久保憂希也の名言 一覧

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久保憂希也のプロフィール

久保憂希也、くぼ・ゆきや。日本の経営コンサルタント。和歌山県出身。慶應義塾大学経済学部卒業後、国税庁に入庁し、東京国税局に配属される。様々な業種の税務調査を担当。その後東証一部上場企業に移り、新規事業・経営企画・M&A・事業提携などの業務に携わったのち、子会社の取締役を経て経営コンサルタントとして独立。著書に『元国税調査官が斬る 税務調査の真実』『元国税が教える 会社を救う!5つの社長力』『経理以外の人のための日本一やさしくて使える会計の本』『すべての日本人のための日本一やさしくて使える税金の本』『文系ビジネスマンでもわかる数字力の教科書』『20代で絶対に身につけたい数字力のルール』『「数字」で考えるコツをつかめば、仕事の9割はうまくいく』『社長、御社の税金は半分にできる!』『頭の回転数を上げる45の方法』ほか。

数字で定量的に考えることがなぜ大切かというと、数値化しなければPDCA(計画、実施、検証、改善)のサイクルを回すことができないからです。


数字力を鍛える方法として、「日経新聞を疑う」という方法もあります。日経新聞の紙面には「売上○億円、利益○億円、過去最高益を更新」といった見出しが躍っていますが、そこだけを読んで鵜呑みにしてはいけません。「それはどういうことなのか?」と疑ってみることです。これは「本質的な数字を見分ける」という意味でもとても重要なことです。たとえば、「昨年の携帯電話の契約純増数でソフトバンクが1位になった」という記事があったとします。「契約純増数」が増えても一台当たりの通話料やデータ通信料など、「一人あたりが払う金額」が小さければ、売上は競合他社より少ないかもしれないかもしれません。「1位」という数字だけに注目しても、本質は見えてきません。その中身は何を意味しているのか、違う角度から考えてみることが必要です。


営業マンが知っておくべき数字は競合他社の数字でしょう。競合他社の販売数、商品価格、売上、利益、従業員数といった数字は絶対に抑えておくべきです。極論すれば、自社の数字よりも競合の数字の方が重要と言ってもいいくらいです。なぜなら、自社や自分の戦略は、競合の数字や動きによって左右されるものだからです。


自分は生まれつき数字が駄目だ、才能がないから数字が苦手なんだという人もいるかもしれませんが、私は数字力とは習慣によるものだと思っています。私も初めから数字力を持っていたわけではなく、国税局で働いていたときに身につけました。


私が以前勤めていた会社では、「営業マンなら常にカバンの中に電卓を入れて持ち歩きなさい」と指導していました。たとえば、自分のコストをペイするために月に100万円の売上が必要だとします。ここで思考を停止してしまっては営業失格です。「月に100万円」といった漠然とした数字では、具体的なアクションにつながらないからです。月に100万円ということは、月に20日間働くとして1日当たり5万円。1日8時間働くとして、1時間あたり6250円を売り上げなくてはならないという計算になります。このように単位当たりの数値化ができて初めて、「1時間で6250円を売り上げるには自分はどうすればいいか」という具体的な行動を考えることができるのです。


「売上」は「フロー型」と「ストック型」に分けられます。フロー型の売上を伸ばすなら「客数を増やす」、ストック型の売上を伸ばしたいなら「客単価を上げる」「購入頻度を上げる」といった方法が考えられます。「客数を増やす」は、さらに「新規顧客を増やす」「既存顧客の流出を防ぐ」というふたつに分解できます。


最も大切な数字は「利益」です。すべての会社は利益を最大化することをひとつの使命としているのですから当然です。利益を増やすためにはどうしたらいいか。その答えは「分けて」考えることで見えてきます。「利益=売上-費用」ですから、利益を大きくするには、「売上を増やす」か「費用を減らす」のどちらかしかありません。


数字で定量的に考える習慣のない人は、「きっとどこかにビジネスの正しい答えがある」と思い込んでいて、その正解がすぐに見つからないと、考えることを諦めてしまう傾向があるように思います。しかし、多くの優れた経営者が語るように、ビジネスに正解などはありません。あるのは仮説だけです。その仮説も正しいかどうかはわかりません。営業とはその正しいかどうかわからない仮説を、ものごとを定量的に把握し、PDCA(計画、実施、検証、改善)を繰り返すことで検証していく作業なのです。


売れない営業マンは、なんとなく定性的な仮説を立てて、なんとなく実行に移してしまうことが多いものです。当然、その仮説の信憑性は薄く、あとで検証することもできません。なぜ売れたのか、あるいはなぜ売れないのかわからない状態で営業をすることは、出たとこ勝負のギャンブルを繰り返すようなものです。これではいくら年数がたっても、スキルは一向に身につきはしないでしょう。


数字が苦手だという営業マンは多いものです。「会計がわからないといけないのでは」と、簿記の勉強を始めたりする人もいますが、営業マンに会計の知識は必ずしも必要ないと私は考えています。ではいったい何が必要かというと、数字で考える力、言い換えれば定量的に考える力です。


ビジネスでは本来、ものごとをまず数字で定量的に把握してから、定性的に判断をするというのが基本です。しかし残念ながら、この区別ができている人はそれほど多くありません。「御社の売上は、最近いかがですか?」という定量的な質問に、「まあ、ぼちぼちですよ」と定性的に答えているようでは、いつまでも数字が苦手な人から抜け出すことはできないでしょう。


数字力をつけるためには比較をする癖をつけることが大切です。たとえば日本に歯科医院は何軒あるのか。答えは約7万だが、7万というだけでは、これが多いのか少ないのかさっぱりわからない。しかし、約4.7万というコンビニの店舗数が頭にあると、いかに歯科医院が多いのかもつかめる。


数字力といっても特殊なセンスは必要ありません。私自身は文系ですが、理系、文系というのも関係なし。なぜなら四則演算だけを理解しておけば数字力は鍛えられるからです。特に威力を発揮するのは割り算。売上100億円の会社が2社あったとします。一方は社員1万人、もう一方は100人だとすれば、社員1人当たりでは全然違う。総額にはあまり意味がなく、「1人当たり」「1個当たり」に直してみて初めて意味が出てくる。物事の実態がリアルにつかめないときは、とりあえず割ってみる。そういう感覚を持つことがよいと思います。


会議の冒頭で誰も「ファクト」を出さない。「どれくらい売れたのか」「どこで売れていないのか」というファクトが出てこないと、課題を議論するのも不可能になります。定量的に考えて初めて定性的な議論もできるのです。最初から「私はこう思う」など、定性的な話から入ってしまうと、そこにファクトはないから、後から検証することもできない。「時系列ではどうなっているのか」「1人当たりではいくらになるのか」など定量的な事実を出すことで会議はかなり短縮できます。


多くの会社は数字を把握しているようでいて、実は把握していない。ある検定事業を行っている会社の担当者と話したとき、「受験者をどうやったら増やせるのか」と質問されました。逆に「受験者数が日本人の何%か」「認知度はどれくらいか」と尋ねてみましたが、すべてわかりませんでした。これでは対策を考えたとしても、その結果、何がどれだけ改善したか検証できません。費用対効果がわからない。実際、こうしたケースは数多いと思います。


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