中野克彦(経営者)の名言 一覧

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中野克彦(経営者)のプロフィール

中野克彦、なかの・かつひこ。日本の経営者。合成ゴム・石油製品、樹脂製品などを製造する化学メーカーの日本ゼオン会長。慶應義塾大学経済学部卒業後、日本ゼオンに入社。その後社長・会長に就任した。

部や課のレベルでも、リーダーが「この人のためなら、たとえ火のなか水のなか……」と思わせることが大事です。


社内でよく使う「百尺竿頭、一歩を進めよ」は、若いころ運動部の先輩に言われてズシンと心に響いた言葉です。努力を重ねたうえで、さらにもう一歩踏んばらなければ上には行けないという意味ですが、私自身の体験とともに、繰り返しこの言葉を使うことで、当社の士気は大いに高まりました。


チームプレーで抜きんでるためには、メンバーの力を限界以上に引き出さねばなりません。それには言葉を通じて感動を与えることです。私は以前から読書や会話を通じて、感銘を受けた言葉を小さなメモ帳に書き留めています。


仕事を緊急性と重要性とで4分割すると、「緊急かつ重要」なのが第一領域、「緊急ではないが重要」なのが第二領域の仕事になります。ライバルから抜きんでるには、第一領域(緊急かつ重要)に加えて第二領域(緊急ではないが重要)の仕事をやり抜くことが必須です。商談後のメモでは「話全体のポイント」「当方がやらなければならない宿題」が第一領域、「自分なりの意見」が第二領域にあたります。ここまでメモしないと、仕事をしたことになりません。


商談のあとにメモする要点は3つ。「話全体のポイント」と「当方がやらなければならない宿題」の中身、上司の意思決定を助けるための「自分なりの意見」です。このメモをもとに報告書を作成し、会社を動かすのです。


社内の会議や大勢で面談するときは別として、基本的にお客様と対面している場ではメモを取るなと教えています。目と目を合わせて商談に集中するのが相手への礼儀であり、そうしなければ真剣勝負に勝てないからです。そのかわり商談後は、街角や電車の中で速やかにメモを取ります。


私のモットーに「経営は浸透である」というのがあります。経営ビジョンを示す言葉を投げかけるときは、それが部下に浸透して行動が変わるまで、何度も繰り返すことが大切です。これは現場レベルでもいえることです。


以前、成績の悪い営業所に、新しい所長を赴任させたことがあります。所長は営業所を覆っていた暗い雰囲気を払拭しようと、毎朝、おはようと声をかけ始めました。ところが、部下は誰も挨拶を返さない。普通なら別の方法を模索したくなるところです。しかし、所長は諦めずに挨拶を続けたところ、次第に返事が返ってきて、一週間後には部下同士で挨拶を交わすまでになった。もちろんその営業所に活気が戻り、成績が回復したことは言うまでもありません。


具体的な悩みを抱えてスランプに陥っている部下には、助言よりも話を聞いてあげることが重要です。もちろんこのときにも質問の投げかけ方に工夫をします。たとえば「職場には満足しているのか?」というように、相手がイエス・ノーで答えられる質問では、本音を漏らしてくれません。「職場をこう変えたいのだが、君の意見を聞かせてくれ」というように、部下が「実は……」と心を打ち明けたくなる問いかけにすべきです。


現状に満足してチャレンジ精神を失っている部下に対しては、競争相手を意識させるようなアドバイスをすべきです。「お前の同期はこうやって努力しているぞ」「ライバルはこんな戦略で頑張っているぞ」と声をかけることで刺激を与えるのです。


何もかも嫌になって会社を辞めたがっているとき、本人はやる気になっているがまだ結果が出ていないときなど、部下が直面する仕事の壁によって有効な言葉は違うはずです。それを良く見極めて、最適な言葉を選ぶのもリーダーに求められるスキルのひとつです。


最後に頼りになるのは、人間としての器だと思います。仕事上のアドバイスにとどまらず、人生の意味や人間の幸せについて部下と真正面から語り合う。それができる上司の言葉は、どんなものであれ部下の心に深く染み入るものです。才能は天から与えられるものですが、人格は日ごろの行動の総和であり、普段の心がけ次第で誰でも磨くことができるのです。


リーダーの力量は「心で感じる」言葉を自分に引き出しにどれだけ準備しておけるかで決まります。読書中や会話中に気になった言葉や自分で思いついたフレーズは、その場ですぐに手帳に書き留めるといい。どんなに含蓄のある言葉も、聞いただけではなかなか使いこなせないものです。しかし、手を使って書くことで言葉の意味が確かになり、手の内に入るのです。


部下が予算を達成できずに思い悩んでいるとき「気合を入れて頑張れ」というありきたりの励ましをしても右から左に聞き流されるだけです。おそらく事態は何も変わらないでしょう。同じ意味のことを伝えるのにも、言い回しを工夫すると、相手に深い感動を与え、アドバイスに込められた思いを感じ取る助けになるはずです。


部下とのコミュニケーションを深め、動機づけしてあげるスキルが足りないリーダーは、たんに部下に言葉をかけただけで部下のやる気を引き出せると勘違いしていますが、それは大間違いです。言葉は「話して聞かせるだけでなく、理解させる」段階からさらに進んで「理解させるだけでなく、感じさせる」というレベルに達してこそ、はじめて部下の心を動かせるのです。


マネジメントというと、部下にハシゴを上手にのぼらせることばかりを考えがちですが、それ以前に、ハシゴを正しい場所にかけてあげなくては駄目です。方針が不明瞭だったり、二転三転していたりでは、部下は迷ってしまい、力を発揮できません。まずは部下が目指すべき道を、現場のリーダーが指し示すべきです。


リーダーには「テクニカル」「コンセプチュアル」「ヒューマン」という3つのスキルが求められます。テクニカルスキルは各々の専門分野で必要になる技術。コンセプチュアルスキルは、現状を客観的、かつ的確に判断して部下に明確な方針を示す技術。ヒューマンスキルは部下とコミュニケーションを深め、動機づけする技術です。


社長に就任してからの十年間、毎月、川崎の研究所に通い続けました。所員の話を聞くと、このテーマが商売になるのか、事業になるのかということはすぐわかるんです。「君、これ、どこから聞いてきたの」「コストはどうなの」「市場はどのくらいあるの」と聞くと、意外に答えられない。研究のための研究だからです。そこで、「学生が教室で研究しているんじゃないぞ」と言うわけです。


これからの会社はMOT(技術経営、技術版のMBA)ですよ。技術経営ができなければ駄目です。したがって、研究所を変えたいと思いました。当時、うちの研究所はブラックボックスでした。技術の総帥が「研究のことは俺に任せておけ」というから、みんな任せるけど、一向にいいものが出てこないわけです。だから私は、社長に就任してから十年間、毎月、川崎の研究所にヒアリングに通い続けた。


私は経営のファンダメンタルズを大事にしようと思っています。一人一人の力は微々たるものだけれど、一人一人が知力、創造力、やる気を高めれば大きな力になる。それを可能にするのはグレート(偉大な)リーダーの存在です。グッドなリーダーじゃだめで、グレートリーダーであることです。組織の各層に部下の創造力と勇気ある行動を引き出せる優秀なリーダーがいるかいないかが、これからの企業の勝ち負けを左右すると思います。


部下には動機づけが大切です。それにはぐっと胸に来るような言葉を投げかけることです。「よし、この親分のためにひとつやってやろうじゃないか」と思わせるような言葉が吐けなければいけない。


質問をするときイエス・ノーで答えられるような質問をするようじゃだめだ。「どうしてできたの」と聞いて、「こういう背景でこうなりました」と答えたとします。その時、背景を聞くだけの質問を投げかけてはいけない。「いやじつはこうなんです」「いや本当はこういうことなんです」と言わせなければいけないんです。


リーダーの理想は部下の積極的協力と参加を引っ張り出す力を持っていることです。こうした力を持つリーダーを各部署に配置すると企業は大きく伸びるんです。


MOT(技術経営、マネジメント・オブ・テクノロジーの略)の一番のポイントは、経営方針と研究方針が一致することです。二番目は市場と研究の融合です。三番目は上下左右の壁をなくすことです。上下は社長と担当です。入社して5・6年の人が私の前で説明する。「それは君、いいテーマだからすぐ投資審議会に回しなさい」というわけです。昔はいいものをつくっても、上司のハンコをもらって、投資審議会にかけて、常務会にかけてから社長の決裁となるから時間がかかった。いまは私が「投資審議会に回しなさい」といえば、社長決裁をもらったようなものです。私は話を聞いたら即断即決します。MOTはスピード経営でなければいけない。


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