井上智治(コンサルタント)の名言 一覧

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井上智治(コンサルタント)のプロフィール

井上智治、いのうえ・ともはる。日本のコンサルタント、球団経営者。楽天球団オーナー代行。大阪出身。東京大学法学部卒業。大学在学中に司法試験に合格。卒業後は、弁護士として知的所有権、M&A、会社法務などの分野で活動。その後、井上ビジネスコンサルタンツを設立。ベンチャーキャピタル業務、企業再生業務などを手掛ける。その後、ヴィッセル神戸の経営再建や、楽天球団創設時にオーナー代行としてプロスポーツチームの経営を行う。そのほか、パ・リーグ理事長、関東ニュービジネス協議会副会長などを務めた。

同僚や取引先の人たちから「いやな奴だな」と思われるようでは、真に仕事ができるとはいえません。とくに顧客に対して鼻持ちならない態度をとるようでは、「できる・できない」以前に、仕事の妨げになって迷惑です。


さいわい私自身は、プライドが高くて扱いにくい部下を持った記憶はありません。というよりも、当社の仕事の要求水準が高すぎて、気づかないうちに、彼らの高い鼻をへし折っているのかもしれないのですが。


楽天はもともとプロ野球に参加するときに、球界全体を改革していくのがコンセプトでしたから、楽天球団で成功したことは各球団に全部開示しています。パ・リーグはリーグ全体で良くしていこうという機運が高まり、マーケティング会社を共同でつくり、有料でネット中継を観られるようにしています。私はパ・リーグの理事長を5年務めていますが、球団としてできること、リーグとしてできることを議論しています。


思い込みで停滞している事業は、とくに公共事業などでたくさんあると思います。最近では公共の建築物の運営を民間に委託する動きが出てきましたが、結局、いままでやってきたことの延長線上でやってしまい、コストカットで終わるのが実情です。しかしそれは縮小再生産でしかありません。私はもっと違った積極的な展開で、思い込みから解放するモデルを提案したいですね。


無料券を配って来場してもらい固定客をつかむのもひとつの手法だと思います。しかし、次のステップで有料化できる明確な計画がないといけません。ですから、楽天球団は明確な理由がないかぎり無料券は配るべきではないという考え方です。


営業はしがらみを断ち切るのに苦労しました。担当者が地元企業に営業に行くと、「地元料金にしてくれ」と言われていました。地元だからと甘えるのはやめてください、地元だからこそ応援してくださいと値引きは断りました。


他の球団に比べると、球場経営から来る収入、とりわけ広告収入は多いですね。球団と球場が一体になると、別々だったときと比べて、収入がグンと増えます。球場会社だけならば、「スタジアム広告を出してくれませんか」と営業するだけですが、一体で運営すると看板だけでなく、1試合ごとの試合のスポンサーをとることや、年間シートを売りに行くこともできるのです。


宮城球場の全面改修にあたり、自治体からは「いままで入っている飲食店を尊重してください」と言われました。でもこれは断りました。「うちの理想でつくっているのですから、過去は引っ張らないでください」とキッパリお断りしました。


ベースボールパークは野球を見るだけでなく、食事やホスピタリティといったことも重要です。東京ドームでの野球観戦のイメージは会社帰りに野球を見に来て、ビールをガーッと飲んで酔って帰っていくというものです。しかし、仙台でそのコンセプトはしっくりきません。私たちが目指すスタイルは地域密着型。家族連れや女性にも来て欲しい。そのために、女性用トイレを広くしたり、地元の食材を使った店を出してもらったりしました。


宮城球場の全面改修にあたって、鹿島建設から面白い提案が出てきました。米国では1990年代から「ベースボールパーク」が人気になっていました。球場周辺も一体的に整備して、誰もが楽しめる空間にしたものです。子供連れの家族がリーズナブルな価格で楽しめるようにする一方で、年間契約のボックスシートやVIPルームを用意するなど、ビジネスの勘所をおさえている仕組みです。楽天としてもベースボールパークという構想を持っていましたが、鹿島の提案はそこがよく研究されていて、その案に乗ったわけです。


球場内の看板の価値は、そこで試合が行われ、お客さんが集まることによって生じるのに、何となく球場そのものの価値だとされてきました。もちろん、球団と球場の両社の契約によって、その収入の取り分を変えることはできますが、楽天球団はそれならば自分で球場を経営したほうが手っ取り早いと考えたわけです。


それまで球場は第三セクターや自治体が運営しているケースが多く、誰も真剣に「球場ビジネス」をしていませんでした。でも楽天球団は球場を球団と一体に運営するプランを練り上げました。これはヴィッセル神戸の経験が活きました。神戸のサッカー場は半官半民で、当初はレストランや客席に制約があり、こちらから提案してだいぶ変えていただきましたから。


基本的にプロ野球はコスト構造が固定的です。どの球団もかかる固定費にそれほど差はありません。要は、コストダウン戦略は現実的ではありません。そこで、「球団」だけでなく「球場」まで視点を広げてみました。結論として、球団は儲かっていなくても、球場は儲かっているという不思議な現象が見つかりました。たとえば、横浜球団は赤字経営なのに、ホームの横浜スタジアムはずっと黒字経営で、100億円近い内部留保がある。巨人軍のホームの東京ドームの看板の広告収入は年間100億円を超えるといわれています。ところが巨人軍にその看板収入は入ってきません。そのうえ、レストラン、グッズ販売も東京ドームの収入です。ですから、球団が球場経営をしっかりやれば利益を確保できるなと確信しました。


スポーツビジネスをする以上、球団は自立し黒字になるべきだというのが三木谷(浩史楽天オーナー)さんの考えです。とはいえ、さすがに参入直後は経費もかかりますから、初年度は営業利益を20億円の赤字に抑えるのが目標でした。


皆で集まって何かをする場合、失敗したら誰が責任をとるのかという問題と背中合わせです。


どんなに優秀な人でも、すべての分野でプロ並みの知識や技量があるわけではありません。また、斬新なアイデアを提案できるセンスも、一朝一夕に身に付くものではありません。以上のようなことを自覚させ、トータルなプランを顧客に提示できるように教育していくとどうなるか。超一流の釣り書きを持ち、最初はプライドばかりが目立った人たちも、やがては周囲と謙虚に向かい合う、真の意味で「仕事のできる部下」に育っていくのです。


コンサルタントは、上場企業の経営者や経営幹部、ベンチャー企業の創業者などの顧客に、それまで気づかなかった新しい視点からの助言をしていくことが仕事です。


事業やプロジェクトを提案する場合、ビジネスとしての採算性はもちろんですが、事前に法律、契約、権利、税務などの視点から、多面的に実現性をチェックしておく必要があります。部下がアイデアを出してきたとき、きちんと煮詰まっていない部分や明らかな不備を指摘すると、「それは私の専門外なので……」と絶句してしまうことがままあります。それでは顧客に提案することはできません。もちろん最終的には専門家の手を借りることになりますが、プランの段階では、コンサルタント自身が全方面に目配りをして、実現性の高いものに仕上げておかなければなりません。つまり俯瞰図的なプランを描くだけではなく、それをきちんと実行できる形に落としこむことが必要なのです。


私が経営するコンサルティング会社には、外資系の有名コンサルティング会社出身であるとか、欧米の一流大学でMBAを取得したというような、錚々たる経歴の人がやってきます。当然ですが、みな強い自負心を持っています。しかしそんな彼らも、当社で一緒に仕事をするうちに「これまで『自分はできる!』と思っていましたが、それは勘違いでした」と漏らすようになるのです。私は部下にコンサルタントとしてハイレベルな成果や精度を求めます。それに応えようとするうち、自然と謙虚になっていくのだと思います。


本来、ビジネスマンは仕事ができることが第一です。自分の部下が仕事において有能であれば、少しくらいプライドが高くても、出身や経歴を鼻にかけるきらいがあっても、私はあまり気にしません。要は仕事で質の高いアウトプットを出してくれればいい。その際、やり方についてはそれぞれの人のスタイル、個性があってかまわないと思います。


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