佐藤尚之の名言 一覧

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佐藤尚之のプロフィール

佐藤尚之、さとう・なおゆき。日本のクリエイティブディレクター、作家。東京出身。広告会社勤務、CMプランナー、ウェブ・プランナーなどを経て現在はコミュニケーション・デザインを専門にしている。そのほか「さとなお」名義で食べ歩き系、旅行記の著作を多数執筆している。主な著書に『明日の広告』『明日のコミュニケーション「関与する生活者」に愛される方法』『人生ピロピロ』『沖縄上手な旅ごはん』『胃袋で感じた沖縄』『うまひゃひゃさぬきうどん』

この際、「消費者=ターゲット」という意識も捨ててしまいましょう。消費者は自分が企画した商品を大きく育ててくれる大切なパートナーなのです。これまでブランドは「商品イメージ」「企業イメージ」という言葉に近かった。しかし、ネット出現後のブランドは「消費者の中に長く維持される愛」に変わったと思います。相思相愛になった消費者の意見を取り入れながら、商品の改良などを行うことで、より長きにわたる愛(ブランド)を育んでいくことができます。


変化した消費者と深くコミュニケーションを取ながら商品の企画・開発を行い、さらに広告、販売、流通、営業まで、すべてに一貫した消費者とのコミュニケーション設計を取り入れていくようにしたいものです。実際に意識の高い企業ではすでにその取り組みが始まっています。


本当に好きなものであるほど、現在の消費者は周囲の親しい人たちに教えたがります。そして、クチコミにせよ、ブログにせよ、信頼している人からの情報であれば、「私も使ってみようか」と素直に受け入れてもらえます。そんな連鎖が、ヒット商品としてブレイクさせていくのです。


心の底から好きな女性がいたら、好きになってもらえるよう努力するだろう。それと同じで、消費者に好きになってもらうには、企画を考えている自分自身が消費者の好みを知ることが重要です。そうすれば、相手は元からこちらを注目してくれます。そして、商品のメッセージも喜んで受け入れ、実際に購入してくれるでしょう。


外に出て調査ができないというのなら、近くにいる同僚や部下に聞いてみたってかまいません。「あれどう思う」と一声かけることで、新しい切り口が見つかるはずです。一番まずいのは、「消費者なんてこんなもの」と知ったかぶりや思い込みをすることなのです。


調査の重要なポイントは、ワン・トゥー・ワン(一対一)で聞くことです。グループ調査だと、他人の意見を意識して本音を語らなくなります。フリーマガジンの「R25」が成功したのも、「日本経済新聞は取ってはいるが、内容がよくわからず、ほとんど読んでいない」「800字程度の記事なら読みたい」という若手ビジネスマンの本音を引き出せたからだと思います。


私は「聞きまくり調査」を行っています。若者向けの新車を企画するのでも、どんなことに関心を持っているのか彼らに聞いてみる。すると「車はデートの必需品ではない」「携帯電話の支払いで精一杯で車など買えない」など意外な答えが返ってくる。そうやって「これでもか」と思うくらい相手を観察していくと、予想外の「落としどころ」「切り口」が浮かんできます。


これまでは商品の企画というと、定量的、間接的なマーケティングデータから消費者のニーズをとらえようとしてきました。でも、その対象は「買わせたい人」の層でしかなく、自ずと限界があります。これからは企画の段階から消費者と直接コミュニケーションをとり、買いたい人の具体的な姿をとらえていくことが大切だと思います。


消費者が変化しても、多くの送り手は意識が変化していません。「いいモノをつくってさえいれば、必ず売れる」という10年以上も前の成功体験を捨てきれない人が、経営の中枢を握っているせいなのかもしれません。確かにいいモノをつくることは重要です。しかし、消費者が買いたいモノとは限らず、それでは疑り深くなっている消費者の心は開けません。


以前は文化、流行、消費などの情報は、新聞、テレビ、ラジオ、雑誌の4大マスメディアによってトップダウンの形で伝えられていました。ところが、いまではネット上で消費者同士が「ホントかな」「私はこう思うよ」などと批評し合い、情報がボトムアップされるようになりました。その結果、作り手がどんなにいいことを言っても、消費者は素直に信じなくなってしまいました。


高度成長の大量消費時代は「モノを買うこと=豊かな生活」で、モノは作れば飛ぶように売れました。「俺はこんな人間だよ」とアピールするだけで、その商品に魅力があれば、いとも簡単にモテました。しかし、低成長期へ転換した現在では「モノを買わないロハス的生活=豊かな生活」へと変化し、作り手は消費者からそっぽを向かれ始めたのです。


新しい商品やサービスを企画していくうえで大切なのは、消費者が様変わりしている点を理解して、作り手・送り手本位から、消費者・受けて本位へ発想を180度転換していくことです。そして、消費者好みの企画を立て、それを商品化し、消費者と相思相愛の関係を築いていく。企画を考えることは、ラブレターをどう書くのか、頭をひねることと相通じるところがあると思います。


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