稲盛和夫の名言 一覧

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稲盛和夫のプロフィール

稲盛和夫、いなもり・かずお。日本の経営者。「京セラ」「第二電電(のちのKDDI)」創業者。鹿児島出身。鹿児島大学工学部卒。技術者でありながら会計に明るく、「アメーバ経営」など独自の経営手法で同社を大きく成長させた。事業だけにとどまらず盛和塾という私塾を主催し後進の経営者育成を行った。京セラの会計についての著書『実学』がベストセラーとなった。

JALはかつて、航空運輸事業だけで子会社30数社、従業員5万人の大会社でした。にもかかわらず、経営はグループ全体の損益計算書だけで見ていました。着任したときに「先月の数値はどうか」と聞くと、「3カ月前の数値ならありますが、先月の数値なんて、まだとても」と言う。これでは、今会社がどういう道を歩いているか、わかりません。それで、路線ごとに月次、あるいは日次で採算を管理するように、経理のシステムを大幅に変えた。さらに、各職場の人が数値を意識して働いてくれるよう、部門別管理会計制度を導入しました。膨大な仕事で、完成には約1年かかりました。


JALの再建では「リーダーが私利私欲に走らず、利他の心で判断すること。要は人間として正しくあることを、経営でも考えなくてはいけませんよ」と話すことから始めました。するとエリート幹部たちは、「なんでそんな当たり前のことを教わらなきゃならんの」という顔をする。それでも私は、「知ってはいるでしょうが、自分の身に付いていないでしょう」と、懲りずに何回も話し続けました。本当に納得してもらうまで、50回くらい話したと思います。


経営者というのは、あらゆる面で日常の仕事の中、大変厳しい環境に置かれたり、いいときもあったり、悪いときもあったりと、いつも予期せぬことに見舞われます。それがまさに修行で、うまくいかなくなったときに動揺したり、うまくいったからといって有頂天になったりしてはいけません。いいときでも、非常に厳しい環境の中でも頑張っていくということがまさに修行であって、そうした経験を経ていくことで自分の心が高まっていくのですね。


「社長業には何が大切か」と聞かれて、こんなふうに答えたことがありました。第一に、「社長は公私の区別を峻厳に設けること」。第二は、「社長は企業に対し無限大の責任を持つこと」。第三は、「社長は自身の持つすべての人格と意志を会社に注入しなくてはいけない」。さらにいえば、経営者にはひとかけらでも「私」があってはならない、ということです。


私もこれまで、才覚あふれる経営者たちが流星のごとく現れてはやがて没落していった例を多く見てきました。彼らが没落していった理由は、「成功」という試練に耐えられず、人格、人間性、考え方などが変わってしまったからにほかなりません。そう考えると、成功を持続させる働き方として大切なのは、「無私の心で働く」ということだと思います。


現在でも仕事上の会食以外では、豪勢な食事をするようなことはめったにありません。何万円もするような食事をしようと思えばできるのでしょうが、そんな豪華な食事を平気で取れるという、慢心が恐ろしいのです。自分が贅沢をしたりするということは、慢心や驕りにつながっていくと自らを戒めてきましたので、それが習性になっているのだと思います。
【覚え書き|82歳時の発言】


金を儲けたいという強い思いを持つこと自体は、決して悪いことではありません。特に事業をスタートさせる時期には、「何としてもこの事業を成功させ、豊かになりたい」という強い「思い」も必要になります。しかし、成功した事業を永続的に発展させていくためには、「お金を儲けたい」という経営者の私的な願望だけが目的であってはうまくいきません。なぜなら、いったん成功して私的な願望が実現してしまうと、もはやその経営者は一生懸命働こうとはしなくなってしまうからです。それでは従業員を不幸にしてしまいます。


財産や利益が目的の人もいれば、地位や名誉が目的の人もいるでしょう。しかし、そうした数字や肩書によって示されることが目的であれば、その目的が達成されてしまえば、あとは目指すものがなくなってしまいます。


何としても事業を成功させたいという強い「思い」や、格闘技にも似た「闘争心」のない者は、そもそも経営者にはふさわしくありません。逆に、そうした「思い」さえあれば、資金や技術、人材などに恵まれなくても、熱意と執念がその不足を補って、ものごとを成し遂げていくことができるのです。


「ただ儲けたい」「楽をしたい」ということだけが人生の目的では、経営者自身が真の幸福を得ることはできません。また、企業を永続的に発展させることもできません。それよりももっと高邁な目的が、経営者には必要なのです。


経済的に豊かになりたいという気持ちは、決して悪いことではありません。特に事業を始めるときにはそうした強い思いも原動力になるでしょう。しかし、いつまでも利己的な欲望だけを原動力にしていては、たとえ成功したとしても、いずれは行き詰まるでしょう。あるところまでいったら、他人のために尽くす「利他」の精神が必要です。


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