嶋田毅の名言 一覧

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嶋田毅のプロフィール

嶋田毅、しまだ・つよし。日本の経営学者、教育者。グロービス経営大学院大学教授。富山県出身。東京大学大学院理学系研究科修士課程修了後、戦略系コンサルティングファーム、外資系化学機械メーカーを経てグロービスに入社。メディア事業推進室マネジングディレクター、グロービス出版局長兼編集長、グロービス経営大学院大学教授などを務めた。

適切な判断をするためには、都合の悪い情報も踏まえて検討する必要がある。


会議の場などでビジネスパーソンに求められるのは、相手の主張が妥当かどうかを適切に判断し、生産的な議論をすること。


成功者ばかりを見て成功の理由を挙げてしまうのは、典型的な偏った根拠の例です。成功した者と失敗した者の典型を拾ってきて、その差はどこにあるのかという分析をしっかりと行なえば、成功するポイントを抽出できますが、成功した者ばかりを見ていては意味がないのです。


偏った根拠には、生存者、成功者のことばかりを取り上げて結論を出すというパターンもあります。これは、「生存者バイアス」というものです。よく、成功したベンチャー企業だけを見て、「成功するにはこれが必要だ」という結論を出したりします。しかし、同じようなことをして倒産していったベンチャー企業もあるでしょう。「グーグルやアマゾンは、こうして成功した」と言うのは簡単ですが、グーグルやアマゾンと同じことを考えて失敗した例も相当ある可能性があります。成功者だけしか見ていないのであれば、その主張が本当に正しいのかどうかわかりません。


特に若い人は視野が狭く、一方的、独善的になってしまいがちです。多くの経験を積んだベテランは、きちんとその経験を活かして、「もっといろいろな観点から見なければダメだよ」と、部下に視野の狭さを気づかせてやることが重要なポイントになります。


偏った根拠には、「半径5メートル論法」というものもあります。「自分の周りではこうだ」「自分の友達の間では、こう言われている」というのを根拠にしてしまう人が結構いますが、これはしてはいけないことです。自分の身近な人や親しい人の主張だけを根拠にしてしまうのはよくありません。世の中には、いろいろな考えを持っている人がいます。そうした考えもバランスよく考慮しないと、間違った結論を出してしまいます。


自分に都合のよい情報は重視して、都合の悪い情報を軽視してしまうのは、人間の抜きがたい性と言えるでしょう。誰にでもバイアスとしてあるものです。これとどうつき合うかというのは、なかなか難しいのですが、周囲の人にアドバイスを求めるのは一つの手です。「私はこう思うのだけど、どう思う?」と同僚でも友達でもよいので、信頼できる人に聞いてみるとよいでしょう。「こういうところも考えなくてはいけない」と、アドバイスしてくれるかもしれません。


人間は、自分が「こうだ」と思ってしまうと、その思いを裏づけるのに都合のよい情報だけを集めて、他の都合の悪い情報は省いてしまう傾向があります。目に見えていても見ない、あるいは軽視してしまうのです。これは、偏った根拠の一つ、「確証バイアス」です。


根拠が間違っていたり不確かだったりすると、いくら主張しても説得力はありません。ところが、世の中には意外と、風評にもとづいた主張や議論が多いものです。悩ましいのは、「何か変だな」とは思っても、どう変なのか指摘できない時です。瞬発力を発揮して、「それはおかしい」と突っ込めるようになるには、常日頃、アンテナを張って正しい情報を仕入れ、ビジネスパーソンとして知っておくべきビジネスのメカニズムなどを勉強しておく必要があります。その場ですぐに指摘できない時は、必ず後で調べましょう。


そもそもの根拠が、主張している人の勝手な思い込みや妄想、誰かから吹き込まれた間違った情報であったら、どれだけ論理展開がしっかりしていても結論がおかしくなってしまう。


フレームワークは単なる思考のツールであり、それさえ使えば、誰でもすぐ問題の解決策が思いつくわけではありません。ビジネスで抱える問題に、唯一の答えはない。問題解決のプロは、「物事を多面的に捉えて仮説を立て、情報を集めて検証」を何度も繰り返しながら、考え得る最善の策を導き出します。その過程で、情報を整理するのに役立つのがフレームワーク。つまり、実際の問題を解くことで身につけた知識や経験があってこそ役に立つものなのです。


本当にフレームワークを“使える”レベルで身につけたいなら、「~の現状で、~したい場合はどうする?」といったケースを、数多くこなして、どこでどれを使うかの勘所をつかんでいくしかないでしょう。


数字だからといって正しいと思わないこと。人の「意図」が入っている場合があるので、それを読み解く必要もあります。われわれは、数字を見る際に、データを集める、加工して表やグラフをつくるなど、あらゆる段階で必ず人の「意図」が入っているということを忘れがちです。サンプルの集め方に恣意性があったり、アンケートの方法も各社で違うことがあります。


数字を比較する場合は、その数字の定義や出所を確かめる必要があります。私たちはグラフを見る時、どうしてもグラフの線や棒、面積だけを見てしまいますが、グラフの下に記してある出典や定義、注釈を見てきちんと理解しないと、そのグラフによって間違った意思決定をしてしまうことになります。


有名な数学者の論文を何年かして検証してみたところ、数字が間違っていたということがありました。数学の論文ですら、意外に検証されていないのです。ましてや会社内に出回っている数字が、きちんと検証されているかどうか、怪しいものです。数字を頭から信用せず、それがきちんと検証されているかどうかを確認すべきです。


統計には、いろいろな落とし穴があります。ビジネスパーソンとしては、「平均値は信用できない」ことと、「サンプルがどこまで信用できるものか注意する」ことくらいは、意識しておいたほうがよいでしょう。


数字には必ず人の意図が入っています。人が集めたりつくったりしている以上、ニュートラルで、全く無色透明な数字というものはあり得ません。それを忘れてしまって、数字だから正しいと思い込んでしまってはいけません。


正しいけれども古い数字は、ビジネスの意思決定の場合、適切ではありません。特に変化のスピードが速いものは、「正しさは99パーセントだけれども3年前のもの」ではあまり意味がありません。逆に精度は少し落ちても最新の数字のほうが、意思決定に役立つでしょう。


ビジネスパーソン、ビジネスリーダーは、誤った根拠や、偏った根拠、不適切な論理展開を見抜く「健全な批判精神」を持つことが重要です。そのためには常日頃、きちんと勉強したり、しっかり調べたり、現場で何が起こっているのか情報収集したりすることが欠かせません。


「用語定義のズレ」があると、不適切な論理展開になってしまいます。用語の定義が首尾一貫していないと、都合のいいように無理に理屈をこじつける、つまり牽強付会(けんきょうふかい)になってしまいます。


帰納法は、「So What?(それで?)です。ある事例を見た時に、「だから何なの」ということをうまく抜き出していかないと、間違ってはいなくても、あまり役に立たない主張になってしまいます。帰納法の論理展開には、常識とセンス、トレーニングが必要です。


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