井上高志の名言 一覧

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井上高志のプロフィール

井上高志、いのうえ・たかし。日本の経営者。住宅・不動産情報サイト「HOME’S」などを運営する(株)ネクストの創業者。神奈川出身。青山学院大学経済学部卒業後、リクルートコスモス(のちのコスモスイニシア)に入社。同社で分譲マンションの販売、流通物件仲介などの業務を経験したのちリクルートに出向。新卒採用・中途採用・人材サービスなどの法人営業に携わる。その後独立し、ネクストを創業。「HOME’S」を日本最大級の住宅・不動産情報サイトへ育て上げ、同社を東証一部へ上場させた。

相手を知ることが、最適なコミュニケーションの方法を探る第一歩です。


わかりやすく伝えることは大前提です。大事な件は繰り返し、繰り返し伝えること。つまり、コミュニケーションの量を増やすことが大切です。


話すときは熱量も大事です。淡々とした業務報告の中でも、ここは本当に守ってほしい、絶対にコミットしてほしいという部分では、話し方に熱を込めます。


企画を通そうとするとき、まず目的を明確にすることが大切です。たとえば売上なのか、顧客満足度なのか。制約条件があるとすれば、それは何か。また、消費者調査などのリサーチをもとに新企画を提案するわけですが、ひと通りではなくAプラン、Bプラン、Cプランと複数案を提示すべきです。そして最後に「このなかでも自分はAプランを推します。なぜなら、こういう根拠があるからです」と自分の意志を出してほしい。ここまで綺麗にやられたら「仕事できるねえ」と褒めてやりたいですね。


相手の気持ちを汲んだ話し方や伝え方は、自分の恋人や配偶者、子供に対しては誰でもやっていると思います。部下の立場に立った言動ができる上司だけが、部下のモチベーションを引き上げることが可能になります。


「上がこう言っているんだから」という言われ方をしたら、部下としては「うちの課長は現場の状況を無視して、上の判断ばかりを下に押し付けてくる。まったくやってられないよ」ということになります。上がなぜそう言っているのか、それをやるのが現場にどんなプラスの効果をもたらすのかを、部下の目の前にまで下りて、自分で噛み砕いて説明できないようでは、中間管理職失格です。


部下には部署が許容する範囲であれば自由にやらせるのがいいと思います。課長や係長といったミドルマネージャーが「会社や事業部が掲げている目標はこうだよね。だからうちのチームがこれからやるべきことはこうだよな」というように、会社や事業部の目標をチームの目標に落とし込むことが普段からできていれば、部下が突然、組織の目標とは関係のないことをやり始めることはないと思います。


部下に対して、「君がやりたいことを、やりたいようにやってみなさい」という姿勢を示すことで、内発的動機に火をつけることが大事です。サントリーの創業者の鳥井信治郎さんは「やってみなはれ」が口癖だったようですが、これは名言ですね。そう言われたら誰だって意気に感じて、「絶対に結果を残してやろう」と思うものです。


いまどき、多くの若手社員は、目の前にいくらニンジンをぶら下げられても、「自分がやりたくないことを無理をしてまでやりたくはない」と思うものです。逆に自分がやりたいことであれば、少々の困難に直面しても乗り越えようとします。自転車に乗れるようになりたい子供が、少しぐらい転んで痛い思いをしてもへこたれないのと同じです。


部下のやる気を高めるための手法としては、「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」があります。外発的動機づけとは、「この仕事で成果を残したら給料を上げてやる」といったように、目の前にニンジンをぶら下げて部下のモチベーションを煽るという手法です。一方、内発的動機づけは部下自身の「こういう仕事がやりたい」という内側から湧いてくる思いをエンジンにして、彼らのやる気を高める手法です。どちらが部下のやる気を維持させるかといえば、当然後者です。


「自分の行動を数字で管理する」ことをお勧めします。自分の目標を達成するために必要な行動を3つ選び出し、その行動をどの程度すれば目標が達成できるかを考え、具体的な数値を設定するのです。毎日達成すべき目標が数値で示されるので、緊張感を持って仕事に取り組むことになりますし、数値目標をこなすことでどの程度行動すると成果が出るのかが具体的に見えてきます。


数字が苦手な人は、いきなり決算書の読み方を学ぶのは苦痛なはずです。まずは数字でものごとを考える癖をつけることから始めた方がいいでしょう。私がお勧めするのは自分の行動を数字で管理することです。以前の職場で上司にさせられたことですが、これを習慣づけていたことで、数字に対する苦手意識が薄まり、数字でものごとを考えられるようになったと思っています。


起業したい人や管理職になる人は、決算書の読み方を学んでおいた方がいいと思います。管理職になると、自分の部署の予算管理をすることになりますから、嫌でも身につける必要があります。


起業当初の事業計画書を見ると、何の根拠もない数字ばかりです。「売上予測のグラフは右肩上がりだけど、なぜそういえるの?」と聞かれると、「気合で何とかします!」なんて答えていましたから。当然ながら気合で何とかなるほど甘くありませんから、相手もそれでは納得してくれません。このような商談の席で突っ込まれたことから、数字で説明するということの必要性を意識し始めたと思います。宣伝戦略を考えるにしても、人を雇うにしても、何かと数字を意識しなければいけないということがわかってきたんです。そこでようやく数字について学ぼうという気になったわけです。


課長がいきなり「今度パーティをやろうよ」と言ったら、部下は怪訝な顔をするだけでしょう。けれども、「私はこの職場をもっと明るい雰囲気にしたいんだ。だから月一回は懇親会を開きたい」というように、目的を的確にして宣言しておけば、部下も理解して参加してくれやすくなります。


若いときは自画自賛というか、独りよがりな企画を持っていきがちです。本人はやる気満々で「これ、いいと思うんですよ」とまくしたてるのですが、客観的な根拠が不足していることが多く、決裁者が判断するのは難しい。そんなときは「君はいいと思うようだけど、なぜ?」と答えるしかありません。


部下を叱るときは、人格を否定するような言葉は使いません。感情的に怒られると、言葉を受ける方はずいぶん辛いものです。相手の成長を考えて、理性的に叱ることが大事です。


ミドルマネジメント層がやってしまいがちなことですが、「これ、やっといて」と急に指示されたら、部下だって「この忙しいときに急に仕事を振られても困りますよ」と言い返したくなるでしょう。その際に、「いいからやれ」「上から言ってきたことだ」としか返せなかったとしたら最悪です。それではただの伝書鳩です。管理職がいる必要はないですね。


急な仕事を頼むときには、その仕事の目的や意義を明確にする必要があります。そのうえで「だからほかの案件よりも緊急度と重要度が高まりました」と説明する。さらに「これがクリアできると、君やみんなにとって、こんなふうにいいことがあるよね」と付け加えれば、部下としても腹落ちすると思います。そうなって初めて「そうですね、なんとかしてみましょう」と、本人のやる気を引き出せるのです。そういうやり取りがないと、仕事はただの作業になってしまい、高い質を期待することはできません。


部下に仕事を頼むときは、自分から相手のもとへ行くということが大事です。イレギュラーな仕事を頼むのに「井上君、ちょっと来てくれ」はまずいでしょう。自分の席に呼ぶのではなく、逆に自分から相手の方へ近づいていって「ちょっと、いまいいかな?」と語りかける。そういう気配りも必要だと思います。


社内にはクレームやトラブル情報といった悪い話は「速攻でもってこい」と伝えてあります。その際、最も重要なのはファクト、事実です。とくにクレームを受けたという場合には、何が事実なのかをきちんと冷静に報告することを求めます。その件について部下がどう考えるか、つまり主観については、事実の報告を受けたあとに話し合っています。


クレームやトラブル情報を報告するときは事実が先、主観は後です。最初に自分の主観と作文から入る人がいますよね。クレームを受けた背景みたいなことをダラダラと述べて、「私は反対だったのですが、A君がこういうふうに対応してしまったので……」などと言い訳を始める。それでは報告になりません。まずは事実。そのあと「で、君はどうしたらいいと思う?」と対話をする中で、解決策を探っていくのです。


上司と部下との間に、双方向のコミュニケーションが成立していなければなりません。


大事なのは事実です。若い担当者が「大したことないですよ」と軽んじているようなことでも、経験豊富な上位者が見ると「このままでは大変なことになる!」と青くなるような場面があるのです。だから担当者の主観だけでなく、別の見方もきちんと調査したうえで、妥当な判断をしなければいけません。


営業で門前払いされても気持ちが萎えないのは、利他主義のおかげなんです。「自分は、売りつけようとするのではなく、お客様の役に立つためにきている」という思いになれるので、断わられても「僕とつき合えば、もっといい会社になるのに、もったいないなあ」と思える。凹まなくてすむんです。


一番鍛えられたのは、リクルートのあるチームにいたころです。あるとき、かつての取引先のてこ入れを任され、70社のリストをもらったのですが、すべて「以前の取引で問題があり、いまや出入り禁止。競合他社のシェアが100%」という、難攻不落なお客様ばかりでした。仕方なく電話をすると案の定、ガチャ切り、直接おうかがいすれば門前払い。正直まいりました。も、半年後にはポツポツと契約が取れ始めた。2年後には年間2億円ほどの売上を挙げられるようになりました。


商談で必要なのは、「ウソをつかない」ことです。たとえば、不動産会社さんにご説明するとき、その地域でうちのサイトの利用率が低いなら、「この辺の地域での実績は低いです」と正直に打ち明けた方がいい。よい面ばかり並べ立てる営業マンより、悪い而も正直に話す人のほうが、お客様も信用できると思いますからね。正直に話したうえで、「でも、こういう点でメリットがありますよ」とお伝えすれば、マイナスにはならないと思います。


起業してから不動産会社さんに営業して回ったときも、利他主義を貫き通しました。そもそもパソコンを使ったことがないお客様が多く、「パソコンの電源がつかないからきて」と本来パソコンの販売元が対処すべき電話がよくあったのですが、すぐにかけつけていた。また、お客様の社員を集め、インターネットの無料講習会も開いていました。休みがなくなりたいへんでしたが、そうした姿勢が実を結んだのだと思います。


営業でのヒアリングというと、「いま、どうやって宣伝していますか?」「どんなサイトを利用していますか?」と事前に用意した質問を矢継ぎ早に聞く人がいますが、それでは尋問になってしまう。答えに共感したり、あいづちをうったり、相手が話しやすいような反応をすることが大切だと思います。そして、聞き終わったら、お困りになっていることを解消できるようなご提案をするわけです。


商談での話の進め方は、王道中の王道をやっています。まずはヒアリング。お客様の話をじっくりと聞いて、「いま、何に困っているか」を明らかにします。社員には、いつも「会話の8割はヒアリングに費やすべき」と話しています。


営業マンは「利他主義」であるべきだと思っています。「お客様のニーズには、自社の商品より他社の商品が合っている」と判断すれば、他社商品を提案します。実際、リクルートで新卒採用媒体の営業をしていたときも、「この部分は他社サービスの方がよい」と思ったら、そちらをご提案していました。お客様との信頼関係は確実に深まります。実際、そういう提案をしていた企業から、「採用戦略をすべて任せるから、好きにやってくれ」といわれたこともありました。これは嬉しかった。


サラリーマン時代の上司からは、困ったヤツだと思われていたでしょうね。他社の商品を一生懸命売るような営業マンでしたから。たとえば、新卒で入ったリクルートコスモスで、新築マンションの営業をしていたときのことです。あるお客様が、ローンの審査が通らず、落ち込んでいたのを、放っておけなかったんですね。そこで、もう少し安価な、同業他社の新築物件を40件ほど探して、ご提案したのです。最終的に、お客様は、私が提案した他社の物件をご購入なさいました。上司に「他社の物件を売るためにお前を雇ったわけじゃない。1円にもならないことをするな」とひどく叱られました。さすがにこれはやりすぎでしたが、間違ったことをしたとは決して思っていません。いまも、根本は一緒。営業マンは「利他主義」であるべきだと思っています。


大勢を前にして話す場合は、ツカミが必要だと言われますが、僕は苦手です。ですが、代わりに、結論を冒頭に伝えるようにしています。相手が最も知りたいことに応えることが、その場の空気を掴むことにもなるからです。


人と話すときに図解するのもひとつの手です。私は、訪問先によくサインペンと真っ白な紙を持参します。事業の展開について、箇条書きで説明するよりも、その場でフロー図を描いたほうが、よりダイレクトに伝わることがあるからです。議題が次々と変化する会議では、ホワイトボードを用いることで、問題点が明確になることもあります。


明るく元気で率直な「明・元・率」な言葉が大切です。言い方次第では、前向きな発言も否定的に聞こえかねません。営業マンには、こんな発言をする人がよくいます。「現場を知らない人が商品を開発するから売れないんだよ」これは、典型的な「暗・病・反」発言ですね。暗くて病的で反抗的。事態を改善させたいという想いがあるなら、次のように言い換えたほうが建設的です。「クリエーターや技術の担当者に詳しく現場を知ってもらったほうが、もっと良い商品を企画できると思うのです。もしよろしければ、一緒に現場へ行ってみませんか」と。


結婚したい相手に対して虚飾しても、すぐに見破られますよね。長くつき合いたい相手にこそ、自分の率直な姿をさらすべきなのです。社内、社外を問わず、本音を交わしましょう。


会社の経営方針が変わってしまったとき、その方針転換を取り繕おうとしない発言が、相手に信頼感を与えます。


相手からの信頼を得るには、嘘偽りのない発言をするだけです。根拠のない自信ならば、根拠がないことすらも明らかにします。想いを乗せた自分の言葉でプレゼンをすれば、信頼を勝ち得ることができます。


相手からの信頼を得るには、積み重ねが必要です。今までどれだけの約束を守ってきたか、また、行動にブレがないかなどを、時間をかけて積み重ねて築いていくものです。しかし、初対面の場面では、自分の感情をより素直に出すことが、相手を動かす鍵になると思います。


社員には、自分の中で腹落ちさせたうえで話しなさいと指導しています。たとえば、営業先で話すとき、「うちの商品を使ったほうが絶対に良くなります」という腹の底からの確信があれば、その想いを伝える言葉に波動が乗ります。自分が納得しているなら、態度にも裏表が出てきません。そのブレない姿が、信頼につながり、相手を動かすエネルギーにもなるのです。


話し方というとテクニックが重視されるかもしれませんが、そんな表面的なものではありません。伝えたいことが、本当に相手のためになるのなら、下手でも一生懸命に話すことで、信頼を得られます。話の核心と、伝えたいという想いや姿勢があれば、派手な身振り手振りがなくとも、話は伝わるのです。


プレゼンではその話によって何を伝えたいのか、核心をまず見極めること。そして、それを率直に自分の言葉で伝えることが大切です。


何人が相手でも、会話の基本はキャッチボールです。


新入社員時代の自分は、平均を50点とするなら、35点しか取れないようなしゃべり方でした。あがり症なので、営業先でたった5人を前にして話すだけでも手に汗をかいていました。ですから、場数と訓練を重ねたのです。


私はよく社員たちに向けて、かの「薩摩の教え」を引用し、挑戦することの大切さを語っています。人として一番価値があるのは「何かに挑戦し、成功した者」。二番目が「何かに挑戦し、失敗した者」。三番目が「挑戦した人の手助けをした者」。とにかく、どんな結果やかたちであっても挑戦することが大事であり、たとえ失敗しても、挑戦を続けなければ人も組織も成長しないと。


仕事が速い人は、重要なポイントを押さえるのがうまい。


いくら予測をしても突発的な差し込み案件は入ってくるものですから、毎週月曜の夜は必ず空けておき、緊急事態に対応できる体制にしてあります。予定をかっちり入れるのは総時間の90%程度にとどめ、つねに10%くらいのゆとりを残すのがコツです。


仕事の取捨選択をする上で大事なのは、目標まで到達するための最短ルートを描き、それまでに絶対にチェックすべきポイントはこことここ、というイメージが持てるかどうかです。


現在の私は経営者という立場ですから、次々に案件が飛び込んできますが、それを全部引き受けていたら、自分の許容量を超えてしまう。重要なのは、その中で何が大事かを選び、それ以外のものは捨てること。重要度が低いと判断した仕事は思い切ってやらないと決める、あるいは自分でなくてもできる仕事は他人に任せるのです。


私はもともと仕事が遅く、段取りも悪い人間でした。社会人になって1~2年目くらいのときは、仕事がなかなか片づかず、多い時はひと月の残業時間が200時間を超えたこともあります。しかし当然ながら、それでは気力・体力がもちません。そこで、いい意味で手を抜くにはどうすればよいかを考え始めました。


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