、必ず得るものがある。


皆がやりたがることは、希望してもなかなかできません。一方、敬遠されることは挑戦させてもらいやすく、大きなチャンスをつかめる。


企業とは、価値を創造するもの。


人間は興味を失ってしまったら終わってしまいます。やはり人生において、プランBを常に考え、持つべきでしょう。


人は組織からの卒業や引退はありえても、自分自身から引退するということはできない。


会社の場合、変革は辺境から起きるんです。ソニー・コンピューターエンタテインメント(SCE)とかソネットなど中心でなかった組織がどんどん成長し、それを中心的な組織がフォローする格好でずっと来ました。


組織は変えられません。それを変えさせるには、すぐ近くに競合的な組織をつくってやるのが一番です。


自分の一生だから、自分で運転して責任をとる気持ちが大事です。自分はこれをやって本当によかったと思って次のステップに進むのと、会社は自分に何もしてくれなかったと後ろ向きの気持ちでいるのとは大違いです。


ビジネスの答えはひとつとは限らないのに、日本全国で同じ答えを求めて学力テストをやっている。これは気持ちが悪いし、そんな人生はつまらない。


組織というのは、ある目的を達成するのに最善の仕組みとして出来上がっているのです。だから目的をすり替えてしまうと上手く機能しません。イチローだって、ヒットを打つことに特化しているからすごいのであって、時代が変わったから泳いでみろ、と言ったって泳げないですよね。


これまでの日本の教育はメモリー重視です。本を読んで目に入った内容を頭に記憶し、手で再現する。単純な記憶型です。入ったものを加工し、違う形でアウトプットする回路が欠落しています。


過去の栄華にしがみついていると、高視に立って相手を見下したり、けなしたりしたがるものです。そうではなく、相手の良さを理解しながらも、これはちょっと危ないなと思えば指摘すればいいのです。若い人たちがどんどん活躍し、海外の企業と良い関係が築ける会社がもっと増えて欲しいというのが私の希望であり、目下の課題です。


これからの事業は、構想段階からグローバル化を念頭に置かないと大きな発展は期待できません。国内には1億2500万人しかいないのですから、少なくともアジアにまで広げることを事業のベースとして考えるべきです。


日本は小さなカテゴリーの中でのシェア争いが好きだが、そろそろ一段上のステージに進まないと他国にどんどん追い抜かれることになります。


ユーザーが欲しがるソリューションを提供することがプロダクトなのです。そのモノを使うときの利便性や喜びが先にあり、その実現に向けて技術を広げていく、あるいは不足する技術を獲得するのです。素晴らしい製品をつくるのが目的ではなく、素晴らしい経験の入り口を提供するのが目的なのです。


いくらいい製品をつくっても、外国企業の規格に合わせてつくるのでは下請け業者と変わりません。自分たちで規格をつくり、覇権を握ろうとする姿勢がいまの日本のメーカーにはありません。


日本の得意技でもあった「ものづくり」が、いま通用しなくなっています。ものづくりという呼び方自体が、私には時代に合っていないように思えます。ネット時代に入ってから、メーカーは製品をつくるだけでは利益に結びつかなくなりました。ネットの世界とつながって初めて、製品は価値が認められるのです。かつてのものづくりと、ネットの技術の連携が求められているのです。


日本のいいところは、競争しながらも相手から学ぼうとする姿勢を忘れないところだと思います。競争にはルールが常に存在しています。どこかと戦略的に提携しようというのは強さを補完する意味を持たないことも多い。強ければ競争すればいいんです。


イギリスが英連邦で一番栄えた時期に、東インド会社は若い人を世界中に派遣して商売をやらせました。これが最高のマネジメントスクールだと私は思います。うちの30代の社員も、アルゼンチンで社長をしたり、ロシアで一生懸命やって返ってくると見違えるほどたくましくなる。


新しいことをやれば、ある程度の矛盾は避けられません。ですからあまり秩序的に考えすぎず、矛盾や混乱はむしろ喜ぶべきなのです。


経営者が自分の後継者はいないと傲慢に言い出したら終わりです。いま私が直面している、大変だなと思うことを分析して、それを次の人がやさしくできるような仕組み作りをしたいと思っています。


いまの問題点をわかりやすくビジュアル化して、社員の頭の中に焼きこむことは、経営者の重要な仕事だと思います。私の経営哲学は和です。なんて言ってもわかりません。社長としてのこの三年間、難しいことをいかに簡単に説明するかということを心掛けてきました。


それぞれの業界にはルールがあって、そのルールを理解したうえで弱点を見つけてブレイクするようなことをすれば勝つことができる。ソニーが任天堂のモデルに競り勝ったプレイステーションが、今度はセガの新しいモデルから技術面でもビジネスモデルとしてもチャレンジを受けます。ビジネスはこの繰り返しです。


私は、事業部長時代によく叩かれました。何をしても、何もしなくても言われる。どうせ言われるなら、自分の信念通りやったほうがいい。


私は経営をアメリカ型と日本型に簡単に分けられるものではないと思います。ソニーの場合、株主の45%は外国人。つまり45%の株主はアメリカ式の投資と同じ感覚でリターンを厳しく追及してきます。それに対し日本の株主の場合、銀行などの安定株主は、必ずしもリターンを厳しく追及してきません。これら二種類の株主の株主を同時に満足させる必要があるのです。アメリカ的経営と日本の企業としての在り方のふたつを共存させないといけない。


ソニーは過去の成功体験があまりにも強い会社です。こういう時期に成功体験に溺れていたら、この会社は間違いなく危ない。ソニーは新しい成功体験を作り出さないといけないときなのです。


私は社長としての功績についてあまり考えないことにしています。社長というのは具体的に何もやらない。判断したり、会社の方向性とか空気を変えるということが仕事なんです。会社というのはひとつのことをやろうと思ったら組織で大勢の人が動くでしょう。うまくいったときは、みんなでよかったよかったと言って、心の中で俺がやったんだと思っていればいいんです。


ルールブレイカーというのは、アウトローという意味ではありません。古いルールを壊して、新しいルールをつくり上げるのが本当のルールブレイカーです。これはきちんと見分けないといけません。


社長業というのはコミュニケーション業だと考えています。私の考えはこうですと突然言っても、普段から付き合いがなければ、驚くだけで受け入れにくいものでしょう。そのためにも日頃から社長はどういう人間か、どういう考えを持っているかということをみんなに示しておこうと心がけています。


社員が提言をしてくれないとがっかりですね。例えば会議をやっていまして、絶対自分はこのプロジェクトはまとまらないと思うのに、会社がやっているからしょうがないと黙って社員が聞いているとしたら、それはやっぱり企業としては非常に危険です。見えない部分でまずいなというところがあったら、それをこうしたらいいんじゃないかと体を張ることです。


Eメールというのは下手をすると直訴状合戦になってしまうのではないかと心配する声もありますが、それほど社員のインテリジェンスは低くありません。上司の悪口など一切なし、会社の改善点をはじめ、建設的なことを書いてきてくれています。
【覚書き:全社員から社長への直通メールアドレスを作ったことについて】


私は、松下と日本のマーケットで厳しい競争を繰り広げていることこそが、ソニーの強さの源泉だと思うんです。ソニーと松下は競争すればするほど、お互いに強くなります。


井深(大)さんをはじめとしてファウンダー(創業者)は会社の精神的支柱です。会社が生まれてきた素、DNAみたいなものですから、その精神に敬意を表さないと、会社がおかしくなってしまうと思います。


海外に一人で行かされると、禅問答をしないといけません。私も駐在中は本社の方針が伝わらないまま、たぶん本社の方針はこうだろうと自分で立てた仮説をもとに仕事を進めていました。何をすべきか、ソニーがどこを向いているのかを自分で考えざるを得なかったのです。
【覚書き:ソニー欧州駐在員時代について語った言葉】


企業には競争戦略と成長戦略の二つの戦略があります。競争戦略というのは、松下やフィリップスに対してどういう競争をしていくかを考えることです。成長戦略というのは、ソニー・グループ全体を運営しながら、会社全体としてこっちへ行くべきではないかというような将来の基本的な方向性を考えることです。


いま自分のやっている仕事が、どういう時期にあるのか意識しておくことが大切です。一日に例えれば午前のビジネスでまだ準備段階なのか、あるいは夕暮れに差し掛かって儲けている時期なのかということを見極めておくことです。もし日が沈みそうであれば、すぐに次にやるべきことを用意して、再度太陽が昇るようにしないといけません。


私は企業にとって後発参入というものはないと思います。後発でも構わず入っておけば、10年もしたら後発だなんて誰も思いません。トップになることも可能です。


事業部長として仕事をこなしながら、会社全体としてどうしたらいいか常に考えていました。それを一年に一回ぐらい、レポートにまとめるようにしていました。重要な判断をする場合は、かなり深く考えることが必要になります。そして、自分の考えというのは、まとめようと思わないとまとまらないものです。
【覚書き:事業部長時代を振り返っての発言】


変化を歓迎しない会社全体を変えていくわけですから、社長の意見は社内ではマイノリティたらざるを得ない。社長に就任した三年前から、これだけの大きな会社に変化の必要性を浸透させ、方向性を示し、実際にそれに向かって舵を切りだすことに努力してきました。


私個人としては、やはり事業部長がいちばんやりがいがあって楽しかったですね。社長になると全体の責任を持たないといけないし、会社全体のムードを良くすることを考えなくてはいけませんから。


メール一つ一つの情報は頭に入れておきますが、すぐに電話を取ってアクションを取ることは一切しません。それをやりだすと何に力を入れて経営しているのかわからなくなるし、中間管理職が疑心暗鬼になってしまいます。
【覚書き:全社員から直接、意見メールを受け付けるときの注意点を語った言葉】


マイナスの情報というのはどの会社でも入りにくいです。ですからマイナスの情報というか、第一情報(現場当事者からの直接の情報)がどういうふうに入るかというのは、会社としての健全性を表しているものと言えるのではないでしょうか。


サラリーマンをやりながら、一生ハッピーに過ごすということはありえないでしょう。サラリーマンというのはすぐ上の上司との関係が難しい。ずっと上の人とは別に問題はないんです。すぐ上とぶつかるわけで、どうしても批判してしまいがちです。会社にはルールメーカーとルールブレイカーがいますが、直属の上司というのは、ルール通りにやっていれば安心していますが、部下がルールブレイカーだと心配します。


私が社長になった時、ある方から「社員食堂でご飯を食べない方がいいぞ」と言われたことがあります。私はサラリーマンとして下から上を見ていた経験が長いから、所詮トップと距離があることはわかっています。それなら一歩でも社員の方に近づく方がいいのではないかと考えているのです。


マネージメント(経営)にも様々なスタイルがありますが、私はオープンに自分の考えを打ち出して、みんなに共有してもらいたいと考えています。


ソニーでも足し算の文化のごとく、オーディオ・ビジュアル・ビジネスの上にITビジネスを乗せてしまおうというわけです。この両業種を合わせて、いままさにはじまったデジタルの爆発的な成長に貢献していけるようなモノづくりをしていこうということです。


日本という国は足し算の文化だと思うのです。アメリカの文化は、Aがあって次にBに変わったら、Aはなくなってしまう。でも、日本の文化は違います。AプラスBという形で変わっていくことができるのです。AからBになっても、Aはなくならない。それが足し算の文化なんです。


二年前から私は、複雑系の経営ということを言っています。グループの企業価値の全体和は、その部分となっている事業ユニットの足し算よりも絶対に大きくなければいけない。この複雑系の経営は、ボーダーレス時代にふさわしいと考え、会社の部門を独立させる社内カンパニー制を強化しました。各事業ユニットであるカンパニーは執行役員に任せ、本社の十人の取締役会がグループ全体の経営の基本方針を決める形にしました。これは事業ユニットを切り離してソニー全体の価値を上げていく持ち株会社的な分散型モデルの第一歩です。


私のビジョンとしては、まずカンパニー制でAV・エレクトロニクスの経営を適切に進めていく。その上で、グローバルなネットワーク環境に備え、各カンパニーがより独立してビジネスが進められるように、適切な本社を備えた分散型の体制を整えておくということです。競争を優位に進めていくための準備を進めています。


私自身はすぐに組織に限界を感じて働きたくなってしまう性分で、これまでも三年に一回は動くという主義でやってきました。三年過ぎたらポジションをかわる、それを三回やったら次は全く違うところへ行くという具合に、どんどん動いてきましたね。


私のサラリーマン生活は、3・3の法則で動いてきたと思います。サラリーマンにとっては、いろいろなポジションに動いていくということは非常に大事なことです。絶対にやらなければいけません。同じところに長くいたら、幅の狭い人間になってしまいます。変わることによってこそ、サラリーマンは磨かれるのです。【覚書き:出井氏はサラリーマン時代に3年ごとにセクションを移動していた】


リーダーシップで最も重要なことは、危機感を共有し、迅速に対応できるかどうかに尽きる。目の前の危機をクリアすることで、社員の達成感が醸成され、次に進むエネルギーへとつながっていくのだ。


日本の経営者には、リスクをとって挑戦するより、無難に経営をこなし、死ぬまで会社の鎧を脱がない人が多い。「第二の人生」では、もっと自由になってほしい。そうすればアイデアも生まれるはずだ。


私は日本企業の改革について、「企業を二つに分け、既存の事業を行う組織と新しいことに注力する組織につくり替えよ」と公言している。第一で従来型の経営を続け、第二では創造的な取り組みをする。旧体制をつくり替えるのは難しいが、新たに「第二」を走らせることで、新しい芽を育てていく。


ユーザーの立場に近いものほど、イノベーションを起こす可能性が大きい。したがって大企業からではなく、小さな企業からイノベーションが生まれるチャンスが広がっている。


イノベーションとは、単なるハードに限らない。また特にITにおいては、メーカーだけではなく、ユーザーの視点から生み出されることも多い。たとえばGoogleを創業したラリー・ぺイジとセルゲイ・ブリンは、ユーザーの視点からイノベーションを起こした。日本ではNHN Japanの森川亮社長が「LINE」というイノベーションを起こしている。すでにある技術を組み合わせることで、社会的に必要性のあるものを生み出すこと。それがいまのイノベーションである。


「なぜ日本のメーカーはiPhoneを生み出せなかったのか」とよく言われる。日本では通信事業者(キャリア)が政府によって保護され、市場を寡占してきたため、メーカーに対して圧倒的に優位な立場にある。発注者が限られていれば、受注者は言いなりにならざるをえない。発売時期や新機能、細かい仕様に至るまでキャリアから指示を受けるメーカーに対して、「独創的であれ」というのは酷な話だ。


日本になぜ、スティーブ・ジョブズのような天才が生まれないか。彼ら天才と崇められる人物は時代の変革の時期に生まれる。過去、日本にはジョブズをはるかに上回る経営者が何人もいたと思う。「次のジョブズ」を期待する気持ちはわかるが、「次の変革期」について考えずに、彼目身を研究しても意味がない。


常に楽観的でハイなんて、生存本能から考えてもあり得ない。気を抜くと、誰でもネガティブな考えが頭に浮かび、言葉に出てしまうものです。気をつけすぎるくらいでちょうどいいと思います。


フランスに駐在していたとき、フランス人の友人から言われました。「君はなんでそんなにネガティブな言い方ばかりするんだ。人と会話するときは、すべてポジティブに言ったほうがいい。君みたいにネガティブだと嫌われるぞ」と。そう言われて、ハッとしました。以来、何を言うにしても、できるだけポジティブな言い方をするよう心がけています。


知ったかぶりをすることほど危険なことはない。とくにエンジニアのように専門的な知識を持った人の前で知ったかぶりをすれば、すぐに見破られて、相手にしてもらえなくなります。それよりも、「知らない」と勇気を持って言えるほうが信用されるし、助けてもらえます。


主力事業がいつまでも主力であり続けられないように、お荷物とされていた事業が次の主力になることもある。今のように変化のスピードが速い時代はなおさらです。そう考えると、不振部門に行くことは決してマイナスではない。


事業部長として不振だったオーディオ事業を再生したあと、コンピュータ事業本部でMSXというコンピュータのハードを開発しました。そして、レーザーディスク事業では、後発メーカーとして業界トップの企業を追いかけました。このように多様な経験を積んだことが、すべて、社長になってからの経営判断に役立ちました。


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