中西宏明の名言 一覧

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中西宏明のプロフィール

中西宏明、なかにし・ひろあき。日本の経営者、技術者。日立製作所社長。東京大学工学部電気工学科卒業後、日立製作所に入社。米国スタンフォード大学大学院に留学し、コンピュータエンジニアリング学修士課程修了。日立製作所大みか工場副工場長、大みか工場計算制御システム開発部長、日立ヨーロッパ社社長、日立製作所情報・通信グループ統括本部副本部長、国際情報通信営業本部長、情報・通信グループCMO兼国際情報通信営業本部長兼サーバシステム営業部長、国際事業部門長兼欧州総代表、執行役常務/国際事業部門長兼欧州総代表、執行役専務、執行役副社長、北米総代表兼日立グローバルストレージテクノロジーズ社取締役会長兼CEO、などを経て日立製作所社長に就任。

赤字にならなければいいという考え方ならお引き取りください。
【覚え書き|各事業部の役員に対しての発言】


現状の課題を乗り越えて、さらに大きな成長を続けるには、やはり発想を変えないとダメ。


事業ポートフォリオについては、毎日のように頭の中でいろいろ考えていて、これはもう終わりがないですよね。市場やニーズは変化しますから。


私がここ数年繰り返し言っているのは、自分たちの事業が自分たちのターゲットとするマーケットでどういうポジションなのか明確にして、そこにちゃんと到達できるかということです。


私は技術屋さんにしかわからないような技術は、まだ技術として未熟なんじゃないかと思いますけどね。


大きな会社同士が経営統合しても個々の事業が一丁前でないとダメだと私は思う。サイズがでかくなれば生きていける時代ではない。ニッチでもちゃんとしたポジションを取って、次の技術開発なりサービス網の構築なりの投資ができるような利益水準がないと、先がない。


危機感が会社を突き動かすのはせいぜい2~3年。最高益を更新し、今の電機業界では利益が安定しているという評価を受け、緊張が緩む危険を痛切に感じています。新たな目標に向けて力を高めないと、普通の会社で終わってしまう。


リーマンショック前の日立は、経営者を含めて外を向いていなかったのかもしれません。やはり、小宇宙をつくるとダメです。でも、小宇宙から完全に出られたかというと、そうじゃない。自分たちがどこへ行くのか、何を考えなきゃいけないかという捉え方が現場の若い人たちから上がってくるようにしないといけないでしょう。


最高の技術っていうのは、素晴らしいものを安くつくることであって、素晴らしいと自分で思っているものを高くつくったって技術としてはちっとも進歩していない。


これをやらなければ生き残れないという切迫感は、私が説明しなくても自然と伝わります。こういった状況はトップとして仕事がやりやすい。私としては攻めやすい2年間でした。
【覚書き|巨額赤字からV字回復し、最高益を更新した背景について語った言葉】


まず利益率が大事です。なぜかというと、M&Aの決断もポケットにお金が入っていないとできません。ある事業を諦めようと思ったときも、必ずリストラ費用がかかります。つまり、元手がないと何もできない。


工場時代から、コミュニケーションは大事だと常に思ってやってきました。結局、コミュニケーションでほとんど決まっちゃいますから。私はもともと制御屋で大きなシステムを担当していたので、ワンチーム数百人というのは若いころから当たり前でした。ベクトルの合う合わないで結果が違うのは、身に染みています。


日立は技術の会社でして、工場が先にありきというようなところがあります。それは決して悪いことではありませんが、それだけじゃ足りない。さらにプラスして自分たちの製品がどういった環境で使われるのか、どういう貢献ができるのかと。そういうふうに頭を切り替えなくちゃいけません。


10兆円規模の企業が伸び続けていくことはありません。これだけの事業規模があると、必ず根っこが腐る事業が出てきます。常に捨てていかないとダメです。だから、10(兆円)の売上高が11や12になることはあっても、20まで持っていくことは考えていません。ひとつひとつの事業が強くて、グローバルにきちんとしたポジションをつくっていくことが大切です。


収益性をあげるには、その事業での世界的なポジションをどうつくっていくかという問題意識を、ひとつひとつの事業に対して植えつけなくてはいけません。


20年以上前にGE(ゼネラル・エレクトリック)のジャック・ウェルチ氏が「世界ナンバーワンの事業以外は認めない」と言いましたが、いまはこれまでにも増して、世界でのポジションが一定水準以上にいないと生き残れなくなっています。世界で5番目、6番目の事業はフェードアウトしてしまう。一定のポジションをきちんと築かないと、日立としてのバリューはありません。


きちんとしたグローバルポジションがつくれる展望のない事業は、いずれおかしなことになります。だから、売るか、どこかと手を組むのか、そういうことを考えないといけません。事業統合なんて日常茶飯事ではないですか。


この会社が技術ドリブンであるということは決して悪いことではない。創業以来その精神でやってきて、それなりに面白い場を提供している。それが日立らしさでしょう。技術を軸に、出発点に、いろんなことを考える。それ以外はマーケットが変わっていけばどんどん変わっていかないと死んじゃいますね。


赤字を出さない経営、それを5年もやると会社の中はボロボロになる。設備投資しない、技術開発しない。口では「やってます」と言っているけれど、本当はやっていない。攻めていないからです。


日立が低迷していた当時の事業改革も、いまから考えると全部国内中心の対策だった。弱者連合になったケースもあった。困っている人たちが集まって、さあ何とかしようと言っても強みにならない。ルネサスエレクトロニクスが典型だけど、変電機器の日本AEパワーシステムズもそうでしてね。


日立が低迷した原因のひとつは、事業全体の構想をグローバルで考えていなかったことにある。過去には売り上げの50%を海外で稼ごうというプロジェクトもあったが、取り組み方が中途半端だった。


特別に何か大胆なことをやったわけではありません。一番大きく足を引っ張っているところをカットしていって、それなりに自分たちの本業、本来の仕事をしっかりやれば、あのくらいの成果は出ます。大変な状況から這い上がって、いまはいわゆる普通の会社になったという段階です。


次の目標はグローバル・メジャー・プレーヤーとしての日立です。それに向けて総コストを5%低減する取り組みを始めました。実際に始めてかなり難しいとは感じています。仕事のやり方を変えるわけですから。でも、営業利益率を現在の5%から10%に高め、1兆円レベルの利益を確保しないと、ダメでしょう。世界のメジャーな企業なら当然の利益率です。ポケットが空だと、社長の決断が遅れますから。


社長にとって経営経験は大事ですね。米国のHDD生産子会社の経営を任されましたが、自分で100%の判断をする立場で、損益計算書を自分で背負って走った経験は貴重です。ただ、あの会社の売却は当然の決断でした。売却を決めた日は、株式上場の説明会を始める前の週でした。米社から買いたいという要望があり、上場するよりも高い価格だから、売りました。上場するという選択肢があったことで強気に交渉できましたけれど。


グローバルに戦うのは、非常にハードルが高い。本社に寄って俺に報告なんかしなくていいから、世界で勝っていく方法を考えろ、と思っています。


グローバルな市場で生き残るには一流にならなくてはなりません。いま、ビジネスユニットという事業単位が30ほどありますが、そのすべてが世界で一流ということは絶対にない。小さな市場でもいいから生き残っていける特徴を持たないと自然に消えるし、消さなかったから大赤字になりました。事業を強くするには投資が要ります。利益率を高めないと投資する原資がありません。生き残るために必要だから、利益率を高めないといけない。社内には同じことを言い続けています。


社長就任当時、部課長さんを全部集めて、なぜ、今の状況で満足したらダメなのかを説明しました。利益率について口を酸っぱくして言っているのはなぜか。社長が決断をするのに時間がかかるのは、社長がバカかもしれず、それは否定しないけど、ポケットにお金が入っていないと社長は決断できない。こうしたことを30分ぐらいワーッと話して質問を受け付けます。その後、若手10人ぐらいと食事をしながら1時間強、話をします。現場の声も分かるし、彼らにとって強い動機づけになる。


ダメになった事業から撤退したり工場を閉鎖することになっても、やはりキャッシュが必要なんです。攻めも守りもポートフォリオの入れ替えにはキャッシュがいるんです。


利益率を上げてキャッシュリッチになっていないと戦略性が欠落するんです。買いたい企業は、お店に陳列されているのではなく、いきなり売りに出ますから、競合が買う前にすぐ決断する必要がある。


社内コミュニケーションには結構、パワーを使っています。これは永遠の課題でしょうね。「タウンホールミーティング」と言って、各事業所に出掛けていって、部課長以上を全員集めてディスカッションみたいなのをやる。これを延々と繰り返しています。経営陣がどういう考え方で経営しているのかをトップが訪問して説明するのは重要です。


「あの会社はチャレンジができる」という風評はワーっと広がる。そうするといい人が来る。いい人が来るとさらに、そいつがまた優秀な仲間を引き込むという循環になる。


事業のトップが誰かというのは非常に重要。鉄道事業は外国人をグローバルCEOにしたことで、過去にとらわれず、いろいろなことにスピード感を持ってチャレンジしています。その効果は経営の数字にも反映され始めている。


今は「攻め7割、守り3割」で行け、と言っているのに、みんな褒められて安心して、3割ぐらいしか攻めてないんじゃないか。こういうマインドセットをどうやって乗り越えられるかが課題。


危機のときは何とかリカバリーしようと、みんな火事場の馬鹿力が出る。それが、過去最高益とか褒められるようになってくると安心して、いつの間にか半分守りになってしまう。


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