佐渡島庸平の名言 一覧

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佐渡島庸平のプロフィール

佐渡島庸平、さどじま・ようへい。日本の作家エージェント、編集者。中学時代を南アフリカ共和国で過ごす。その後帰国し、灘高校を経て東京大学文学部に入学。卒業後、講談社に入社。『モーニング』誌の編集者として『バガボンド』『さくらん』『ドラゴン桜』『宇宙兄弟』などの作品に携わる。漫画だけではなく小説の編集も担当したのち独立。作家エージェント会社コルクを創業。

みんな天才というと、努力なしですごいものを創れる人だと思っているんですが、いきなり天才的なアイデアが出てくるわけじゃないんですよ。天才といわれる人は、思いついたアイデアを改善していく回数が誰よりも多い。締め切りが迫っている中でも、井上(雄彦)さんはギリギリまで粘って頑張る。そういう心の持ちようがプロとしてすごい。
【覚書き:漫画『バガボンド』の編集に携わった当時を振り返っての発言】


僕が独立してやりたいのは、天才たちとともに、「時代と国境を超えるような作品」をこの世に送り出すこと。だからダイエットや英語などその時々のブーム本といったものは、僕らの会社が目指すものから最も離れたところにあるんです。僕らは、10年後にも20年後にも、テーマになりうるものだけを追っていきます。


天才たちは、とにかく人を信頼する力が強く、肩書で人を判断しない。僕は、1年目のときから、三田紀房さんに対し「こんなふうに絵を描いてください」と次々にリクエストをしていったんです。でも、三田さんは嫌な顔ひとつせず、「おまえがそうやって努力しているなら、全部協力してあげる」と言って、100%支援する態度を取ってくれました。きっと自分がしっかりしているから、人を信頼できるんだと思います。


野球の選手も一番初めにどの球団に入って、どんな練習をするかがすごく大事じゃないですか。それと同じで、最初に井上雄彦さんと仕事をして、マンガを創るのにどれほど工夫と努力をしているのかがわかったのは、すごいメリットだったと思います。


僕にはやりたいことがたくさんあります。出版不況のなかで、才能ある新人たちが未来に希望を感じるしくみを作っていくこともそのひとつ。僕にはこうしたゴールしか見えていません。ですから、ゴールにたどり着く過程で、ときに土下座をするとしても、ときには強硬な態度をとって反感を買うことになったとしても、かまいません。ゴールを見据えれば、手段としての行動についてはこだわりやプライドがなくなります。


私は相手のことをよく知って、相手の価値観を尊重するのですが、自分を偽ることはしません。自分を抑えつけて仕事をしても楽しくないでしょう。楽しくない仕事だと、どうしても注ぎ込むエネルギー量が減ってしまって、良い結果が出なくなります。


結局、仕事は相性だと思います。なんでも話してしまう僕の姿勢を「生意気だ」と感じる人もいれば、「話が早くて仕事がしやすい」と感じる人もいます。それは人によってまったく違う。ですから、一回会っただけで終わってしまった作家もたくさんいますよ。僕のしゃべり方が気に入らなかったり、僕の調べてきたことが頓珍漢だったりすると会話が弾みません。すると2回目はないし、一緒に仕事をすることもありません。今、僕と仕事をしている人たちは、相性が良い人たちだということです。


実は、作家との関係はすごく築きやすいんです。というのも、作家がどういう人間かは、作品に書いてあるからです。漫画でも小説でも、作品には作家の価値観が描かれています。たとえば、主人公が誰かを信頼した場面があれば、「こういうふうにされると信頼する人なんだな」とわかります。どう接すればいいのか、答えが書いてあるのです。


言葉遣いでへりくだって、態度でへりくだって、座る場所でへりくだって……というのは大切なことではないと思います。会う前に相手に興味を持って、相手の価値観を読み解き、そのうえで話す。それが相手に伝わるマナーです。


よく「スパイは公開情報から重要な情報を得る」と言うように、ほとんどの情報はオープンになっているもの。たとえば企業のホームページには営業マンとして相手先の企業に対してどのように振る舞えばいいのか、企業理念や事業計画という形で答えが書いてあるのです。最近では、商談相手がフェイスブックなどで自分の情報を公開していることも多いでしょう。このように公開されている相手の情報をちゃんと調べ、活かすことが大切です。


ほとんどの編集者は、「私はこういう人間です。私と仕事をしませんか?」という態度で作家にアプローチしてしまいます。僕は、編集者には個性なんかいらない、徹底的に作家に合わせて、没個性に徹するべきだと思っています。そこまでやる編集者はあまりいないので、逆に、僕が個性的な編集者に見えてしまうところがあるのかもしれません。


僕は誰かをコントロールしようと思いません。もちろん、相手が期待どおりに動いてくれればいいな、と望みはしますが、それとコントロールしようとすることとは違います。


ビジネスでは、情報をコントロールしようとする人が多いですよね。クライアントに情報をすべて伝えないで判断させるとか。情報をコントロールすることによって、商談を自分の望んでいる結論に持っていこうとするわけです。僕は、情報のコントロールに労力を使うよりも、全部話したうえで相手と同じ結論になったほうが良いと考えています。そもそも、相手とコミュニケーションがよくとれていたら、お互いにとって良い判断をするはずだから、自ずと同じ結論になるはずでしょう。


作家であろうと、それ以外の人であろうと、人間同士としてつき合うという意味では同じです。心がけているのは、良いことがあったらすぐ連絡、悪いことがあったらすぐ連絡、というように情報を隠さないことです。


全員と相性が良いということはあり得ない以上、万人に通用するマナーもないと思いますね。だから、あえて気を遣いすぎないようにはしています。


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