丸谷智保の名言 一覧

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丸谷智保のプロフィール

丸谷智保、まるたに・ともやす。日本の経営者。コンビニエンスストア「セイコーマート」社長。北海道出身。慶應義塾大学法学部卒業後、北海道拓殖銀行に入行。広報宣伝、商品開発などの業務を担当。同銀行破綻後、シティバンクに移り札幌支店長、顧客・人材開発本部長などを務めた。その後、セイコーマートに入社し副社長を経て社長に就任。

小売りの神髄は細部にあり。


消費者がどんな商品やサービスを求めているのかを知る上で、最終的な答えは店という現場にしかありません。


購買履歴からは商品が売れた理由は分かっても、売れなかった理由は分からない。


今後、大手チェーンとの競争はさらに激しくなります。その戦いに勝つ方法は唯一、ライバル以上に地域に寄り添って独自性を打ち出すことです。


全国的なブランドを持たなくとも、北海道の消費者の所得水準に配慮し、質の良い商品を低価格で提供すれば必ず顧客は付いてきます。


全国的には「セブンイレブン」「ローソン」「ファミリーマート」の3強時代に突入していますが、なぜ北海道ではセイコーマートが大手に伍して戦えているのでしょうか。それは「北海道」という地域に密着した事業モデルを磨き上げてきたからです。


北海道で成長したので「道外に積極的に進出しないのか」とよく聞かれますが、製販一体の体制や物流網を生かせるのは北海道だけ。現在、茨城県と埼玉県に店舗がありますが、道外に大きく打って出る考えはありません。


今後は、顧客の来店回数を増やすことに力を注ぎます。クラブカード会員の来店回数は平均で年42回ですが、これを365回(毎日)に増やすことが目標です。既に、朝・昼・晩と3食をホットシェフで済ませる顧客もいます。そのような地域密着のサービスを提供できるのも、全国チェーンでは気が付かないニーズに応えられる地元のコンビニだからでしょう。


セイコーマートの発祥が酒販店だったことから、ワインの販売は古くから手掛けていました。しかし、売り上げは思うように伸びませんでした。それでも私はワインに可能性を感じていました。北海道は酪農が盛んで乳製品の消費量も多く、チーズと合うワインの潜在需要は大きいとみていました。しかもワインはビールにはない売り場の特徴を出せるという利点があります。ビールは寡占化が進んでおり、小売りが他社と差別化できるのは価格しかありません。一方、ワインは種類が豊富で、価格と品ぞろえで売り場の差別化ができます。そこで、ワイン売り場を目立たせるために陳列棚を入り口付近に移し、「500円」で買えるワインの品ぞろえも増やしました。商品説明も充実させて、他のコンビニやスーパーとの差別化を徹底しました。その結果、人気に火が付き、売上高は約7年で2.5倍に増えました。「ワインを買うならセイコーマート」という意識が、北海道の消費者に浸透したのです。


商品開発でも購買データだけに頼るのではなく、現場を見ることと感性を高めるように注意してきました。極端な例かもしれませんが、一時的に商品開発の担当者からパソコンを取り上げたこともありました。コールセンターも開設し、顧客の声を吸い上げる体制を強化しています。


直営店には本社から社員を店長として派遣するのが一般的でしょうが、セイコーマートは基本的にパートタイムの店長で運営しています。ただし、店長には接客や店舗運営に専念してもらえるように、従業員の出退勤管理など一部の仕事は本部がバックアップする体制に変更もしました。これによって店長は店の隅々まで目を行き届かせ、顧客へのサービスに集中できるようになりました。


以前、ある店だけ新商品の売れ行きが悪いことがありました。いくら購買履歴を分析しても、その理由が分かりません。そこで店に行ってみると、パートの従業員が面倒くさがってPOP広告を貼る作業を怠っていたことが分かりました。「データ」の中に答えを求める癖がついてしまい、「店」という現場を見ることを疎かにしていたのです。


北海道のコンビニ業界も人口減少による総需要の落ち込みと店舗の過剰感という問題に直面しています。コンビニ業界のフロンティアだった北海道は、今や限られたパイを奪い合う状況になり、もはや個性のないコンビニは生き残れません。


コンビニはFC方式で店舗を増やすのが一般的です。しかし当社は徐々に直営で出店することに舵を切りました。店舗運営を標準化しやすく、本部の施策を素早く反映できるからです。現在は約7割が直営店です。コンビニ経営の常識からみれば異色でしょう。


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