伊東孝紳の名言 一覧

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伊東孝紳のプロフィール

伊東孝紳、いとう・たかのぶ。日本の経営者。本田技研工業(ホンダ)社長。静岡県出身。京都大学大学院工学研究科修了後、本田技研工業に入社。ホンダアールアンドディアメリカズ・インコーポレーテッド副社長、本社取締役、本田技術研究所専務・社長、本社モータースポーツ統括、生産本部鈴鹿製作所長、常務、四輪事業本部長、専務などを経て社長に就任。

やらなきゃいけないのはユーザーに分かりやすいブランドイメージを打ち出すこと。


ベーシックなところではお客様に喜びを提供したいという思いがある。この喜びは、普通のものを普通に出していたんじゃダメ。


長い目で見ると、各地域で喜ばれる活動をしないと永続性がない。


一気にシェアを上げようとするのではなく、一つひとつの商品力を高めて、収益性を高めるかということを地道にやるしかない。


トータルで600万台という目標数値に意味があるのではなくて、各々の地域がお客様に継続的に喜ばれる活動ができる地盤を作り上げることが大事。


「求められているから売れる」ではなく、商品そのものが社会に対する新しい提案でなければならない。


最初は敵ばかりで、栃木の四輪R&Dセンターに私は出入り禁止のようだった。しかし、とにかく話すしかない。「女王バチ理論」と呼んでいるのですが、肝心なのはまずキーマンを1人押さえること。研究開発の組織は縦社会で、女王バチが動けば働きバチも動く。だからキーマンを説得するところから始まる。何度も通いました。


社内に危機感を持たせるには、トップが危機についてあらゆる場で語るしか手はありません。ある程度製品が売れ、利益が出ていて、トップが何のメッセージも出さなければ、これでいいとほぼ全員が思うでしょう。


小型車や新興市場で出遅れてしまった理由は、米市場を中心に好調が続いて、横着をしてしまったからです。時代の先を読むこともチャレンジすることもしなかった。そのツケがたまっていたから、短い間に1歩、2歩、3歩先の革新をやる必要がありました。


我々の最優先事項はホンダブランドを強くすることに尽きます。横着して別ブランドを掲げる前に、少し薄れかけてきたホンダブランドを、若い人が飛びつくような魅力的なブランドに磨いていく必要があります。そこに集中しないと、うちの体力は持たない。


怖いのは、お客さんの興味の対象から外れることです。とくに新興国では国策として自動車産業を育成しており、地場メーカーの存在も大きくなっている。ちょっと手を抜いたら、あっという間に存在を脅かされることになります。


ホンダは目標台数必達のために何かする、というアプローチではなく、お客様に喜んでもらえる商品を極めれば、結果として台数がついてくるという考え方だった。それは今でも変わっていない。


既存の当り前のことが、当たり前でなくなっています。いま大切なのは、「顧客から見た当たり前」を実践することです。


顧客の潜在的欲求を先取りし、他社よりも早く新しい価値を提供し、夢と喜びを叶える。一連の改革は世界の構造が変化する中で、「ホンダらしさとは何か」を呼び覚ます試みにほかなりません。改革を通して源流回帰する。ホンダの思考法です。


開発担当者に必要なのは製造現場との協働です。このことを知るきっかけになったのは東日本大震災で栃木県にあった本田技術研究所の施設が一部破損し、新車種の開発陣が三重県鈴鹿製作所に一時移ったところ、製造現場との意思疎通が円滑になり、新車投入までの期間が短縮されたことでした。


これまでは、顧客と接する本社から研究所へニーズをトスするのに時間がかかり、意図が伝わりにくい可能性がありました。お金は研究開発費として支払われるため、開発担当の顔がお金の出元の本社へ向きがちな面もありました。そこで、開発担当も社会の接点に立つ本社の営業担当や調達購買担当と濃密に接する、さらには現場で顧客と接して社会の動きを知る。改革はその環境づくりでもあったのです。


ホンダでは従来、開発については独立組織である本田技術研究所が担当してきました。開発の現地化は研究所を本社に取り込むもので、独立性を損なうとの懸念も聞かれます。ただ、社会が変化する中、開発に携わる人間に必要なのは新しい外気に触れ、刺激を受けることです。


ホンダは2008年のリーマン・ショックで救われました。業績は打撃を受け、生産台数は激減、工場も稼働停止に追い込まれました。ただ、落ち込みの激しい日本や欧米先進国とは対照的に、アジアを中心に新興国では伸び続けました。経済成長を背景に豊かさを求める人々の自我や欲求が目覚めつつある。我々はどう思考を転換すればいいのか議論する中で、既存の発展パターンへの反省を迫られました。


これまでクルマを作る我々自身が、どこかで横着しているところがあった。もっともっとお客さんに何を提供できるかを考え、「造る喜び」を我々自身が感じて新たな価値を発見していく必要がある。


僕はリーマンショックによって救われた、と感じるんですよ。危機感が共有されていたあの時期だったから、関係各所をひとつひとつ説得する必要もなく、新たな開発を一気に進められた。組織の仕組み、開発のあり方。リーマンショックはそれらを舵を切って大きく変えるうえで、ちょうどよいタイミングになったんです。


リーマンショックで世の中の状況が一気に変わり、会社が窮地に立たされた。それが今から振り返れば幸いなことだったんです。ホンダはあの危機によって、ある意味では救われたんだと僕は思っているから。


3つの喜び(造る喜び、売る喜び、買う喜び)には、時代によって順序が入れ替わるサイクルがあると思う。そして、社長就任時に僕が考えていたのは技術者の創造性を上げること、「造る喜び」を社内に取り戻すことだったんです。


日本では別ブランドは考えていません。過去、「アキュラ」ブランド(北米などで展開している高級車ブランド)を日本にも導入しかけましたが、リーマンショックでやめました。いまの国内市場でブランドを2つ動かしていくのは、うちの体力では厳しい。結果的にリーマンショックで救われたと思います。


小さいクルマでも儲かる会社になるための変革にも取り組んでいます。ただ、私にはすべてを一斉に進める腕力も能力もない。まず商品と技術から始めようと考えました。リードタイムが必要で時間がかかるけど、一番初めに変えなきゃいけないのは間違いなく商品と技術です。それが手元に来なくては、大多数のホンダの関係者は変化を身近に感じられないからです。


やはり燃費1番は絶対欲しい。ただ、これまで燃費や環境などでブランド力を引き上げてきた半面、お客様の見方をおろそかにしていたことも分かりました。「燃費が1番なんだから売れるだろう」みたいな感覚もあった。燃費や環境で譲るつもりはないですが、お客さんはそれだけで買うわけではない。クルマトータルの価値というのをかなり意識するようにしました。例えば「N-BOX」はプラットホームやパワートレーンを刷新したけど、残念ながら燃費トップは取れなかった。でも売れている。まず商品ありきで、共通する属性として燃費や環境でトップを取る。ホンダをそんなブランドにしたい。


実は現場は、私が指示した開発案件の全取り換えをすぐしなかった。面白いことに、やめろと言ったのに1年くらい開発が続いていた案件もあった。驚きました。ただ、やめないでよかった技術があったのです。詳しくは話せませんが、開発予算削減の影響で、たった3人で開発していたある技術です。私も続いているとは知らなかったけど、いまから1年前「面白いものになりそうだから」と試作品を見せられたんです。感激しました。本人たちも感極まって涙ぐんでいた。世に出るまであと3年ぐらいはかかりそうですが、経営的にも相当な価値です。


自らのエゴを前面に出すことがない日本人の国民性は、グローバルのヘッドクオーターとしての役割を果たすのに向いているのではないか。


日本特有のお国がらや、いろいろな文化を受け入れてきた国民性はポテンシャルだと思う。日本は自身の国民性を強調することなく、全世界での最適な道筋を提案できる特質を持っている。


確かに我々は日本生まれの会社だし、日本が好きだから世界で日本の存在感を示し続けたい。日本中心の会社でありたいから、逆にこんな状況のなかでどうしたら日本がリーダーシップを発揮できるのか。それを考えていかなくてはいけない。そう考えると、やはり技術の先進性は日本で発揮したい。これは意地でもある。


現地生産・現地販売はかなり前から進めているが、本当に現地の顧客に好まれるものをつくるには、開発も調達も現地化しなくてはダメだ。そのキーとなる開発のための人材を育てようと、いま一生懸命やっているところだ。


その地域に人が暮らしていて、その人たちが欲しがる商品を売るのだから、基本的には地域に即した事業運営を考えなくちゃいけない。これを真のグローバル化と考えて、現在進めています。


グローバル戦略車として投入する新型フィットは、派生車種を含めて、世界の隅々まで1年以内のイメージで立ち上げます。各地域でコストを含めた競争力をつけるには、そうしないとダメ。従来はまず日本で投入し、品質などを見極めながら主要地域を皮切りに半年くらいずつずらして発売していた。しかし、情報が瞬時に伝わる今日、このペースでは、投入が遅い地域では新味が薄れてしまい販売が伸びないのです。


先進国を念頭に開発していると、新興国では採算が悪くなる。当初から新興国でも展開することを想定すれば、各地域で安い部品を調達でき、それらを全世界でも適用することで採算性はずっとよくなる。数量を増やす効果も大きい。


モータースポーツはホンダらしさを構成する要素のひとつ。単に台数を伸ばすだけでなく、ホンダは面白い会社だなといわれたい。モータースポーツは、これから力を入れるアジア地域でも人気が高い。過去のF1参戦では多くを学んだ。もしやるなら、F1の社会に貢献でき、ホンダにもメリットがあるよう、長期的にしっかり取り組む必要がある。今、徹夜で勉強中です。


今までもグローバル展開してきたとはいえ、あくまで中心は日本でした。しかし、リーマンショック以降、市場構造は大きく変わった。すでに世界を6地域に分け、地域に合わせて事業展開する取り組みを進めていますが、今回は単なる現地生産ではなく、「ものづくり」の本質部分から現地化させます。それぞれの地域に合った商品開発を現地で行い、それを実現するための部材調達も行える体制を構築していきます。


これからは世界の各拠点がそれぞれのベストを開発し、それらをぶつけ合って、最終的にグローバルで束ねていくことになる。といっても現地に実力がないとベストは出せない。これから加速して実力をつけさせます。


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