中村邦夫の名言 一覧

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中村邦夫のプロフィール

中村邦夫、なかむら・くにお。日本の経営者。パナソニック会長。滋賀県出身。大阪大学経済学部卒業後、松下電器産業(のちのパナソニック)に入社。家電営業本部首都圏家電総括部・東京商事営業所所長、アメリカ松下電器社長・会長、イギリス松下電器社長、本社取締役、米州本部長、常務、専務などを経て社長に就任。日本経団連副会長、道州制推進委員長、新日本様式協議会理事長なども務めた経営者。

成功体験が続くと、企業は傲慢になる。


「お金儲けが目的で何が悪いのか」と言う経営者もいましたが、彼らはすぐに消えていきました。社会の公器である松下に勤務している我々は、社会の公器の一員としての行動を心がけなければいけません。


仕組みを変えないと行動もマインドも変わりません。行動が変わらなければ結果にもつながりません。仕組みを変えないで経営者が頑張れと活を入れてみても、社員はどう頑張っていいのかわからないのです。


権限を委譲したら、トップと前線の社員がダイレクトに意思疎通できる仕組みを整えることが欠かせません。社長から役員、役員から本部長、本部長から部長に情報を降ろしていく時代ではないのです。


危機に瀕して経営者がなすべきことは、まず理念を確立し、その理念に即して社員の行動を変えるための仕組みを整える。そのうえで日々変化を巻き起こしていく。この3つに尽きます。


私は可能な限り権限委譲を行って、お客様に近い現場が意思決定できる体制に変えていきました。社長に決裁をもらわなくても経営ができるところまで権限移譲しようと。


社長として改革のただなかに身を置いているときは、もちろん悩みました。これは本当に松下らしい改革なのだろうか、と自問自答する毎日でした。私がもし松下幸之助創業者だったらどういう判断を下しただろうかという基準で、常に考えていました。


権限移譲は口で言うだけでは実行されません。取締役会で決議して、明文化しなければ権限を委譲したことにはならないのです。


経営者が独断で課題を提起して改革を進めようとしても、それだけで組織が動くわけではありません。若手を中心にプロジェクトチームをつくり、スピードを上げて問題解決に取り組んでいく。大きな枠組みをつくったら、あとは現場に権限を委譲していけばいいのです。


当時、ソニーさんやシャープさんに比べて国内の流通コストが8%も高かった。これでは競争になりません。改革を一気呵成に進めるうえでも聖域から手を付けることが不可欠と考えたのです。
【覚書き|社長時代、社内で聖域とされていた国内の家電流通改革を断行した理由について語った言葉】


あえていまの社員に求めることがあるとすれば、経営理念を現代語で言い換える作業に取り組んでいただきたい。源氏物語でも現代語訳があるように、創業者が昔の言葉で遺した精神を外国語や現代の日本語に直すのです。


松下幸之助創業者が行ってきた変革の中で一番感心しているのは、松下がオランダのフィリップスと提携して松下電気工業をつくったことです。当時の松下の規模からすれば、フィリップスにとって「松下、Who?」という程度の認識だったと思います。このような挑戦的なイノベーションを松下は繰り返してきたのです。


松下幸之助創業者は、「利は元にあり」という言葉で事業の妙味は仕入れにあることを説いています。ところが、かつての松下は製品を仕入れる販売部門が在庫責任を負わず、つくる側の事業部が在庫責任を負っていた時代がありました。こうなると責任のなすり合いが始まってしまいます。


お客様本位というのは当たり前のことのようですが、企業が大きくなると忘れがちになってしまいます。実際に松下もお客様本位から逸脱した製品をつくったことがたくさんありました。そのようなときに限って、事業部は売れない原因を営業部のせいにしてしまうのです。


デジタルカメラの開発へ参入したとき、私は他社にないカメラをつくってほしいと開発部隊に伝えました。彼らは被写体を液晶で見られるのだから、ファインダーをとってしまおうという発想に至り、ヒット商品を生み出してくれました。お客様さえ気付いていない潜在的なニーズを顕在化したしたことがヒットに結びついたわけです。


私自身は常に、松下幸之助精神の基本は3点だと申し上げています。

  1. 企業は社会の公器であるということ。社会から技術や人、資金をお預かりして、社会のために経営を行っていくのです。
  2. お客様第一の精神。松下の社員はお客様本位でモノづくりをしたら世界一になれる素養を持っています。
  3. 日に新た。つまりイノベーションです。変化しつづけない企業は駄目になります。

社名を変えて松下幸之助創業者の精神を継承できるのか。そのような指摘があるのは承知しています。しかし、世界のどの地域にも幸之助精神をしっかり根付かせていくつもりですし、心配はしていません。
【覚書き|松下電器からパナソニックへの社名変更について語った言葉】


社業は社長がやるのですから、会長の言葉は少なくていいのだと思います。


若い社員が前向きに仕事に取り組む効果は大きい。会社全体の活気にもつながるし、何よりも新しい創造性が育まれる。多様性をもち、上意下達によらないフラットな組織になってこそ、日本の製造業の生命線である独創性が磨かれるのです。ニート問題を批判的にとらえるだけでは、時代の変化に合った経営はできない。むしろ彼らを取り込むような改革を考えるべきだろう。


一部の若者が仕事に就かないのは、やりがいを感じる会社が見つからないのも理由のひとつでしょう。個々の社員が得意分野で才能を発揮できるような企業が多くなれば、ニートやフリーターも前向きに働ける社会になるのではないでしょうか?私はその点で、日本の若い力を信じています。


「プラン(計画)、ドゥ(実行)、チェック(確認・検証)、アクション(検証を踏まえて再実行)」を任されれば人は総じて意欲的になるものです。勉強にしろ仕事にしろ、親や上司に強制されてやっているうちは本物ではない。本来は誰でも好きなジャンル、得意分野を持っているはずだ。


手前味噌で恐縮だが、私は社長就任以来、組織開発、人材育成に力を入れてきました。ここで大切なのは大胆な権限移譲。以前は社長の決裁が必要だったものを各事業のトップに任せるのはもちろんのこと、現場のことはその担当者の判断に委ねるようにしました。その結果、若手社員は明らかに変わってきて、若い技術者は、かつては上司からの指示待ち組が多かったが今では自ら発想して行動するケースが増えているのです。


製造業の将来を語るとき、必ず話題に上るのが、若い世代にニートやフリーターと呼ばれる人々が増えている問題です。ものづくりの基礎は人材です。働けない若者、働く意欲を持たない若者が増え続ければ、ものづくりの土台は根底から崩されることになるだろう。しかし私は、この問題についてそれほど悲観していないし、改めて人づくりに取り組むいいきっかけになるとさえ思っています。


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