経営者・社長・会社経営の名言格言一覧

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新規事業は失敗を恐れていてはできない。手掛ける仕事の10分の1も成功すればいい。

ビジネス世界の報酬はすべて二種類の通貨で支払われる。二種類の通貨とは「現金」と「経験」だ。報酬はまず経験で受け取ること。現金は後でついてくる。

中小企業は資本・人材・経営者の力量などが限られている。だから大企業の隙間を探し、その小さい力を一点に集中投下し、錐(きり)でもむように市場に食い込まなければならない。

欧米の経営者が、日本の中小企業経営者のように、生活のすべてをかけてビジネスをするというのは考えにくいことです。企業経営は生活の糧を得る=命を守るためにやるわけですから、欧米の経営者にとって命がけの経営というのは理屈に合いません。

経営トップが6ヶ月休んでも会社はビクともしない。ただし3年さぼったら会社がおかしくなるといった体制を作るのが経営トップの仕事だと思っています。日々のオリックスは、課長クラスが動かしていることになります。もしこのような形で、それぞれの管理職が自らの持ち場を守って仕事ができるとすると、経営トップは自社の三年先の姿を描き、それに向けて大きな戦略的なことに目を向けることができます。

現在では人事評価を少しでも間違うと、優秀な人材が会社からいなくなる可能性が高くなっています。人事評価は「真剣勝負の時代」になりつつあります。正しい評価に基づいた報酬制度にしないと、他社でもっと良い処遇を受けられる自信のある社員や実際にそういう実力を持った社員は、次々と会社を辞めていくかもしれません。

人材の多様化を積極的に進めてきたために、人材を多様化するうえで注意すべきことがわかってきました。ひとつは、せっかくの多様な人材を既存の仕事の枠にはめ込んでしまってはなんの意味もないということです。豊富な経験を積んだ熟年社員に対して、新入社員と同じような業務研修を行い、自社の色に染めようとするのは時間の無駄です。それよりも彼ら自身の色をオリックスでどのように生かすかを考えてもらう一方で、会社側はそれぞれの色を実現しやすい役割分担や職場環境作りをした方が有意義だということです。

私は社内にはない特殊な才能を持っている人材が必要なときには、成功報酬型の条件で外部から招くことが最も有効だと思っています。プロ野球の世界では、有力な選手の獲得のために数億円の年俸を出したりするのですから、ビジネスの世界でも外部から成功報酬型で人材をスカウトしてくるのは何も驚くほど新しいことではありません。

知識社会では、たゆまぬ創造性を発揮しなければ企業は存続できないことでしょう。このため、コア社員(知の創造のできる中心的な社員)には長い期間、従来の日本型雇用のように定年まで働いてもらう必要があります。連綿とした知識創造のノウハウを暗黙知として組織内で継承して、そうした作業の継続を企業の社風にまで高めるような役割が求められます。

コーポレート・ガバナンスの本来の意味は「経営者が株主のために企業経営を行っているか監督する組織」のことです。もっと短く言うと「経営者に対する監視制度」ということになります。取締役は株主を代表して、業務執行にあたる経営者を監督するのがその役目です。執行当事者のほとんどが取締役を兼ねている日本の現状では、この目的の達成は難しいでしょう。

グループ経営のもとでは、子会社の株式公開とは自らの一部を売却することです。株式公開が本質的に会社を他人に売る行為である以上、なぜ売らなければいけないのかを企業経営の観点から考える必要があります。上場というのはそれだけで何か素晴らしい行為というわけではありません。本質的に会社の一部を他人に売却する株式公開は、他人に株を持ってもらう、すなわちその会社の所有者になってもらうことであり、当然、その後の果実の一部はその株主に帰属します。

経営者にとって自社の株価を高めることは、株主重視経営に繋がっていくだけではなく、株式交換制度の導入によってM&Aを有利に進めるという具体的な意味合いを持つことになりました。自社の株価を高めるには、健全な財務体質、高収益、高成長を実現しなければなりません。つまり中長期に高い成長のできる企業は財務内容を充実し、株価も高い評価を得てM&Aのような斬新な経営方針を実現できるようになるわけです。

複数の企業によるアライアンス(提携)の基本理念は共存共栄です。企業が協力して新しいネットワークを構築し、協同することによって互いの利益総額が大きくなります。互いのコアビジネス、つまり得意技同士を持ち寄って、何かあがらしいシステムを作る企業間提携は、これまで単独の企業ごとではできなかった異業種のノウハウを結集できます。うまくいけば、斬新で参入障壁の高いネットワークも作りあげられます。

私が理想かもしれないと思うのは、企業の期間利益の目標を100とすると、その120%くらいをコアビジネスで計上できる力をつけ、そのなかから20%程度を隣接分野や周縁、外辺などへ先行投資を常に行うことです。そうできればコアビジネスが万が一縮小するようなことがあった場合でも、新しいコアビジネスの芽が生まれる循環が期待できるからです。

得意技を見極める基準も効率です。資本効率の高い分野は、それだけ付加価値のある仕事をしていることになります。なぜなら、市場経済においては付加価値のある商品やサービスでなければ市場で売れず、利益も上がらないからです。したがって、利益の上がるビジネスが得意分野で、儲からないビジネスは不得意分野ということになります。もちろん、儲からないビジネスの中でも中長期的な成長の糧となる先行投資分野については別です。

無数の参加者がしのぎを削る中で、ユーザーに選んでもらえるものを提供しようとすると「選択と集中」が不可欠となります。選択と集中とは、得意な分野とそうでない分野とを見極めて、得意分野に特化することを意味しています。なんでもやって、しかも市場ですべて評価されることをしたらこれはもう奇跡でしょう。しかし、現実にはそうした奇跡は起こりません。

オリックスでは、以前から「オリックスの経営陣は『中長期的にこの会社の成長を見届けたい』という株主を重視している」と繰り返し株主に伝えてきました。これは暗に「短期的な投資効率を追求しようとする株主の期待に応えるつもりはない」ということを意味しています。それを許せないと思う方はどうぞ株を売ってくださいという意味です。経営者が株主像を明確に示し続けることで、少しずつでも経営者の思い描く株主像と実際の株主構成とを近づけていく努力は大切だと思います。

市場原理の働いている社会というのは優勝劣敗の世界です。弱肉強食の世界だとよくいわれていますが、市場経済では、強いものが弱いものを直接打ち負かすわけではありません。売り手が買い手に向かって勝負を挑み、買ってもらえれば勝ち、買ってもらえなければ負けという間接的な勝負です。

市場経済では企業は常に安定性がなく、今日のチャンピオンは明日もチャンピオンであるという保証はまったくありません。たとえば、昨日は焼きたてのビスケットが飛ぶように売れたから、今日も同じ品物が同じ値段で売れるだろうと思って店先に並べても、まったく売れないということが起こります。それはビスケットの味が落ちたわけではなく、たとえば、ただ単に消費者が今日はチョコレートが食べたかっただけなのです。

市場に評価される商品とかサービスを作り出す能力は、得意分野に特化することでしか養われないもののようです。個々の企業の持つ経営資源は限られており、どこにも負けない専門領域もそれほど広くはないことが理解できれば、そのなかで生き続けるには「得意技を磨くしかない」ということになります。その結果が顧客に評価されたら、それで得た利益をまた得意技のところへ集中投資していく。こういったことの繰り返しが市場経済における企業戦略の基本だと思います。

収益性で得意分野を判断して、得意分野に集中して経営資源を投入する一方で、利益の上がらない分野からは撤退することは、資本効率を求める株主の要求と一致します。利益の上がる分野に集中する一方で利益の上がらない分野から撤退すれば、それだけで利益が上がるからです。市場経済と効率経営と株主資本主義は一体の関係にあるのです。

「オリックスはこんなにいろいろな事業に手を広げて大丈夫か」と聞かれることがありますが、私たちは違ったことをたくさんやっているという意識はありません。元を正せば、金融サービスというコアビジネスに特化した結果が、隣接部門への進出する意欲を与えてくれたのです。しかし現時点で経営資源の大部分を投じているのは、あくまでコアビジネスであり、これへの注力なくしては多角化の芽生えはあり得ないものです。

M&Aは経済全体が低成長の中でも縮小均衡せずに収益の拡大を可能とする手法のひとつです。M&Aだけに依存するのは問題ですが、経営の中にM&Aを取り込むことで戦略の幅が広がるのは間違いありません。M&Aを有利に進めるためには、経営内容に優れ、結果として高い株価が実現していなければならないのです。

会計制度は財務内容を正しく伝えるものでなければなりません。なんとなくこのセグメント(分野・部門)は儲かっていないようだから、やめるべきだなどと大まかな判断をするのでは経営とはいえません。セグメントごとに一つ一つ採算性を時系列化し、それを検証しないと、どのセグメントを改善すべきかも判断できません。企業会計の基本は、企業の財務状態を限りなく実態に近づけて明示することに尽きると思います。正確な経営データは、自社の経営内容を正確に把握するためには不可欠です。

経営は一つの経営指標で判断できるほど単純ではありません。それだけに、新しい経営指標を取り入れて多角的に分析できるようにしなくてはなりません。しかし、忘れてはならないのは、基礎データが正確でなければ、間違った結論が導き出されるということです。

社外取締役とは、社員以外から選ばれる取締役のことです。アメリカでは、社外取締役が単に社外の人間であることだけではなく、独立していることについて詳細な要件を定めています。そのため、最近では独立取締役と言われることが多くなりました。社外取締役の任務は、すべての株主を代理してその利益を最大化するという観点から、経営の成果を客観的に判断することです。

知識社会では、画一的な社員ばかりでは務まりません。従来と違って、これからの企業は多様な社員を求めています。経営者にとっても、社員全体に右向け右と言わなければならない場面は徐々に減りつつあります。仮にそう言ったとしても、左や上や後ろを向くような社員もいないと生き残れないのが知識社会です。

企業の活動範囲が広がるにつれ、社会的な影響力も大きくなってきています。私たちの行動が常に社会から評価を受けているといっても言い過ぎではありません。企業行動が社会的な規範に反し、世の中から批判を受けるようなことが起これば、長い間努力し積み重ねてきたものを一気に失うことにもなりかねません。これまで以上に公正さを意識することが重要になってきています。

業務が拡大して一人で手に余るようになると、人を増やすことになります。そうなると、人がただ集まっただけの烏合の衆では統制がとれませんから、互いの協力関係を想定して組織という形にまとめなければなりません。大事なことは、組織というのは止むを得ず作るものということです。あくまでも複数の人を統制するため止むを得ずなのであって、会社は組織で動くというのは必ずしも適切な表現ではありません。

オリックスでは事業部門のトップが交代した場合など、いつも新しいトップに「交代してすぐに組織を変えるようなことだけはしてはいけない。組織図を書き換えるだけで上手くいくんなら、こんな簡単なことはない」と言っています。経営幹部は時として組織を変えるとそれで仕事を終えたようなように考えるからです。そういう気分になると、本当にやらなければならないことや変えなければいけないものが見えなくなってしまうからです。

オリックスの社長に就任した年以来、私はいわゆるトップセールスをあまりやってきませんでした。トップセールスで成約したビジネスは、販売担当部門を結果的に弱める恐れもあり、長い目で見ると決してプラスとは思えません。私は表敬訪問は喜んでしますが、トップセールスにはあまり熱心ではありません。

市場経済のもとでは、経営トップのひとつの判断ミスで会社はつぶれてしまいかねません。経営者として最も大切なことは会社をつぶさないことです。危機意識を常に持っていないと、対策が後手にまわり本当の危機を招いてしまいます。会社はつぶれるものだということを意識するのが、経営者としての出発点ではないでしょうか。

いままでの日本社会で企業に求められてきたものは、企業本来の役割より大きな社会的責任です。その結果、バブル崩壊後の日本企業は、もともと企業に求められている役割も十分に果たせなくなってしまいました。これからの日本企業は、社会に対して本来の守備範囲に戻らなければ、収益の向上は望めなくなります。

誰かが勇気ある決断をしなければ、どんな事業も成功しないだろう。

マスコミなどから、よく「オリックスのライバル企業はどこか?」と聞かれます。私は「市場経済では具体的なライバルは存在しない」と答えているのですが、どうも答えをはぐらかしたように思われているようです。市場経済においては同業他社の動向を見ていてもどうしようもない面があります。それよりも顧客ニーズの変化をしっかりと把握することの方が大切です。

株主重視経営とは、株主から評価されることを最優先する経営のことです。どうしたら評価されるかと言えば、株主が望むことを実現すればいいわけです。しかし、ここでいう「株主」とはいったい誰のことを指しているのでしょうか。短期的に株価が上がることを喜ぶ株主もいれば、何年も株式を保有して中期的な利回りや値上がりを追求する株主もいます。重要なことは、あらゆる株主の要求にすべて応えることは不可能だということです。

世界の共通言語となりつつある新しい経営手法は導入せざるを得ませんが、個々の経営手法の関連性や、実際の運用上の本質を見失わないことが肝心です。アメリカ企業の経営手法には見習うべきものが多い一方で、必ずしも見習わない方がいいものもあります。

小が大を相手に戦って、勝たなければ生き残れない。しかし、小さな会社が規模という土俵の上で売り上げを武器に勝負を挑んでも、勝ち目はまずない。そこで考えたのがナンバーワンよりオンリーワンを目指すという明確なビジョンを掲げた経営方針である。オンリーワンが確立できれば、他社製品と差別化を図ることができ、同質競争や価格競争に巻き込まれずに済む。

いま世界は急激に変化しつつある。厳しい経済状況の中での舵取りはかなりの困難を伴うに違いない。しかし視点を変えれば、この状況は海外に存在感を示す大きなチャンスでもある。

お客さまからの苦情や意見をデータ化しただけでは、真の意味でのフィードバックはまだ完成ではない。データの裏にある悩みや怒りといった感情が伝わってこない。さっそく、各事業部の技術部長クラスが、交代で電話オペレーターをする制度を作った。技術部長たちは商品についての相談や苦情などをお客さまから直接伺い、部下に伝える。データでは伝わらなかった消費者の声を、次の商品に反映させるのだ。

中途半端は駄目です。やるなら徹底的にやらせてください。ブラウン管よ、さようならです。
【覚書き:社長就任後間もないころの重役会議での発言。ブラウン管を全廃し、当時まだ普及していなかった液晶テレビに全資源を投入すると宣言した時の言葉。】

終身雇用の弊害は忘れてはならない。終身雇用には、油断すると社員がぬるま湯に浸かってしまうという危険が潜んでいる。そのため成果主義、実力主義を導入して、給料やボーナスに大きな差がつく制度を確立した。生活は確保するが厳しさは必要である。

シャープとはどんな会社なのかと自問した時、ハッと気が付いた。他社に真似される独創的な商品を作るのが創業以来のシャープの遺伝子であり、企業風土ではなかったか。シャープには時間をかけて培った風土があるからこそ、独創性のある技術を育てることができるのだ。経験豊富な人間がリストラによって会社を去れば、積み重ねてきたものはゼロだ。人が風土を作り、風土によってふたたび人間が醸成され、独創性のある商品が生み出される。
【覚書き:98年の大不況時の経営危機に対し、人員整理を行わない決断をした時を振り返っての発言】

生産過程では採算性を高めるために1円、2円という厳しいコストダウンが強いられている。ところが、ブランド力の差によって失われる収益は、桁違いなものだった。このブランド力の差は、経営面でも大きく深刻なものだった。ブランド力を高めることがとにかく大事だ。一流ブランドといわれるものの値段が、どうして高いのか考えてほしい。

生産技術は現場で長年培った経験やコツ、ノウハウがものをいう世界。生産技術はいわば老舗うなぎ屋の秘伝のタレみたいなものだ。自前でコツコツ積み上げていくものである。しかし、モノをつくらなければ生産技術は進化しない。せっかくつくりあげた秘伝のタレは本来、門外不出だからこそ商売になるはずだ。安易な海外移転は秘伝のタレをやすやすと分け与えているようなものである。

シャープには創業者である早川徳次氏が提唱した「他社に真似される商品を作れ」という伝統と遺伝子が息づいている。駄目ならいっそのこと他社にないものをつくろうじゃないかという逆転の発想だ。

薄膜太陽電池の生産開始にあたって、私は液晶の技術者を投入した。液晶部隊は長い年月をかけて蓄積した生産技術を持っているので、彼らの技術は太陽電池の生産に応用できると考えたからだ。液晶と太陽電池はまったくの異分野といってよい。しかし、共通する部分はあるはずだ。液晶出身の技術者は「基盤に蒸着する技術は似たようなものですから。逆に液晶の技術にとってもいい勉強になります。新しい発想が生まれるかもしれません」と涼しい顔をしてさらりと言ってのけた。

スムーズに事が運ばないのが現実だ。とくに、組織の壁という目に見えない障害に阻まれる。組織の壁を低くすることが、独創的な製品開発をするためには必要不可欠となる。

シャープは創業以来、世界初、日本初の商品を生み出し続けてきたが、それはすべてシャープの風土があればこそであった。四代目社長となった私が「ナンバーワンよりオンリーワンを目指す」と、ためらうことなく宣言できたのも、代々受け継がれてきた市場の変化を先取りした需要創造型商品を創出する「創意の遺伝子」のおかげだと思っている。

車のハンドルは、車が止まった状態では重くて切れない。しかし、いったん動きはじめればハンドルは軽くなるから、方向転換は簡単にできるようになる。私はこれを車のハンドル理論と呼んでいるが、販売も同じだ。低迷している現状を最初に動かす原動力は、やはり販売台数だ。

系列販売店に日参した。すると、あることがわかってきた。販売店には積極的にモノを売ろうという発想が、あまりないのである。高度成長期は並べているだけで商品が売れたから、販売促進という考えは、メーカーにも販売店にもなかったのだ。いままではそれでよかったかもしれないが、モノが売れない時代は確実にやってくる。そこで私は、商品情報を販売店に提供しようと考えた。
【覚書き:係長として近畿営業部に配属された当時を振り返っての発言】

利益を上げるための方法は二つしかない。ひとつはオンリーワンの独創的な技術を生み出すこと。もうひとつは、トータルコストをどう最小化するかだ。

株価を上げるために人員整理を行うのは会社経営ではない。メーカーの価値は生み出される商品で判断されるべきだ。私には、リストラを実行した会社の株価が上がるようなら、日本の製造業に未来はないという確信があった。株主を大切にすることに異論はない。企業にとって人材は最も重要な財産である。従業員もまた、株主と同等に大切にされるべきなのだ。

個々の商品の違いがわかりにくくなり、お客様は商品をブランドで選ぶ、あるいは価格で選ぶといった傾向が強まってきたように思います。この変化の中で、当社としてはより明快な特長を持つ商品を創出すること、そしてその良さを正しく評価して買っていただけるようにブランド価値を高めることが不可欠となってきました。さもなければ、韓国や中国などの強靭なコスト力を持つメーカー相手に「価格のみで勝負」をせざるを得なくなります。

それまでシャープの製品はブランド力が低いがゆえに、たとえ性能が優れていても、トップブランド品よりも安く売られていた。一年間通してその売価差を積み上げてみると、衝撃的な結果が出た。私はこの金額の大きさに愕然とした。一段下の価格で販売されるということは、ひとつの商品につき10%程度の売り上げ減にあたる。これが全商品に及ぶわけだから、全社で取り損ねた収益は莫大な金額になって当然だ。

ブランドは無形の財産だ。開発技術や生産技術、デザイン、知的財産、特許などと同様、バランスシートには載ってこない。だが、この無形の財産の価値を高めなければ企業価値を高められない。強いブランド力を持たない企業は、生き残っていくことが難しい。

亀山工場では、生産技術のブラックボックス化を行った。かねてより生産技術が海外流出していることに懸念を抱いていた私は、亀山工場を建設するにあたり、生産技術の要となる部分を、外からでは見えないようにした。

加速し続ける海外生産にストップをかけなければ、いずれ日本の生産技術は消滅してしまうという危機感が、私の中でだんだん大きくなっていった。日本で育てた最先端の生産技術が海外に流出する懸念だ。中国をはじめアジア各国のハイテク技術がどんどん向上していく中、安易な海外移転を繰り返せば、日本が長年かかってつくりあげてきた生産技術は、彼らに習得されてしまう。そうなれば、製造立国・工業立国日本そのものが危うくなってしまう。

半導体で重要なのは研究開発と設計だ。生産は優秀な製造企業に委託すればいい。君たちには、世界一流のファブレス(生産部門を持たない半導体メーカー)になって最先端の半導体を開発してほしい。
【覚書き:半導体事業を縮小し、液晶テレビに経営資源を集中させた際の発言。半導体事業は廃止するのではなく、生産部門は廃止しつつも開発のみに特化させることによって経営合理化と同時に技術の蓄積を可能にさせた】

オンリーワン経営の要諦は「選択と集中」である。二兎を追う者は一兎をも得ずと言います。今後は選択と集中を徹底しなければ会社はやっていけません。小が大に勝つためには効果的な選択と集中をする必要があります。

当社の経営理念は「いたずらに規模のみを追わず、誠意と独自の技術を持って」という一文から始まっています。これからのシャープの目指すべき姿は、ナンバーワン企業ではなく、オンリーワン企業であると考えます。つまり、世界の中で、独自の特長がきらりと光る企業です。

金なんかなくたって、心が豊かで、誰にも迷惑をかけずに、好きなことをやっていけたら、これが一番幸せな人生なんだろうな。俺は若いころから好きなこととなると無我夢中になった。だって、嫌いなことを無理してやったって仕方がないだろう。人間「得手に帆あげて」生きるのが一番良いからね。ただし、俺が好きなことばかりやってこれたのも、会社でも家庭でもいいパートナーがいたからなんだ。

輸入規制などはとんでもない。オートバイを輸入しろ。輸入して外国製品と競争していくと日本のオートバイ・メーカーがちゃんとしたものを作れるようになる。

息子や親せきでないと社長にしないとか、東大出でないといかんとか、企業に関係のない条件で社長を選んでいるところがある。みんなが見ているというのに、それでいいと思っているんですかね。会社は大勢が飯を食うところ、大勢の生命の源泉です。そこを忘れたら会社は潰れますよ。
【覚書き:ホンダの社長は2代目以降も能力重視で現場たたき上げの人間が多数を占めている】

(写ルンですのCMキャラクターを)デーモン小暮さんに決めたあと、たまたま経営者の集まりがあって、皆さんにデーモン小暮さんの名前を出したらほとんど誰も知らなかった。しかし、その会食の席で料理を運んでくる仲居さんたちが目を輝かせているのです。デーモン小暮は相撲好きだとか、実に詳しい。やはり、お客さまの意見が一番重要です。おじさんたちが頭をいくらひねっても、自分の経験だけでやろうとすると大きく間違う。

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