中沢啓治の名言 一覧

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中沢啓治のプロフィール

中沢啓治、なかざわ・けいじ。日本の漫画家。代表作に『はだしのゲン』。広島県出身。小学校1年のときに広島で被爆。奇跡的に助かるが父、姉、弟を失う。戦後、手塚治虫の漫画に感銘を受け漫画家を志す。中学卒業後、看板屋に勤めながら夜中に漫画を描き雑誌に投稿するという生活を送る。その後、一峰大二のアシスタントになり上京。デビュー後は少年向け漫画を中心に活動。母の死をきっかけとして自身の体験をベースに原爆をテーマにした作品を描きはじめ、原爆の恐怖・悲惨さを生涯語り続けた。谷本清平和賞を受賞。

難しい言葉や文章でいわれたら、読む気がしなくなります。子供たちは漫画だからと夢中になる。夢中で読みだしたら、どんどん本質に迫っていくのです。


原爆をテーマにした『黒い雨にうたれて』という作品を描きました。ところが、この作品を発表するまでには、長い時間を要しました。当時はまだ、米国がメディアを統制していたからです。大手出版社のどこに持ち込んでも、「強烈過ぎて掲載できない」と言う。1年半ほどたった頃、ホコリを被った原稿を引っ張り出して気づいたんです。誰でもいい、見てくれる人が少しでもいいじゃないか、と。そこで、エロ本を出していた出版社に持っていったのです。アダルト向けの『漫画パンチ』という雑誌の編集長が骨のある人で「やりましょう。ただし、あんたと俺はCIA(アメリカ中央情報局)に捕まるかもしれない。覚悟しろ」と言われました。僕は、「いいですよ。喜んで捕まりますよ」と答えました。


僕は一介の漫画家です。講釈しても仕方がない。だから、自分の体験を話します。体験から何かを考えて欲しい。講演会に出向いて話をしたり、広島を訪れる修学旅行生に話すこともあります。これからも、こうした活動を続けていきます。原爆を体験しているのは僕の世代で最後です。次の世代に伝えなければならないことが、まだたくさんあるのです。


ゲンの家族構成も周囲の情景も、事実に即して描いています。『はだしのゲン』は、まだ完結していません。僕の中には雄大な構想がある。まだ3分の1くらいしか描けていない。伝えたいこともたくさんあるんです。しかし、網膜症に白内障、肺癌を患い、手も思うように動きません。漫画を描けないことは、本当につらい。でも僕にはまだ口が残っています。最後まで言いたいことを言いまくってやろうと思います。


伝えるということは本当に難しい。日本は唯一の被爆国だと毎年騒いでいたって、実際には伝わっていないのです。僕に送られてくる読者からの手紙は、「漫画に描かれている原爆の状態は本当だったのですか」「まったく知りませんでした」「戦争と原爆の本当の姿をもっと教えてください」というものが多い。これは40年前の読者も、いまの読者も同じです。


東京電力・福島第一原子力発電所の事故を見ても、日本人は本当に懲りないなと思います。結局のところ、カネのことばかり考えています。カネと命、どちらが大切なのかと言いたくなる。情けない話です。


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