内田恒二の名言 一覧

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内田恒二のプロフィール

内田恒二、うちだ・つねじ。日本の経営者。キヤノン社長。大分出身。京都大学工学部精密工学科卒業後、キヤノンカメラ(のちのキヤノン)に入社。カメラ事業部カメラ開発センター所長、宇都宮工場長、取締役、カメラ事業本部長、デジタルフォト事業推進担当、イメージコミュニケーション事業本部長、常務、専務、副社長などを経て社長に就任。

どんな仕事をするときでも、理屈をはっきりさせデータの裏付けを取る。


製品開発にかかわる機密文書や、取引先との議事録をきちんと保管しておくのは、いろはのい。


企業の強さは個人戦ではなく、一人一人が知恵と力を合わせる合知合力の団体戦で発揮されます。ひとりで仕事を抱え込んで残業をするのは有能な証拠でも何でもなく、逆に組織の力を弱めていると自覚すべきです。


OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)で一度に教えられるのは2人くらいでしょう。しかし、その2人がまた2人ずつ教えていけば、暗黙知的なものも含め、ネズミ算的に広がっていきます。いい意味での知のネズミ講ができれば、組織全体の力はグンとアップします。


個人として仕事を抱え込まずに済むようにするには、人に教えて任せることです。私自身、仕事を抱え込むのは好きではありません。部下にすべてを教え込み、結果を見てここまでできれば十分だと思ったら任せ、責任は自分で取るやり方を続けてきました。その方が仕事は速くなります。


仕事のスケジューリングについても、ワイワイガヤガヤコミュニケーションする場でアウトプットのイメージを縦横に共有しながら、誰がいつ何をどのように行うか、偏りのない仕事の割り振りをして考えます。そして、進捗過程でも常に課題の見える化とコミュニケーションを図っていく。互いに状況を把握していれば、どこかで仕事の滞りが生じても支援し合い、自主的に調整できるようになります。


見える化は絵などのイメージを使うと直感的に課題を把握でき、記憶に残りやすく効果的です。たとえば、職場の問題点を家事に例えて絵を描いてみる。管理職とスタッフでは火事の原因や燃え方などまったく違った絵になって、そのギャップから問題点が浮かび上がったりします。


職場が何か問題点を抱えていたら、仕事にかかわる人たちが横断的に集まり、ワイワイガヤガヤと自由かつ双方向に意見を言い合える場をつくります。そして、問題点についてできるだけ見えるかして議論します。


仕事の負荷が偏るのは、チームで仕事を分担し、誰がいつまでに何をするかというスケジューリングが上手くできていないからです。これを改めるにはどうすればいいのか。必要なのは問題の見える化とコミュニケーションです。


なぜ、残業が日常化するのでしょうか。多くの場合、問題を解決してもすぐ別の問題が起きてモグラ叩き的に仕事に追われるからでしょう。キヤノンでは開発部門が多く、横の連携が取れないと仕事はスムーズに進みません。カメラの開発にしてもメカ、画像、電気、レンズなどの各担当に横串を通してプロジェクトを組み、さらに生産技術、製造などの連携の輪が広がっていきます。誰かに仕事の負荷が偏り、解決すべき課題が滞ると、関連部門の仕事も滞ります。それが連鎖的に起きると、みんながモグラ叩きに追われ、火消しに走り回らなければならなくなってしまうのです。


キヤノンでは昨年1月から残業を事前申告制に切り替えました。上司が内容を確認し、必要性を判断する仕組みを導入することで、残業を当たり前のように行うマンネリ意識を払拭するためです。


読書から何かを得られるかどうかは、読み方次第です。ミリタリーものに仏教系にと脈絡はなくても、日ごろから問題意識を持っていると、これはと思う大切なことが自然とひっかかってきます。どんなに多くの本を読んでも、問題意識がなければ何も残りません。


いざ作戦が開始されてから計画性の高い行動をとろうとしても、簡単ではなく、どこかでミスが生じてしまいます。日常からの積み重ねにより、身体知や経験知として刷り込んでおいて初めて本番で本領を発揮できます。


ずっと技術畑を歩いてきた私から見ると、文系出身者は読書も経営書に偏りがちなのに対し、理系出身者の方が読む本のジャンルが意外と広いように感じます。理系は専門分野が特定される分、逆に読書は自由に楽しもうとするのかもしれません。私は読む本のジャンルは問いません。新聞の書評などで「面白そうだ」と思ったら買ってきて、部屋の各所に積んでおき、何冊か並行して読んでいきます。いわば、何でもありの雑読派ですが、読書から得るものは結構あります。


人間は改まって考える時間を取ってもなかなか思いつかない。だがふせん紙を使ってふと思いつくアイデアやこれは使えそうだと思う情報をメモする方法を使えば、分散的な思考の瞬間瞬間を可視化し、消滅させずに集約できる。


ふと思いつくアイデアやこれは使えそうだと思う情報を75ミリの正方形のふせん紙にメモする。たとえば、来週幹部会の予定があれば、話すネタとしてふと浮かんだことがらを手書きし、資料に次々と貼っていく。当日はその順番を並べ替えながら話の組み立てを考える。このメモ活用術は、瞬間瞬間に浮かんだアイデアや考えの見える化だ。


成長途上のベンチャー企業などではトップ自ら遅くまで仕事をする姿が見られるが、私の場合、報告や決裁などは就業時間内に収まるよう求めている。もちろん長い時間を要する仕事もある。かける時間とかけない時間のけじめが大切で、これはトップが率先してやるべきだ。


私は午前7時半過ぎには出社し、午後5時の退社時間には帰宅することにしている。だが現実には週の半分はズレ込む。時間を取ってくれと駆け込んでくる部下がいるからだ。その多くは本来、判断すべきときに判断し、行うべきタイミングで行っていれば、私の通常スケジュール内でできた案件だ。時間管理が甘く、先延ばしのしわ寄せが来て、トップは時間に追われ、本人も時間をロスする。決して好ましい状態ではない。


いわゆる頭のいい人はいろいろ考え、なかなか決断しない。時間をロスする。


目的と判断基準は立場、立場で異なる。開発部門なら2割くらいの可能性でも決断しないと差別性は出せないし、川上の研究部門では1%でも可能性が見えれば挑戦すべきだろう。トップとなると専門部門の役員との意見調整もしなければならないが、最終的には不透明なリスクを自分の責任範囲でどこまで抱え込むかだ。


瞬間に判断するには明確な目的志向と判断基準が必要であり、私の場合、ラインを止めないことを最大目的に100%の確証はなくとも自分の責任範囲内で「6分正しい」と思ったら決断する。生産現場ではそのくらいの基準で判断して間違いなく回った。その権限を与えられていた。
【覚書き|福島の一眼レフ工場の課長時代を振り返っての発言】


役員はそれぞれ多忙であり、朝会(朝一時間の役員の集まり)がなければ、相手の空いている時間を探すのに手間がかかる。その時間が積もり積もれば膨大な時間のロスになり、決定がどんどん遅れる。


毎朝8時から役員が集まり、特にテーマは設けず一時間ほど話を交わす朝会と呼ばれる独特のミーティングがキヤノンにはある。一見非合理に見えるが、むしろ逆で無駄をなくすという大きな意味を持っている。瞬間に行う決断、思考、行動などがもし行われないと、そのあとに続く時間が止まり、あるいは遅れ、その連鎖によって大きなロスに結びついてしまうような無駄。朝会はトップの経営意思が共有されこれらの無駄をなくす。会いたい他の役員に会い、伝えたいことを伝え、確認したいことを確認できる。


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