片田珠美の名言 一覧

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片田珠美のプロフィール

片田珠美、かただ・たまみ。日本の精神科医。広島県出身。大阪大学医学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程を修了し博士号(人間・環境学)取得。フランス政府給費留学生としてパリ第8大学精神分析部に留学。精神科医として活動。著書に『他人を攻撃せずにはいられない人』『プライドが高くて迷惑な人』『なぜ、「怒る」のをやめられないのか』『正義という名の凶器』『無差別殺人の精神分析』ほか。

管理職に就いている方は、部下をマネジメントする際に信念を貫き通すことは大切ですが、「もしかしたら正義を振りかざして、誰かを攻撃していないか」と自問自答することも忘れないでいただきたい。


怒りを持たない人間がいないのと同じように、攻撃性もまた誰もが多かれ少なかれ持っているものです。


人の性格はそう簡単に変わるものではありません。まずは「根性曲がりにつける薬はない」と肝に銘じ、苦手な相手を観察すること。なぜそんなふうに振る舞うのかが理解できれば、やり返せなくてもうまく立ち回れるようになります。


一番重要なのは想像力を働かせること。視野を広げて、世の中にはいろんな考えがあり、いろんな人がいる、という多様性を受け入れるべきです。そうすれば自分の正しいと思うことを押しつけたり、すぐに相手を否定したりすることがなくなり、相手を不快にさせる発言も減るはずだと思います。


重要なのは頭ごなしの発言を控えること。相手が自分の話を聞いてくれていれば、最後に厳しいことを言われても、受け入れることができます。でも、話に耳を傾けてもらえず、いきなり「そんな言い訳は聞くに堪えない」「根本的に意味ないんじゃないですか」と頭ごなしに突き放されると、人格さえも否定された感じを受けてしまう。これが一番いけません。


過剰に褒めちぎれば、人は暴走します。また厳しいことを伝える際、肝心な点に言及せず優しいことだけ言っていても効果はありませんよね。だから目的をはっきりさせたうえでバランスを考えながら、どんな言い方が適切か、常に判断する必要があります。


自分では何気ないつもりで口にした発言でも、部下から「傷ついた。パワハラだ」と非難されようものなら、今はすかさず管理責任を問われます。自分の身を守るためにも、より想像力を働かせて、言い方に気をつけなければなりません。


嫌な言い方をされると、自尊心の源である自己愛が傷つき、生きる気力を失ってしまいます。ただ、不快な物言いに対して免疫をつけるためにも、傷つく経験はある程度必要。それが今は自己愛が肥大化している風潮もあって、うまく対処できない人が多い。


相手の嫌がる言葉を平気で投げつける人には2つのタイプがある。一つは想像力が欠如している人。過去の成功体験や社会的な実績があって、絶対に自分は正しいと信じて疑わない。だから、自分が発した言葉を相手がどう受け止めるのか、どんな感情を抱くのか、想像できないのです。もう一つのタイプは逆で、自分に自信がない人。たとえば学歴にコンプレックスを抱えていたら、さらに下の学歴の人をバカにして、自分が上だと認識する。自分の価値を相対的に上げるために、相手を貶めようとするんですね。


理不尽で恐ろしく思える攻撃は、そうした攻撃をしてくる相手が心の奥底に持っている「弱さ」の裏返し。視点を変えれば、「かわいそうな人」とも言えます。この点をきちんと理解すると、とにかく恐くて仕方がなかった人の存在が、とても小さく見えるのではないでしょうか。


「攻撃は最大の防御」と言うように、自分を守るためなのです。攻撃欲が強い人は、実は臆病な意気地なしです。自分の弱さを隠すために、人を攻撃するのです。


大切なのは、できるだけ周囲の人に話すこと。一人で抱え込まず、誰かに話を聞いてもらうことで楽になることもあります。また、同僚や別の上司、他の部署の人に相談することで、意見がもらえます。日頃から相談できる人間関係をつくっておきましょう。


他人を攻撃せずにはいられない人が、いま本当に増えていると、精神科医として日々、その被害者である患者さんを診るなかで強く実感しています。そうしたいわば「職場の問題児」はみな欲求不満や不安を抱え、それが溢れそうになっているため、はけ口として他人を攻撃してきます。


根も葉もない噂を広める人に対して避けたいのは直接対決。「噂話を流すのはやめろ!」とダイレクトに怒りを表明すれば、妬みの感情を助長して火に油を注ぐようなもの。誹謗中傷がエスカレートする可能性がある。


根も葉もない噂を広める人はどこにでもいます。こういう作り話をする人は自己愛か強く、自分が認められない悔しさが心の内にあり、噂を流すことで相手の足を引っ張り、あわよくば代わりに自分が出世したいという感情を持っています。この場合は、スルーを決め込むのが何よりの戦略。あるいは「噂を流していることはわかっている」ということを暗に伝えれば抑止効果が期待できるかもしれません。


なかには怒りの感覚を自覚できない人もいます。よいことのように思われがちですが、怒りが自分でも気づかぬうちに蓄積されて、心や体に変調をきたすことがしばしばあります。自分の怒りに気づくことは、自分を守るためにこそ必要なのです。


私は精神科医として心を病んだ患者さんの診察をしていますが、怒りを抑え込んだために不眠やうつなどに悩まされるようになるケースはたくさんあります。じんましん、動悸、吐き気、頭痛、胃痛などが出現することも少なくありません。怒りを溜め込みすぎて、俗にいう「キレる」状態に陥ることもあります。キレると感情のコントロールがきかなくなり、物に当たったり、暴力をふるったりして最悪の状況を引き起こします。そうなる前に、怒りをうまく小出しにする必要があるのです。


怒りを抑えるほうが「よくない」ことです。怒りの感情が湧くのは、なにかしらうまくいっていないことがあるせい。怒りを抑えてしまうと、そのうまくいってないことを放置することになり、問題解決につながりません。


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